「ペットがいるから避難所にいけない」焼け跡から遺体 納屋で避難生活の男性か【石川・能登半島地震】|TBS NEWS DIG
能登半島地震は発生から20日目を迎えます。石川県穴水町で、土砂崩れに巻き込まれて亡くなった一家10人の告別式がきょう午前、冷たい雨が降る中、営まれました。
霊柩車が葬儀会場をあとにします。
石川県金沢市に住む寺本直之さん(52)、能登半島地震で穴水町の妻の実家が土砂崩れに巻き込まれ、帰省していた妻と子供4人、それに義理の両親などあわせて10人を亡くしました。
家族10人を亡くす 寺本直之さん
「生と死の境界線って何なんですかね。それはこの地震が悪いんですかね。地震がみんなを奪ったんですかね」
金沢市内ではけさ、雨が降る中、告別式が営まれました。
寺本さんの二男・駿希さんの高校時代の教諭
「律儀な子で料理屋さんに就職したということで、お店なんかも出すようなことも言っていたので残念な思い」
一方、石川県内ではいまも1万6000人あまりが避難生活を続けています。
こうした中、「避難所に行かない選択」をする人もいます。珠洲市に住む舟場米子さん(67)。夫と2人暮らしで、地震で敷地内にある工場は全壊、いま住んでいる息子の家は倒壊を免れましたが、間近まで土砂が流れ込んでいました。
記者
「崖が崩れて、岩が住宅の敷地に落ちて来ています」
余震で土砂がさらに崩れるリスクがありますが、「避難所には行かない」と話します。
石川・珠洲市 舟場米子さん
「(Q.リスクは承知で住む?)今のところはね、生まれたうちやから。余震は続いて怖いけど、どっか行こうというのはない」
ただ、避難生活が続く中、痛ましい出来事も…
記者
「男性は住宅が倒壊したため、あちらの納屋で生活していたということです」
警察によりますとおととい夕方、石川県珠洲市で上野次郎さん(65)の自宅の納屋が全焼、焼け跡から上野さんとみられる遺体の一部が見つかりました。現場にはストーブがあり、近くの住人によりますと上野さんの自宅は地震で倒壊しましたが、「ペットがいるから避難所に行けない」と話していたということです。
近くに住む人
「2回くらいは言ったんですよ。『避難すれば』と言ったんだけど、(上野さんは)『大丈夫』みたいなことを言っていた」
現場では主人と会えない猫が焼け跡周辺を歩いていました。震災からまもなく3週間、被災地では不安な生活が続きます。
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