能登半島地震 ごみ集積場に列…思い出の品続々 ナマコ最盛期に被災…断水「致命的」【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月16日)

能登半島地震 ごみ集積場に列…思い出の品続々 ナマコ最盛期に被災…断水「致命的」【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月16日)

能登半島地震 ごみ集積場に列…思い出の品続々 ナマコ最盛期に被災…断水「致命的」【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月16日)

 各地で非常に厳しい寒さが続いているなか、能登半島地震の被災地では、1万8000人を超える人々が避難生活を送っているという状況です。こうした厳しい寒さのなか、ビニールハウスや車の中で過ごす被災者も多くいます。

■ビニールハウスでの生活・体調不良の声も

 今シーズン最強の寒気が流れ込んだ15日、被災地でも雪が強まりました。石川県穴水町では午前中は日の光が差していましたが、午後になると一変し、先が見通せないほどです。

 志賀町では、ビニールハウスに風と雪が吹き付けます。その中では、家に住めなくなった住民たちが身を寄せ合いながら、今も避難生活を送っています。

ビニールハウスに避難する人
「(Q.雨・雪がかなり降っているが、家の心配は?)ありますけど、しょうがないです。こればっかりは。土台が大体崩れかかっているので、本当、また来たら、土台崩れると思う」

 8日に取材した時にも、雪に見舞われていた住民たち。ストーブを持ち込み、地面の上にはゴザやシートなどを敷いて寒さをしのいでいましたが、今もビニールハウスでの生活を余儀なくされていました。

ビニールハウスに避難する人
「(Q.ビニールハウスでの生活は?)大変でございます。実際にこうしていると、ひどいもんですね」

 長引く避難生活。疲労で不調を訴える人もいました。

ビニールハウスに避難する人
「(Q.疲れたりは?)ちょっとあるね。皆さん疲れています。この2~3日、のどがいたくなって」

 輪島市の小学校の校庭には、十数台の車が止まっています。多くの人が車の中で夜を明かしていました。

車中泊する男性
「最初は市役所に避難していました。市役所が復旧活動の拠点になるということで、他の避難所に移動して下さいというタイミングで車中泊に来ました。どうやって暖を取るか、いつも考えている。きょうまで何とかしのいでいるけど、また寒さが厳しくなってくると、確かに厳しいです」

