反撃で“奪還”ロシア軍キエフ近郊から後退も・・・綱渡りの状況続くウクライナ(2022年3月24日)

反撃で“奪還”ロシア軍キエフ近郊から後退も・・・綱渡りの状況続くウクライナ(2022年3月24日)

反撃で“奪還”ロシア軍キエフ近郊から後退も・・・綱渡りの状況続くウクライナ(2022年3月24日)

ロシアによる軍事侵攻から1カ月です。首都キエフ近郊では、ウクライナ軍による徹底抗戦で、ロシア軍が後退しているとの見方が出るなど、戦況にも変化が出てきています。

キエフ、クリチコ市長:「激しい戦闘があり、当局の情報では、マカリフやイルピンのほぼ全域をウクライナ軍が取り返した」

キエフ近郊のイルピンは、ロシア軍の激しい攻撃を受けていて、住民が川を越え次々と避難していました。その街をほぼ奪還したといいます。

キエフ、クリチコ市長:「ロシアは3週間前にキエフを包囲して制圧する予定だったが、ウクライナ兵がその計画をつぶし、街を守る決意と熱意を示してくれた。キエフには入れさせない。服従して奴隷になるなら死を選ぶ」

アメリカ国防総省の高官によりますと、キエフの北東20~30キロに迫っていた部隊も、55キロほどのところまで後退したといいます。さらに、ウクライナの国防省は、南東部ベルジャンシクの港でロシア軍の揚陸艦を破壊したと発表しました。

ただ一方、マリウポリなど東部では、ロシア軍の動きが活発化しているようです。23日の国会での演説でゼレンスキー大統領が話した通り、亡くなった家族や隣人を道路わきなどに埋葬せざるを得ないのが現地の実情です。

市民:「義父は車にいる時に砲撃された。息子たちが穴を掘り、私たちが埋葬して十字架を立てた」

人道危機をもたらしているロシアの侵略戦争に、西側諸国はどう対応するのか。欧米30カ国が加盟する軍事同盟NATO(北大西洋条約機構)が緊急の首脳会議を開きました。

カナダ、トルドー首相:「NATOは民主主義、法の支配、人権保護、社会の基礎たる価値観を共有する国の集まりだ。プーチン氏による民主主義国家ウクライナへの残忍で違法な侵攻は許されない」

NATO、ストルテンベルグ事務総長:「私たちはロシアによる一方的な敵対行為を非難し、ウクライナの主権と領土の保全を一致団結して支援します。今後もロシアに代償を払わせ、横暴な戦争に終止符を打つ覚悟です。自由と権利を守ろうと戦っているウクライナ国民と軍隊の勇気に敬意を表します」

そして、ゼレンスキー大統領がオンラインで参加。NATOへのメッセージを送りました。

ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「すでに1カ月間戦っているキエフからごあいさつ申し上げます。確かに私たちは勇者でも世界最強の軍でもありません。共同防衛という共通の目標を持つ30カ国と同じ傘の下にはいません。でも私たちは自分の価値観だけでなく、皆さんと共通の価値観を守っています。2月24日、私は論理的で分かりやすい要求をしました。飛行禁止空域の設定です。ロシアの攻撃から守ってほしいと。それに対して、明確な回答はありませんでした。ウクライナはこの戦争を望んでいなかったし、この先も望んでいない。国民を救いたい、生き残りたいだけです」

今回、NATOがまず打ち出したのは自らの防衛態勢の強化です。

NATO、ストルテンベルグ事務総長:「新たに4つのNATO戦闘群をブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、スロバキアに配置する」

2014年のロシアによるクリミア併合をきっかけに、NATOはバルト三国やポーランドに多国籍部隊を事実上、常設しました。今回配備されると、ロシア側に面する8カ国に置かれさらに強化されることになります。ただ、ポーランドが提案した平和維持部隊の派遣など、直接的な介入については踏み込んでいません。

今のところできる軍事的な支援は武器の提供です。イギリスは対戦車兵器などミサイル6000発を追加で提供すると発表しています。

もう一つ焦点となっているのが懸念されている核や生物・化学兵器の使用にどう対応するかということです。

イギリス、ジョンソン首相:「(Q.NATOとして化学兵器の使用は『最後の一線」として対応するべきでは)現実として、プーチンはすでに一線を越え、蛮行に及んだ。NATOとして、この恐ろしい危機とウクライナ人の被害を受け止め、ウクライナがきちんと自衛できるように支援を検討するべき。プーチン体制への経済的締め付けの強化も協議していく」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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