「脱線ながら最悪回避の工夫が生きた」発生時の状況分析(2022年3月18日)

「脱線ながら最悪回避の工夫が生きた」発生時の状況分析(2022年3月18日)

「脱線ながら最悪回避の工夫が生きた」発生時の状況分析(2022年3月18日)

 新幹線が脱線した現場では、復旧に向けた作業が始まっています。

 18日は破損した橋脚の被害状況などを確認。

 ただ、JR東日本は仙台と福島の間は被害が大きいため、今月中の復旧は難しいとしています。

 斉藤国土交通大臣:「被害状況の把握を急ぎ、可能な限り早期に復旧の見込みについて公表するよう要請をしたところ」

 国の運輸安全委員会の事故調査では、新幹線が脱線したのは、走行中ではない可能性が指摘されました。

 運輸安全委員会・鉄道事故調査官:「列車より手前側で脱線痕を確認したところ、ほとんど脱線痕が確認されなかったので、停止してからか停止する直前に脱線したと思われる」

 脱線した時にすでに停止していたとすれば、一体なぜ・・・。

 新幹線に乗車していた男性は、当時の状況について。

 脱線した新幹線の乗客・菅野晃伸さん(37):「まず、緊急地震速報が流れる前に、1度停止した。停止した時に明かりが消えてその後、緊急地震速報が流れて車内が上下に揺れた。トランポリンに乗っているような衝撃。すごく車両が跳ねた時に脱線したんじゃないかなという感覚」

 「大きな揺れを感じる前に新幹線はすでに停車していた」と話します。

 幸いけが人が出ずに済んだ今回の脱線事故。

 実は、過去の地震を教訓にしてJR東日本では、地震の被害を最小限に抑える対策が取られています。

 新幹線の地震対策に詳しい鉄道ライターの土屋氏は。

 鉄道ライター・土屋武之氏:「脱線自体は大きな事故だが、ただそこで食い止めたところが大きい。最悪の事態を免れるために工夫したことが今回、生きた」

 JR東日本の対策の一つは「列車の緊急停止」。

 海底にある地震計などが揺れを検知した瞬間に、新幹線を緊急停止させるシステムです。

 JR東日本・市川東太郎副社長:「そこは機能を果たしていのではないかと考えている。ただ明確に言い切るには調査委員会の結論を待つ」

 2分間で大きな揺れが2回続いた今回の地震。

 1回目で緊急停止が働き、2回目で脱線したのでしょうか。

 さらに、JR東日本では2004年の新潟県中越地震での脱線事故を教訓に、被害を抑える対策も。

 新幹線のすべての車両で、車輪にL字型の金具を設置。車両が脱線しても転覆などを防ぐ仕掛けになっています。

 こうした対策が被害の軽減につながったのか今後、調査されます。
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