90歳と2歳「食」がつなぐ被災地の絆 被災者の心癒やす一杯のラーメン【スーパーJチャンネル】(2024年1月25日)
能登半島地震の避難所となっている体育館では、居酒屋がオープンするなど「食」を通じた地域の絆が生まれています。
■避難所の居酒屋に“笑い”戻る日常
お手製の看板に明かりがともりました。こちらの部屋に1人、また1人と吸い込まれていきます。ここは石川県七尾市にある田鶴浜体育館です。
店主
「元気にこれから頑張りましょう。乾杯!」
避難所の中に居酒屋「語ろう亭」が毎晩、1時間限定でオープンしています。たわいない話で日常を手繰り寄せます。
店主
「ちゃんとカニも入っています」
料理の準備も始まりました。ピーマンの肉詰め。納豆が入った油揚げのはさみ焼き。おいしそうな香りに誘われたのでしょうか。
■90歳と2歳「食」がつなぐ絆
小さな常連客もやってきました。
店主
「大好きな納豆だよ」
一段とにぎやかになります。
避難している人(90)
「年が違えど、こうして私を大事にして呼んでくれることは本当にうれしい」
「(Q.きょうは皆さんとどんな話をしていた?)まだ話し中で…」
語ろう亭の発案者は被災前、この体育館で練習をしていたプロバスケチームです。
語ろう亭を営業 金沢武士団(プロバスケ)店主 原島敬之さん
「皆さん優しいというか心温かい人がいて、せめてもの恩返し。皆、語り合っている。これがまさしく語ろう亭」
飲食代は来店客にお任せ。集まった金額は次の材料費に充てているといいます。
■被災地に温かいラーメンを
被災地は25日も最低気温マイナス2℃以下の厳しい寒さに見舞われています。そんななか、七尾市内にあるラーメン店は営業中とのぼりが出ています。駐車場はほぼ満車状態となっています。店内は客で大にぎわい。温かいラーメンに夢中です。
客
「地震が起きてから初めて」
「うまいっす!」
「温まる」
提供されているのは、たっぷり乗った野菜が自慢の「野菜らーめん」です。しかし、実はこの地域、一部で蛇口から水が出るものの検査が実施されていないため、飲料水としては使用できません。
スープの水をどのようにしてまかなっているのでしょうか。そこには店のオーナーの強い働き掛けで実現した驚きの打開策がありました。
■被災者の心癒やす1杯のラーメン
被災地、七尾市で20日から再開しているラーメン店。
客(小学4年生)
「久しぶりに8番らーめんを食べるのでうれしかった」
水道からの飲料水が使用できないこの地域で、どのようにして営業しているのでしょうか。北陸を中心に長野県など114店舗を展開している8番らーめん。
地震の影響で能登地方の店舗を中心に休業を余儀なくされています。七尾店が営業を再開できた秘密は…。このパックに入れられた水です。
8番らーめん七尾店 浮田和秀オーナー
「この水は本部から送ってもらっている。この水を鍋に朝、全部入れて沸かしてスープを作る」
約70キロ離れた川北町の自社工場から調理に使える水、約100リットルを毎朝運んで来ているといいます。
8番らーめん七尾店 浮田和秀オーナー
「色々な人の電話や出会った人に『まだ?』と声を掛けてもらい、早く店を再開したいと思って頑張ろうと。温かいラーメンを食べたいと思ってる人がいっぱいいたので、本部に言って援助してもらい、今の日まできた。きょうも常連さんから皆来て、こうして…。常連さんや色々な人の顔を見るとホッとします」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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