来年度予算案１０７兆円超に、膨らむ“借金” 広がる“格差”
岸田政権は、総額１０７兆円を超える来年度予算案を閣議決定しました。借金頼みの財政運営で、若い世代への負担が増える内容です。
都内の英語教室。子どもの将来を思う親からは不安の声が・・・。
保護者
「有能な人材とかも海外に流れていくんじゃないかな。（自分の子どもが）海外に出てもいいのではないか」
不安の一つにあるのは国の将来です。
保護者
「借金が膨らんでくるのを背負っていくのは、自分の子どもの世代ですから」
政府がけさ閣議決定した来年度予算案。総額は１０７兆６０００億円。１０年連続で過去最大です。大きいのは、医療や年金など３６兆円を超える社会保障費。また、防衛費は中国などの脅威を背景に、５兆４０００億円とこちらも過去最大です。
町の声は・・・。
街の人
「コロナとかがあったので、致し方ないところもあると思う」
「無駄に税金が使われてるのに借金借金と言って、私たちだけが負担を強いられるのはすごく不公平だなと」
岸田総理肝いりの成長と分配について、経済界からは・・・。
経済同友会 櫻田謙悟代表幹事
「ここが新しい資本主義につながる予算だというのは、まだ残念ながら見えてこない」
国会では３６兆円の補正予算が成立したばかり。にもかかわらず、来年度予算も膨らんでいます。そのツケは借金の増加です。今回、税収では足りない３７兆円は国の借金である国債を発行、来年３月には１０００兆円まで膨らむ見通しです。
割を食うのは若者です。世代間の格差研究によりますと、税や年金の恩恵は８０歳の人では２５００万円以上ありますが、今生まれた子どもは３２００万円以上の負担を抱えることになるといいます。
学生からは・・・。
学生
「国を見限るというのは言い方が変かもしれないけど、選択肢として想定せざるをえない」
若者は日本を脱出するしかないと指摘するエコノミストもいます。
中部圏社会経済研究所 島澤諭研究部長
「私の子ども達には、いつでも日本を脱出してもよいよとは言ってあります。日本の深刻な世代間格差を解消しないといけない。そういう財政や社会保障にしていく必要がある」
若者が負担を訴える声は政権にも届いているはずです。聞く力を持つ政治家は、それを無視すべきではありません。（24日16:47）
