“首脳会談”報道の中・・・ロシアに空爆 ウクライナ側は肯定も否定もせず(2022年4月2日)

“首脳会談”報道の中・・・ロシアに空爆 ウクライナ側は肯定も否定もせず(2022年4月2日)

“首脳会談”報道の中・・・ロシアに空爆 ウクライナ側は肯定も否定もせず(2022年4月2日)

 トルコのメディアが1日に報じたところによりますと、イスタンブールで、ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領による首脳会談が行われる可能性があるということです。こうしたなか、ウクライナ国境に近いロシア国内の燃料貯蔵施設で火災が発生しました。ロシアはウクライナによる空爆だと主張しています。

 ウクライナ南東部にあるマリウポリ。これまでの激しい戦闘で街にあるほとんどの建物は廃墟と化していました。中には、子どもの自転車や靴も散乱していました。

 マリウポリは数日から数週間以内に陥落する可能性が伝えられていますが、街の中にはすでにZマークをつけたロシア軍のものとみられる戦車が走っていました。

 こちらはウクライナとの国境に近いロシア・ベルゴロド州。

 目撃者:「朝にヘリコプターの音が聞こえた。とても低空で飛んでいて、1分半後くらいに大きな爆発音が聞こえて明るくなった」

 ロシア国防省によると、ウクライナからロシア領域に入ったヘリコプター2機が燃料貯蔵施設を攻撃したといいます。

 アメリカ、サキ報道官:「私たちはロシア政府の声明についてコメントをする立場ではありません」

 ウクライナ、国防省報道官:「ウクライナ軍は現在、侵略者へ反撃を行っている。そのため、今回ロシアであった事件やこれまでの失敗などについて私たちに責任はない。ロシア領土の攻撃について、関与を肯定もしないし否定もしない」

 アメリカはコメントを拒否、ウクライナは肯定も、否定もしませんでした。

 イギリスの国防省はこの火災について、ウクライナ東部ハルキウを包囲しているロシア軍の補給に影響を与える可能性があると分析しています。

 軍事ジャーナリストの黒井さんによりますと、この攻撃はウクライナ側による可能性が高いと言います。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「おそらくウクライナ軍が持っている旧ソ連製の攻撃ヘリコプター『ハインド』というものを使われた可能性が高いですが、これですと数百キロは軽く行動できますので、この距離であれば問題なく到達はできますね」「ただ低空飛行とはいえ、ヘリコプターですから、速度が遅いのでやはり迎撃される危険性というのはあるわけですね。だからかなり危険な任務だったと思います」

 ロシアによる偽旗作戦の可能性については。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「貯蔵施設って防御が弱いんです」「自作自演だったらもっと違う所を狙うんじゃないかと思うので」

 一方、ウクライナはこんな見方も示しています。

 ウクライナ、アレストビッチ大統領顧問:「ロシア軍が命令に従いたくなく、ウクライナに行きたくないためこういう方法をとっている可能性がある」

 そんななか、プーチン大統領とゼレンスキー大統領による首脳会談がトルコのイスタンブールで開かれる可能性があるとトルコメディアが伝えました。

 エルドアン大統領は1日にプーチン大統領と電話で会談し、ゼレンスキー大統領との首脳会談を提案したということです。

 現在、ウクライナ南東部では激しい戦闘が続けられていますが、そんななかでの首脳会談の可能性はあるのでしょうか。

 慶應義塾大学総合政策学・廣瀬陽子教授:「私としてはまだ可能性は極めて低いと思っておりまして、というのはゼレンスキー大統領は就任からずっとプーチン大統領との会談を求めていたわけですが、それをロシア側がのらりくらりと拒否していた。おそらく会談が成立するとすれば細々とした交渉内容が熟した形で合意がとれて、本当にサインをするだけという状況でないとなかなか両首脳が会談というのは成立しないのではないかと思います」

 CNNによりますと、首都キーウ近郊の空港からロシア軍が撤退したことが最新の衛星画像で明らかになりました。

 軍用車両や大砲などが撤去されているといいます。

 現在のキーウの状況について、連日SNSで情報を発信しているボグダンさんは。

 キーウ在住、パルホメンコ・ボグダンさん:「サイレンの数が数日前と比べると少し少なくなったのと爆撃の音が少し少なくなった。4月に入る直前ですべてが稼働し始めまして、大学、小学校、中学校、高校の授業がネットであったり通信環境がある部分では開始をされました。できるだけ多くのビジネスがいま、再開を始めています。物流のシステムがある程度整い始めましたので、もちろん不安というのはあるんですけどもただ不安以上にですね、日常の生活を取り戻したいという気持ちがいま大きく人々の心の中に前進していまして、そちらのほうに向けて、みんな心を合わせて一生懸命頑張っているというような状況です」

 ゼレンスキー大統領は、首都キーウの北では退却がみられるとしつつも、今後も危険な状況は続くと言います。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「東側の方で非常に難しい状況が続いている。ロシア軍がドンバス地方に強引に行かされている。ハルキウ(ハリコフ)に対しても新しい攻撃が準備されている」

 撤退したロシア軍部隊の行方は明らかになっていませんが、ベラルーシに向かったとの見方が強まっていて予断を許さない状況が続いています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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