「ウクライナに韓国と北朝鮮を作ろうとしている」ロシア軍“ドンバス”に集中(2022年3月28日)
物資の不足や、士気の低さが指摘されているロシア軍。ウクライナの首都キエフの周辺では、動きが後退しています。
首都周辺で動きが止まる一方、ロシア軍がいま目指しているのが、東部・ドンバス地方の支配です。
マリウポリでは、16万人が暖房も電気もない状態で残されているといいます。28日、住民が避難する“人道回廊”は設定されませんでした。ロシア軍が挑発行為に及ぶ恐れがあるというのが理由です。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領：「街はロシア軍にブロックされている。マリウポリに出入りができない状態だ。薬、食料、水を運べず、明らかに壊滅的な状況となっている。ロシア軍が人道支援の車両を砲撃し、ドライバーが殺された」
ロシアの国営メディアによりますと、親ロシア派は、1週間以内にマリウポリを制圧できるとみています。
住民：「ここで生まれ育った。夫も同じで、ここで結婚して子どもができた。私たちに何が残っているのか。ここから離れたくないけど、住む場所はどこにもない」
マリウポリを制圧したとして、ロシア軍は次に何を狙うのか。ウクライナ国防省の幹部は、こう見ています。
ウクライナ国防省・ブダノフ情報総局長：「プーチン氏は、我が国の非占領地域と占領地域の間に分断線を引こうとしている。ウクライナに韓国と北朝鮮を作ろうとしている」
侵攻開始前から一部地域を親ロシア派が、支配していた東部ドンバス地方。ロシア軍は市民をも狙った攻撃で次々に制圧していきました。マリウポリを支配すれば、クリミア半島からロシアまで、陸路でつながる地域ができることになります。親ロシア派の指導者は、ロシアへの編入に前のめりです。
“ルガンスク人民共和国”・パセチニク氏：「共和国では近く住民投票が行われる。住民は憲法上の権利を行使し、ロシアへの編入について意思表示をする」
ロシアとウクライナによる直接協議が、29日、トルコのイスタンブールで始まります。それを前に、ロシアメディアの取材に応じたゼレンスキー大統領は、ロシア語で、妥協をする姿勢を示しました。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領：「安全保障の確約と中立性、非核保有国の地位に向かう用意がある。ウクライナの領土からロシアを完全に排除することは不可能だろう。それは第3次世界大戦につながる。だから、私は妥協について話している。ドンバスの問題を解決する努力をしよう。ロシアの大統領との合意が必要。そのためにもプーチン氏は、今いる場所から出て、私と会う必要がある」
これに対し、ロシアのラブロフ外相は、こう述べました。
ロシア・ラブロフ外相：「プーチン大統領は会談を断ったことはない。ただ会って意見交換するだけでは逆効果だ。会談は、ロシアにとってカギとなる問題についての解決策が明らかになったときに必要となる」
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
