「まるで地獄」“東部の街”総攻撃・・・ロシア軍「ドンバスの戦い」開始【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年4月20日)

「まるで地獄」“東部の街”総攻撃・・・ロシア軍「ドンバスの戦い」開始【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年4月20日)

「まるで地獄」“東部の街”総攻撃・・・ロシア軍「ドンバスの戦い」開始【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年4月20日)

ロシア軍が軍事作戦の新たな段階だとして、ウクライナ東部のドンバス地方への大規模な攻撃を開始しました。さらに、民間人1000人が避難していると言われている、マリウポリ“最後の砦(とりで)”アゾフスタリ製鉄所への特殊部隊による攻撃も始まりました。

■「ドンバスの戦い」東部で“大規模攻撃”

 ロシア軍による攻撃で、激しい火災に見舞われる街。ウクライナ侵攻は、新たな局面に入りました。

 CNN:「ついに、ドンバスを巡る戦いが始まったようです。300マイル(約480キロ)におよぶ前線で、ロシア軍の攻撃を受けたといいます」

 ウクライナ東部で始まった大規模攻撃「ドンバスの戦い」。市街地を絶え間なく襲う砲撃音。そして、炎と黒煙。民間人の犠牲が相次いでいます。

 ルハンシク州知事SNS:「地獄です」

 国を守るため、抵抗を続けるウクライナ軍。街の9割以上が破壊された南東部の港湾都市・マリウポリ。“最後の砦”では、市民が残されたまま、今も戦いが続いています。

■上空に戦闘機・・・“核”搭載も可能

 最大の激戦地・マリウポリ市街地へと続く道路。車体に「Z」と書かれたロシア軍とみられる戦車が何台も確認できます。

 停車した軍の車両の周辺には、多くのロシア兵の姿があります。次々と市街地へと入っていく、ロシア兵を乗せた車両。地上だけでなく、上空にもロシア軍の姿があります。

 轟音とともに、4機の戦闘機がマリウポリ上空を飛行しています。映像を投稿したマリウポリ市長顧問によると、これは核兵器や多数の爆弾を搭載できる戦闘機だといいます。

■チェチェン兵“制圧後”製鉄所でダンス

 攻勢を強めるロシア軍。マリウポリの防衛拠点とされていたアゾフスタリ、イリイチの2カ所の拠点のうち、イリイチ製鉄所を制圧したと発表しました。

 建物の窓ガラスは割られ、駐車場に止めてあるトラックやバスは、焼け焦げています。

 制圧後のイリイチ製鉄所内とみられる映像。ロシア軍に加わっているチェチェンの兵士たちがダンスをし、上空へ向けて銃を放ちながら、喜びを爆発させています。

 この製鉄所について、ロシア国防省は15日、「ウクライナ民族主義者から完全に解放した」と主張しています。

 映像では、銃を持った兵士たちが、製鉄所内を我がもの顔で闊歩(かっぽ)しています。壁にスプレーで落書きをし、入り口には、チェチェンの旗を掲げる様子も映っています。

 さらに、チェチェンの国旗を持った兵士が、ウクライナの国旗を足蹴にしながら歩く姿も見えます。横には、その様子をカメラで撮影する兵士もいます。

 ロシア側・チェチェン部隊:「ウクライナ軍は、あったものはすべて置いて逃げた。彼らは全力で逃げたよ。彼らの士気は低い。元から低いし、今はさらにだ。我々の相手になる敵は、ここにいなかった」

■“最後の砦”製鉄所・・・再び投降勧告

 マリウポリ最後の砦・アゾフスタリ製鉄所の内部とされる映像。マリウポリ市議会によると、製鉄所内には民間人1000人以上が避難しているといいます。

 避難している女性:「今持っている希望は1つ、ちゃんと生き残ることです。ここから出て、平和に暮らしたいです」

 ロシア国防省は、製鉄所内にいる人に対し、日本時間の19日午後8時から10時の間に、製鉄所から出ていくよう投降勧告を出しました。

 ロシア国防省:「武器を捨てたものは、命を保証する」

 ロシア国営テレビは、製鉄所周辺に住んでいた民間人をロシア兵が避難させたとする映像を公開。荷物を持った民間人が、ロシア兵とみられる人物に誘導され、避難していく様子が映っています。中には、けがをしているのか、肩に担がれている人もいます。

 ロシアメディアによると、勧告の期限後、製鉄所周辺に住んでいた約120人が、人道回廊を通じて避難したということです。

 しかし、現在、アゾフスタリ製鉄所を巡る詳しい状況は分かっていません。

■ルハンシク州知事「まるで地獄だ」

 響き渡る爆撃音。ウクライナ東部のドンバス地方にあるルハンシク州ルビージュネでは、ロシア軍による攻撃が激化。町の至る所から立ち上る白煙や黒煙。赤い炎が上がっている様子も確認できます。

 家の屋根や壁がなくなり、一面がれきの山になっています。

 住民:「子どもたちには逃げなさいと伝え、ここにウクライナ軍が戦車を置いていた。その戦車がいなくなったら、すぐにロシア軍の爆撃があった」

 取材中にも響く爆撃音。ミサイルは、あらゆる方向から飛んできたといいます。

 住民:「私たちは、無一文になってしまった。ガソリンも電気も何も無い。水すら無い」

 映像を撮影したルハンシク州の知事は、自身のSNSに「市民が暮らす街への攻撃が止まらない。まるで地獄のようだ」に投稿しました。

■重大局面に・・・「戦争の第2段階へ」

 激しい戦闘が繰り返されてきたルハンシク州クレミンナ。18日の夜からロシア軍が猛攻を仕掛け、ルハンシク州の高官はクレミンナが制圧されたと発表しました。ウクライナ東部での新たな攻撃開始以降、都市が制圧されたのは初めてとみられます。

 ドンバス地方の緊張が高まります。

 ゼレンスキー大統領:「ロシア軍は、長い間準備してきた“ドンバス地方での戦い”を開始した。ロシア軍のかなりの部隊が、この攻撃に投入されている。どれだけロシア軍が来ようとも、我々は戦う」

 ウクライナの大統領府高官も「戦争の第2段階が始まった」と述べ、重大局面に入ったことを強調しました。

 ロシア国内でも、ウクライナ東部での戦闘激化は伝えられていました。ウクライナ軍が、住民を標的とした攻撃を行っているという主張を繰り返しました。

■プーチン大統領“大量虐殺”部隊に称号

 多数の民間人が遺体で見つかり、世界中に衝撃を与えたブチャ。

 大量虐殺を行ったと非難されている部隊に、プーチン大統領は名誉称号を授与しました。「英雄的な行動と勇気を示した」として、称えています。

 戦闘が新たな局面を迎えるなか、ロシア国営テレビは、来月9日の戦勝記念日に行われる軍事パレードのリハーサル映像を公開しました。

 式典で戦果をアピールするため、ウクライナ東部の制圧を目指して、攻勢をさらに強める可能性も指摘されています。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年4月20日放送分より)

[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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