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知っていますか?「デジタル地域通貨」お得に便利に全国各地で浸透中
いま「デジタル地域通貨」というものが全国各地で広がっています。地域での体験に応じて通貨を貰うことができ、ゲーム感覚で楽しめるなど、その可能性に注目が集まっています。
国山ハセンキャスター
「鎌倉駅にやってきました。鎌倉には地域限定の通貨があるということですが、いったいどういうものなのか、実際に体験しに行きます」
最初に訪れたのは豆腐ハンバーグの専門店。すべて食べ終わると・・・
店主
「完食されたので、こちら読み込んで下さい。鎌倉の地域通貨100クルッポをプレゼント。フードロス削減に貢献したので」
国山キャスターがもらったのは「まちのコイン」というデジタル地域通貨。クルッポはその単位です。地域のためになる行動やSDGsに貢献することで鎌倉市内の加盟店や団体からもらうことができるのです。
お腹が満たされた国山キャスターが続いてやってきたのは、十割蕎麦を提供するお店。
店員
「こちらの窓を拭いていただくと1000クルッポ差し上げます」
店の象徴だという大きな窓を通じて、コミュニケーションのきっかけ作りになればと考案したといいます。
店主
「コミュニケーションをとれる時間も長いのでありがたい」
15分程度で全体をきれいにし・・・
国山キャスター
「1000クルッポもらいました。窓拭き頑張った甲斐がありましたね」
そして、もらったクルッポは使うこともできます。例えば、住民が着なくなった古着や古本、さらには地元の農家が提供してくれる規格外の野菜や果物などとも交換することができます。また、300クルッポでお寺の住職に愚痴を聞いてもらうことも。
体験に応じてアプリには「レベルアップ」や「ランキング」が表示される機能もついています。開発・運営するのはゲームの制作会社です。
「まちのコイン」運営会社 担当者
「ボランティアやビーチクリーンをやるぞってなるとちょっとハードルが高いことも、クルッポをもらいながら地域にいい活動へ参加できるのも特徴。1つ1つの街が個性豊かな楽しい街になることで、日本が元気になればいいなと」
人と人との繋がりなど、お金では買えない体験を目的とした「まちのコイン」。現在、鎌倉以外にも15の地域に広がっています。
一方で、経済の活性化にデジタル地域通貨を使っているところも。岐阜県高山市のスーパーで目にしたのは、スマホで電子決済する高齢者の姿。使っているのはデジタル地域通貨「さるぼぼコイン」です。
高山市民(70代)
「レストランとか薬局とか、全部さるぼぼコインを使っています。財布を持ち歩いていない」
高山市民(60代)
「面倒くさいのかなと思っていたが、いいですね」
若い世代も・・・
「さるぼぼコインをずっと使っている。(Q.他に入れている電子決済は)ないです」
支持される理由は「利便性」と「安心感」で、スタートさせたのは地元の飛騨信用組合。高山市のほか、隣接する飛騨市、白川村で使うことができます。
利用者は専用の機械などからアプリにお金をチャージ。その際、1%が上乗せされます。支払いは店頭のQRコードを読み込むだけです。スタートして4年、店側にとっても導入コストがほぼかからないため、いまでは商店街のほとんどの店が導入しています。
喫茶店の経営者
「とにかく年配の方がずいぶんやっている。それはびっくり。得意げにスマホをかざして『さるぼぼ』で支払いされる。けっこう気分いいんでしょうね、自分たちの時代が来たみたいな」
お隣の飛騨市にある制服や作業着などを扱う衣料品店では。
衣料品店の社長
「取引先に作業服を納品するが、その支払いがさるぼぼコインでできる」
仕入れや企業間同士の送金も「さるぼぼコイン」でできるため、地域の中でお金が循環する仕組みになっています。
また、今年に入って急増しているのが「さるぼぼコイン」で制服を購入する利用客です。去年の年末に国が行った子育て世帯への10万円の給付金。飛騨市はそのうちの5万円分に1.5割を上乗せし「さるぼぼコイン」で配ったのです。その狙いは何なのか。飛騨市の市長と普段から交流のある宮田教授が聞きました。
宮田裕章 慶応大医学部教授
「どういった理由でこれを推し出そうと思ったのですか」
飛騨市 都竹淳也市長
「ものすごくコストがかからない、しかもめちゃくちゃ早くできる。QRコードを配るだけですから。こういう経済対策のあり方を自治体は今まで持っていなかった。それを我々が手にした」
地域の特性に合わせたデジタル通貨。可能性は今後さらに広がりそうです。
(23日00:26)
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