キーウの医師「病院で暮らしながら治療」 負傷の7歳少女が反戦訴え(2022年4月5日)

キーウの医師「病院で暮らしながら治療」 負傷の7歳少女が反戦訴え(2022年4月5日)

キーウの医師「病院で暮らしながら治療」 負傷の7歳少女が反戦訴え(2022年4月5日)

 昼夜を問わず治療にあたる医療従事者。物資を届けて回る若者。番組でキーウの市民の奮闘を追いました。

 「キーウ州全域を奪還した」と宣言したウクライナ。奪還の裏には兵士だけでなく、町にとどまった市民たちの奮闘がありました。

 ウクライナ軍の兵士と肩を並べる青年、23歳のアントンさん。

 首都キーウでボランティアとして軍を支援する市民の1人です。

 キーウ(キエフ)在住・アントンさん:「兵士の衣料品の購入と市民の依頼で購入しないといけない医療品の対応をしている」

 依頼を受け、薬局で軍や市民に届ける薬を購入。さらに、不足している兵士の服や靴も調達しています。

 キーウ(キエフ)在住・アントンさん:「市内にバリケードがあって、各地区に軍事基地がある。軍隊の担当者がいて、他にも警察官や市役所の職員などがいる。志願兵の服などが最も必要。ウクライナへの支援は現場に届くのにすごく時間がかかる。多くの道路が破壊され、大きな問題になっている」

 小回りがきく電動ミニバイクで毎日、市内を駆け回っています。

 高齢者たちにも生活必需品を配達。ボランティア団体を通じ、海外からの支援金などが充てられているといいます。

 キーウ(キエフ)在住・アントンさん:「必要としているもの持っていくと感謝される。支援はまだまだ足りない」

 長期化する戦乱。死傷者も増え続けています。

 民間人の死者は少なくとも1430人。そのうち121人が子どもです。負傷者は2097人。キーウ中心部にある病院では、医療従事者たちが昼夜を問わず治療にあたっています。

 看護師:「ここで暮らしながら仕事をしている」

 ウクライナ最大規模の子ども病院です。キーウ近郊の町がロシア軍から解放されたことで、負傷した患者が大勢押し寄せているといいます。

 国立オフマディット小児専門病院、ウラディミル・ジュルニル院長:「患者の数が増えた。キーウ(キエフ)市はやっと解放されて、患者がこの病院にたどり着くことが可能になった。治療を受けるためウクライナの地方から来る人もいる」

 避難している時にロシア軍の砲撃を受けて負傷した家族。

 5歳の息子は右足に破片が突き刺さり、重傷です。

 砲撃で負傷した家族の父親:「地面に伏せていたら砲撃の音が聞こえて1つ目のミサイルが10メートル以内で爆発した」

 家族が住んでいたのは首都キーウ北部のチェルニヒウ州。ロシア軍の侵攻により、町の約7割が破壊されました。決死の覚悟で避難を決意した親子。砲撃を受け、全員が大けがをしましたが、戦場で九死に一生を得ます。

 砲撃で負傷した家族の息子(5):「大きな声で車を呼んだと思う。伏せながら泣いていたら救急車が見つけてくれた」

 この1カ月、チェルニヒウにとどまっていたのには訳が・・・。

 砲撃で負傷した家族の母親:「チェルニヒウから移動したくなかった。私の息子は軍人で今そこで戦っている。残したくなかった。息子からメッセージが届く。『ママが好きだけど明日また会えるか分からない。砲撃は激しい』と」

 手術で破片の多くは取り除かれましたが、リハビリが必要だといいます。

 国立オフマディット小児専門病院、ウラディミル・ジュルニル院長:「残念ながらキーウ(キエフ)が解放されたからといって戦争の終わりとはならない。ロシアの攻撃は続くと思う。ロシアが化学兵器や核兵器を使うことを皆心配している」

 ロシア軍の砲撃で負傷し、この病院で手術を受けた7歳のワリャちゃん。現在も病院でリハビリ中です。自らの言葉で反戦を訴えています。

 砲撃で負傷したワリャちゃん:「プーチン大統領は攻撃をやめてほしい。あの人のせいで多くの人やその人たちの故郷が被害を受けている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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