「KAZUI」は他の会社より6日先行して営業開始していた…発見の10人全員の死亡確認 北海道・知床観光船事故 |TBS NEWS DIG

「KAZUI」は他の会社より6日先行して営業開始していた…発見の10人全員の死亡確認 北海道・知床観光船事故 |TBS NEWS DIG

「KAZUI」は他の会社より6日先行して営業開始していた…発見の10人全員の死亡確認 北海道・知床観光船事故 |TBS NEWS DIG

北海道・知床半島の沖合で乗客と乗員あわせて26人を乗せて消息を絶っている観光船の捜索で、これまでに10人の死亡が確認されました。現場から最新情報をお伝えします。

北海道・知床半島の斜里町ウトロ漁港です。

これまでに発見された10人の死亡が確認されました。10人のうち男性は7人、女性が3人、子どもは含まれていないということです。

第1管区海上保安本部によりますと、消息を絶っている観光船の船長は斜里町の豊田徳幸さん(54)、甲板員は東京都の曽山聖さん(27)と判明しました。

ただ、これまでに発見された10人のなかに2人が含まれているかどうかはわかっていません。

そして、さきほど午後4時から国土交通省などによる観光船の運航会社「知床遊覧船」に対する特別監査が始まりました。船の安全管理態勢の調査が本格化します。

23日からの動きをまとめました。

世界自然遺産の知床半島の斜里町ウトロ漁港で次々と船に乗り込む人たち。観光船「KAZUI」です。船には子ども2人を含む乗客24人、船長と甲板員の2人、合わせて26人が乗っていました。

知床半島の西側「カシュニの滝」をめぐり、3時間で往復する予定でした。ただ、23日は9メートルの強風に、波は3メートルと高い状態でした。そして出港からおよそ3時間後の午後1時13分。

「KAZUI」から発信された無線(23日午後1時13分)
『船首が浸水している』

「KAZUI」から救助を求める無線を聞いた別の観光船の運航会社が海上保安庁に通報。その5分後には「KAZUI」から携帯電話で救助要請がありました。

「KAZUI」から118番通報(23日午後1時18分)
『エンジンが使えない』『カシュニの滝のすぐそば、救助頼む』

運航会社との通信(23日午後2時ごろ)
『全員救命胴衣着用済み』『沈みそうだ。船が30度傾斜している』

そして「KAZUI」との連絡は午後2時ごろの通信を最後に途絶えました。

事故の知らせを受けた岸田総理は23日夜、訪問先の熊本県から急きょ予定を変更して東京の総理官邸に戻り、対応にあたりました。

岸田総理
「人命救助を最優先に、関係機関が全力を挙げ、捜索救助活動を行う」

記者
「午前5時過ぎのウトロ漁港です。これから捜索に向かう漁船が出航の準備を始めています」

仲間の観光船や漁業者は乗客らの安否を案ずる一方、悪天候の中、出航した判断を疑問視する声もありました。

別の観光船の乗組員
「(きのうは)3メートルくらいの波。観光船にとったら、船が出られる状態ではないから、出るほうがおかしい。自分の見た感じだけど、船の前側が割れていた。そのまま(船を)下ろしていたから、大きく亀裂が入って、水が入った可能性がある」

記者
「現場で発見された人が今、学校に搬送されてきています」

24日午前5時すぎ、海上保安庁や北海道警のヘリコプターが知床岬の先端で4人を発見。これまでに合わせて10人が見つかりましたが、全員の死亡が確認されました。

別の観光船を運航する会社によりますと、観光船を運航する4社からなる小型船協議会というのがあり、足並みをそろえて29日から運航することになっていました。しかし、「KAZUI」は他の会社に先行して23日から営業を始めていたということです。

また「知床遊覧船」は去年2回事故を起こし、北海道運輸局から指導を受けていました。

現地に入った斉藤国土交通大臣は、今回の事故が過去の事故とどういう関係にあるのかしっかり検証したいと述べました。

以上、ウトロ漁港からお伝えしました。

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