影響長引く?新幹線がストップ 専門家に聞く考えられる原因と再開のめどは?【スーパーJチャンネル】(2024年1月23日)

影響長引く?新幹線がストップ 専門家に聞く考えられる原因と再開のめどは?【スーパーJチャンネル】(2024年1月23日)

影響長引く?新幹線がストップ 専門家に聞く考えられる原因と再開のめどは?【スーパーJチャンネル】(2024年1月23日)

 新幹線の3つの路線の一部区間で運転見合わせが続く中、復旧作業中の男性作業員2人が感電し搬送されました。影響が長引きそうです。

 JR東日本によりますと、東北・上越・北陸新幹線が一部区間で運転を見合わせています。

 一体、何が起きているのでしょうか。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんに聞きます。

■感電は…「工具通して電気流れた可能性」

 まずは、作業員の感電についてです。復旧作業中だったということでしたが、何があったのでしょうか?

梅原さん:おそらくは切れた架線を張り直し、送電のテストなどでもう1度電気を通したのだと思います。その時、架線に電気が通っているか見えないし分からないので、指示がうまく伝わらず、作業員が架線を触ってしまった。あるいは、金属の工具などが架線に近付いたため、そこに電気が流れた可能性も考えられます。

架線には、2万5000ボルトという非常に高い電圧の電気が流れています。架線に直接触れなくても、近付きすぎると電気が流れる場合もあります。30センチほどの距離でも危険です。

通常は特別高圧の電気作業では、作業着のボタンやベルトに金属は使用しません。しかし、工具はどうしても金属になってしまいます。今回、工具を通して電気が流れた可能性も考えられます。

■新幹線ストップ…なにが起きた?

 新幹線は、車両上部のパンタグラフが架線にふれることで電気を受け取って走行しています。

 停止した新幹線を巡っては、大宮駅から直線距離で2.5キロほど東京側の位置で停止しています。

 パンタグラフが破損して破片が線路上に落ちていて、車両の窓も割れています。新幹線の後方では架線が垂れ下がっています。

 このよう状況から、何が起こったと考えられますか?

梅原さん:架線が切れていたのか、垂れ下がった状態だったのかは分かりませんが、普段とは違う状態の架線のなかに車両が進入していったのだと思います。

架線は垂れ下がっているので、パンタグラフに絡まってしまった。パンタグラフが架線から離れてくれればよかったのですが、パンタグラフは架線から離れないように押し上げているので、なかなか離れることはできません。そのため、架線とパンタグラフが絡まってしまった。また、架線を支える金具などにも衝突して壊してしまったのかなと。

おそらく運転士は車両を急停止させたと思います。しかし、この区間は時速120キロで走行しているため、目の前の異変に気付いてブレーキをかけたとしても、300~400メートルはどうしても走ってしまいますので、間に合わなかったのかなと。

■「相当な衝撃」窓は、なぜ割れた?

 赤いパンタグラフが、色々なものを巻き込んでしまったということでしょうか?

梅原さん:赤いところは、パンタグラフの傘のようになってて、架線に触れています。写真を見ますと半分は残っているのですが、残りの半分は飛んでしまったのかなと。何かの金具に当たった、架線に絡まって引っ掛かってしまったなどの理由が考えられます。

 車両の窓も割れていますが、なぜ割れたのでしょうか?

梅原さん:パンタグラフは、車両の屋根に付いています。屋根の上にある架線のボルトやナットなど壊していったので、おそらくそれらが車体に向けて降ってきて、窓ガラスが割れた可能性があります。新幹線の窓は3重になっています。それがすべて割れているので、相当な衝撃であったと考えられます。

■なぜ時間かかる…?復旧のめどは?

 JR東日本は、23日中の復旧は難しいと話していて、現在も一部区間で運休が続いています。なぜ、復旧にこれだけ時間がかかるのでしょうか?

梅原さん:まず、架線を張り替える作業に半日程度かかります。そして、トラブルが起きたら、まず乗客を避難させないといけません。復旧作業は、その後に取り掛かります。また、立ち往生している車両は、送電が再開された際に、自走できればいいのですが、パンタグラフが2つとも壊れているため、できません。そのため、救援用の車両などで引っ張ってもらう必要があり、時間がかかります。

そのような理由から、復旧のめどが立たなかったと考えられます。

それでも何とか23日中に復旧させようとしていたところ、かなりあわててしまったのかなと。そんななか、今回の事故が起きてしまったと思います。

 復旧のめどは、どれくらいなのでしょうか?

梅原さん:夜に作業時間がありますので、23日中の復旧はあきらめても、あす24日の朝一番の列車からは動かせると思います。ただ、一部で車両が足りなくなっていて、一部の列車が運休になる可能性もあります。

 大宮から先の区間で、折り返し運転を行うことは難しいのでしょうか?

梅原さん:JR東日本も検討はしています。できるとは思います。

今回、東京・上野-大宮の区間を通過する路線が運休しています。東北新幹線だけを大宮で折り返すことはおそらくできたと思います。ただ、北陸、上越新幹線もとなると難しかったのかなと。

東京―大宮間は上下線合わせて300本ぐらい、4分間隔で電車が動いていますので、大宮駅には線路が6本(上り3本、下り3本)ありますが、全部折り返させるのは難しかったかなと思います。

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年1月23日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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