「人道回廊に地雷が」赤十字が指摘 3回目「停戦交渉」も砲撃続く(2022年3月8日)

「人道回廊に地雷が」赤十字が指摘 3回目「停戦交渉」も砲撃続く(2022年3月8日)

「人道回廊に地雷が」赤十字が指摘 3回目「停戦交渉」も砲撃続く(2022年3月8日)

 ウクライナとロシアによる3回目の停戦交渉が行われました。ロシア側は、日本時間の8日午後4時から、民間人の退避ルート「人道回廊」を実施すると主張しています。

 4時間に及ぶ3回目の停戦協議を終えた、ロシア、ウクライナ。停戦について合意できたのは「今後も協議を続けていく」ということくらいです。

 ロシア代表団・メジンスキー大統領補佐官:「正直言って、協議への我々の期待は・・・現実のものにはなりませんでした」

 ウクライナ代表団大統領府・ポドリャク顧問:「戦争を止めることに関しては、話し合いの結果として残念ながらいい結果になっていませんが、勝利を皆が信じています」

 ただし、一般市民を避難させる退避ルート「人道回廊」の設置については進展があったといいます。

 ロシア側は、8日にも市民の避難を始められるとしています。

 そのロシア側が3回目の停戦協議前に設定していたのは、首都キエフなどの4つの都市で一時停戦し、市民の避難を認めるというものでした。

 しかし、そのルートはどれもロシアか、ロシアの同盟国ベラルーシに市民が向かうというものです。ロシア軍が迫ってくる方向に避難する、というのでしょうか。

 ウクライナ、ベレシュチュク副首相:「ロシア側が発表した“人道的行為”と主張する停戦による人道回廊は容認できない」

 3回目の停戦協議後、ロシア側はチェルニヒウも増やしましたが、結局はベラルーシに向かうというものでした。

 そんななか、人道回廊について驚きのニュースが飛び込んできました。

 ビジネスインサイダー(米メディア):「ウクライナ人の脱出用に提案された人道回廊に、地雷がばらまかれている」

 海外メディアによりますと、赤十字の局長がマリウポリの人道回廊に地雷が埋められていると語ったといいます。

 赤十字のスタッフが実際にルートを通ってみて分かったそうです。

 市民に逃げ場はないのでしょうか。

 ポーランドなど、西側の国に向かう避難民も砲撃などの危険にさらされています。また、国外に出られたとしても・・・。

 現在のポーランド・メディカの気温はマイナス1度です。雪も降ってきました。こうした状況のなか、小さな子どもも、寒さに耐えながら避難を行っています。

 ウクライナの避難民:「プーチン大統領は何をしようとしているのか分からない。酔っぱらっているか、頭がおかしくなったのか。以前は賢かったのに」

 ウクライナから国外に避難した人は6日時点で173万人以上。なかでも、隣国ポーランドへは半分以上の102万人に上ります。

 一方、国内に残った人は、砲撃などにおびえながらの生活です。

 7日、ウクライナ第2の都市ハリコフでは砲撃が続き、多くの市民が負傷しました。

 イリーナさん:「ガレージに隠れていたら砲弾が当たりました。頭を直撃しました」

 患者たちのなかには、家族を失った人も・・・。

 医師:「ここに来る患者たちは皆、 もちろん家族がいる所に戻ります。戻る家族のいない人はここに残ります。残念ながら」

 一方、ウクライナ側も南部各地で激しい抵抗をみせ、反撃しています。

 ウクライナ・ミコライウ州、キム知事:「ウクライナから、こんにちは。空港を取り戻しました!」

 ミコライウ州の知事は7日午後、SNSで街の近郊にある国際空港を奪還したと報告。また、ウクライナ海軍は南部の港湾都市オデッサで、ロシア艦船を撃退したとする動画を公開しました。

 ウクライナ軍:「当たった!当たった!ロシア軍艦帰れ!」

 ウクライナはオデッサを失うと、南の沿岸部のほとんどをロシア軍に制圧されることになり、海上物流への影響が出る可能性がありました。

 海外メディアが、ゼレンスキー大統領の国外逃亡、亡命政権の樹立までも報じるなか、ゼレンスキー大統領が新たな動画を公開しました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ここはキエフの事務所です。月曜日の夕方です。月曜日は週の始まりです。大変な一日と言います」

 ゼレンスキー大統領が語った決意、そして今、その身についてささやかれていることとは。

 CNNによりますと、欧米の当局者がゼレンスキー大統領が首都キエフを離れなければならなくなった場合、西側諸国がどのように支援するかについて検討しているといいます。

 ただし、ゼレンスキー大統領は新たな動画を公開、こう断言しました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ここはキエフの事務所です。月曜日の夕方です。私はキエフにいます。これからもいます。誰も怖くないです。勝つまでウクライナからずっと逃げません」

 また、ウクライナ国民もゼレンスキー大統領は国に残ると信じています。

 ウクライナの避難民:「ゼレンスキー(大統領)は逃げないでしょう。ゼレンスキー(大統領)が国を離れる時は、ウクライナ国民全員が国を離れる時です」

 CNNは、キエフが陥落してゼレンスキー大統領が脱出を望まなかったり、できなかったりした場合に備えて、ゼレンスキー政権のメンバー1人以上を外国に送り、そこで政府を樹立することも欧米は検討しているとも報じています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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