■続く避難所生活…懸念される災害関連死

 慣れない避難所生活で、体調を崩す人は後を絶ちません。

医療スタッフ
「1人はきょう、緊急搬送されちゃった」

 避難所を巡回して、体調不良の被災者を診察する医師たち。

医療スタッフ
「ここ、いつキズ付いた?怪我したのは?」

高齢男性
「1週間くらい経ちます」

医療スタッフ
「熱は出たりしてない?」

高齢男性
「ない」

医療スタッフ
「ないか」

 診察されていたのは、両足に痛みがあるという高齢男性です。治療が出来ず、別の病院で診察することになりました。

医療スタッフ
「恐らく、これはここでどうこう出来るものではないと思う。ここだと総合病院があるじゃないですか、そこで診てもらった方が良いね」

 防護服に身を包んだ医師が訪ねたのは、新型コロナウイルスに感染した高齢男性です。

医療スタッフ
「ご飯食べれてますか?」

高齢男性
「食欲はありますね」

医療スタッフ
「酸素の取り込みは、全然問題ないようです」

高齢男性
「はい」

医療スタッフ
「(酸素飽和度)98%なので、大丈夫そうです」
「あす以降も誰か来るかもしれません、その時また」

高齢男性
「診てくれるだけで助かります。どうしようかなと思っていたんで」

 なかには、心臓や肺に病気を抱え、酸素吸引をする女性も避難所で診察を受けています。

高齢女性
「親切にしてくれているので、何も不自由はないです。地震があってここに来て。人が大勢集まって。幸せやと思いますよ」

 地震発生から2週間が経ち、1万8000人を超える被災者が避難所で生活していて、災害関連死の増加が懸念されています。

■子どもたちの笑顔が戻る保育園

 学校生活を取り戻そうとしているのは、志賀町の高来小学校です、

児童
「ヤッホー」

先生
「ヤッホー!元気か?良かった、良かった。元気で」

 再開はまだ出来ないものの、オンラインで児童たちの様子を確認しています。

児童
「宿題、意味分からん」

宮本隆朗先生
「なにが」

児童
「算数」

宮本先生
「写真送って、写真。教えてあげるよ」

 直接、会いに来た児童もいます。

宮本先生
「宿題、津波に流された?」

児童
「流された」

宮本先生
「新しいのあげようか」

児童
「いらん。大丈夫」

宮本先生
「(児童たちが)一生懸命、今を頑張ってくれているので安心しました。卒業式は、この6年生は普段の学校生活からも一生懸命頑張ってくれたので、最後は堂々と行進して、卒業証書がもらえるような環境を整えてあげることが僕の今の目標です」

 神杉保育園に、子どもたちのはじける笑顔が戻ってきました。

 子ども3人を預けた山下将士さん一家。去年8月に建てたばかりの新居は電気も水も復旧せず、感染症のリスクも考えての車中泊が続いています。

山下さん
「限界だなと思っているなかで、保育園が再開してくれて。子どもたちのストレス発散になると思う。このタイミングでの再開してくれたのは、とてもうれしい」

■ごみ収集再開…地震で失われた思い出の品

 地震から2週間が経過し、輪島市で再開されたのは「一般ごみの収集」です。朝から収集車が市内を回り、地震が起きて以来、初めてのごみ収集が行われました。

 一方、珠洲市にある避難所のごみ置き場には、ペットボトルや空き缶など、山積みになったごみがあります。

 避難所などで出る燃えるごみを週2回収集しているものの、処理場が被災した影響で、燃えるごみ以外は再開のめどが立っていないといいます。

 七尾市では12日から、地震によって発生した災害廃棄物の一時的な集積場を開設しました。ごみを持ち込む車で、長蛇の列ができていました。

 次から次へと運び込まれる、壊れて使えなくなった家具や家電。大切にしていたものを泣く泣く廃棄しに来た人もいます。

男性
「茶わんに関してはね、大事にとっておいた物が割れて」

黙々とミシンを運んでいた女性
「(Q.ミシンを使った仕事をしていた?)趣味でやってたんですけど、雨も全部入ってきちゃうので、水と倒れた衝撃とで…」

■津波の爪痕「かなりの長期戦」地震から2週間

 日常生活の中で傍らにあったものが、地震によって一変。復興を見据え、職場で出た廃棄物を捨てに来た人もいます。

能登珍味なまこや専務取締役 園山芳生さん
「きょうは会社の廃棄物、商品入れてたガラスの瓶が割れたりして。二次災害、三次災害防ぐ意味でも、清潔にしておかなきゃいけない」

 園山さんの会社は、現在最盛期を迎えているという能登名物のナマコを加工し販売していますが、地震によって大きな問題が発生しています。

園山さん
「出ないでしょ、普通この状態で出るんですが、全く出ない状態です」

 地震から2週間が経過し、現在も続いている断水によって、ナマコの加工ができない状態です。

園山さん
「洗ったりしなきゃいけないので。ボイルしたりするので、さすがに井戸水ではできないのでね。今、断水してるじゃないですか。もうそれが致命的で」

 さらに、ナマコのいけすが津波で流されるなど、港が被災した影響も大きいといいます。

園山さん
「ここもう、ほらフラットな状態だったんですけど、津波で」

 地面がひび割れ、崩れた港には津波によって船が乗り上げるなど、2週間経った今も大きな爪痕が残っています。

園山さん
「(Q.立て直していくのは、大変ですね?)そうですね。かなりの長期戦でしょうね。これだけ損害があって、徐々に力を合わせてやっていくしかないなと」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年1月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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