【新型コロナ】救急搬送減らず… 飲食店「気持ちが疲れた…」”まん延防止”効果は?

【新型コロナ】救急搬送減らず… 飲食店「気持ちが疲れた…」”まん延防止”効果は?

【新型コロナ】救急搬送減らず… 飲食店「気持ちが疲れた…」”まん延防止”効果は?

まん延防止等重点措置が延長され、飲食店は売り上げ減少が続き、苦しい状況になっています。一方、新型コロナウイルス患者を搬送する民間の救急車も搬送依頼が減らない状態が続いています。

都内でコロナ患者を病院に搬送する民間の救急車。要請をしたのは、30代の妊婦です。先月、幼稚園に通う長女から感染し、一時は40度の高熱や嘔吐(おうと)などの症状もあったといいます。

――つらかったですね

30代妊婦
「ですね。よくなったと思っているんですけど」

――ワクチンは?

30代妊婦
「打ってないです」

東京では8日、新たに8925人の感染を確認しました。

3日連続で1万人を下回るなど減少傾向が続いていますが、民間救急フィールの齊藤学代表は「(搬送者の)半分以上は高齢者の方だと思います。せきがひどくて肺炎のような症状が出ているとか、ひどい方であれば、酸素の投与が必要な方も中にはいらっしゃいます」と話しています。

また、8日午後、東京都医師会の猪口正孝副会長は会見で「入院というところで見ますと、75%が60代以上で占められます。ご高齢者がかかると入院するような、重症化すると、それを反映しています」と述べました。

医療提供体制がひっ迫していることなどから、東京や大阪など18都道府県で延長された「まん延防止等重点措置」。その影響を大きく受けるのは、人出が売り上げに直結する「飲食店」です。

HANEDA SKY BREWING・大屋幸子社長
「売り上げたいけど『来てください』とも言えないですし」

感染の再拡大と、お店の経営の間で悩んでいるといいます。

内閣府が8日に発表した、働く人に景気の実感を聞く2月の景気ウォッチャーでも、景気の現状を表す指数が0.2ポイント低下しました。要因は「まん延防止措置」の延長で、飲食店などの来客数や売り上げが減少したことです。

クラフトビールが人気の東京・大田区にある「HANEDA SKY BREWING」も、一時、戻りかけていた客足が離れていったといいます。

HANEDA SKY BREWING・大屋幸子社長
「ウチなんかの広さだと協力金だけではまかなえない部分もあったので、必死で開けていたというのが実情なんですけど、第6波になってくると気持ちが疲れちゃって、やっぱり知り合いの所も今月いっぱいでお店閉めたりするところもあるので」

政府は、景気の先行きについては「ワクチン接種の進展などで、感染状況の改善への期待がある一方、ウクライナ情勢による影響も懸念される」としています。

「まん延防止装置」の影響を受け続ける飲食店。

政府の分科会のメンバーで、「まん延防止措置」の延長に反対した政府分科会の大阪大学・大竹文雄特任教授は「第6波で感染の中心となっている場は飲食店ではない。保育所とか学校とか職場、あるいは高齢者施設がクラスターの中心。(飲食店では)感染が拡大しないのに協力金を支払うというのは、税金を正しく使っていることにならないだろうというふうに思います」と述べ、飲食店に対策を集中させても効果は少ないのではないかと指摘しました。

その上で、大竹特任教授は「重症化をどれだけ防ぐか、死者を防ぐか。重症化する本人に対策を集中すると、それが一番大事だろうと思います」と述べました。

「まん延防止措置」にとらわれず、重症化を防ぐためのピンポイントの対策が必要だと話しています。
(2022年3月8日放送『news every.』より)

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