「どうか能登を忘れないで」“基幹病院”懸命の治療…断水で透析患者“命の瀬戸際”【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月12日)

「どうか能登を忘れないで」“基幹病院”懸命の治療…断水で透析患者“命の瀬戸際”【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月12日)

「どうか能登を忘れないで」“基幹病院”懸命の治療…断水で透析患者“命の瀬戸際”【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月12日)

 避難所に大幅に賞味期限が過ぎた食材が大量に送られるなど、“善意の扱い”に被災地は苦悩しています。

■“津波”撮影者「本当に自分の目の前で」

 能登半島の先端にある珠洲市三崎町で撮影された津波の映像です。近くの高台にある神社に初詣(もうで)に訪れていた男性が撮影しました。

 じわりじわりと押し寄せる津波に車が流された次の瞬間、けたたましい音を立てて住宅が真っ二つに割れ、崩れていきます。

撮影者
「本当に自分の目の前で、こんなことが起きているのか信じられない感じです」

 珠洲市内では11日、土砂災害現場では懸命な捜索活動が続けられていました。

 地震直後に発生したとみられる土砂崩れ。夫婦2人が暮らしていた家で、夫が生き埋めになった現場では、妻がひとり捜索を見守っていました。


「(Q.どんな旦那さん?)優しい。何とか見つかってくれればいいなと」

■政府が能登半島地震を「激甚災害」に指定

 また、安否不明者が33人に上る輪島市。大規模な火災が発生した朝市では、警察などによる大捜索が3日目を迎えました。12日も、捜索を行います。

 政府が能登半島地震を「激甚災害」に指定したことで、道路や農地などの復旧にかかる事業への国の補助金が上積みされます。

■避難所に“賞味期限切れ食材”送付…4年過ぎたジュースも

 2000人以上が避難生活をおくる七尾市の小学校では、本棚を仕切りにして高齢者が身を寄せ合っていました。

 ホールには、山積みになった段ボール箱があります。

地元のボランティア レストラン経営者 平田明珠さん
「個人からのもありますし、七尾市で集めている物資を市の指定の避難所に配布しているものもあるので色々ですね」

 段ボール箱の中身は、全国から送られてきた物資。水やインスタント食品など、被災地で手に入りづらいものばかりです。

平田さん
「調味料は使いやすいですね」

 ほとんどが、避難してきた人たちの命をつなぐ食料品ですが…。

平田さん
「段ボールを開いてみると、賞味期限が切れているものだったり。2022年だったりとか」

 だしパックの賞味期限は2022年7月。おととしで切れてしまっていました。

 賞味期限が4年以上過ぎたジュースが届いたこともあるそうです。

 個人から送られてきた段ボール箱の中には何の情報もなく、スーパーの袋にそのまま入った大量の米もありました。

平田さん
「(Q.その場で突き返すのも難しい)そうだと思いますね。そこは、すごく難しくて。善意で送ってくださっているとは思うんですけど、送る前に最低限、賞味期限がいつまでのものなのか、(確認を)やってもらえると、こっちのリスクが減るので助かります」

■基幹病院の院長「どうか能登を忘れないで」

 能登半島の基幹病院で426の病床がある恵寿総合病院も、大きな被害を受けていました。

医師
「ひどいことになったな…」

 地震発生直後、院内で撮影された映像です。非常ベルが鳴り響き、床には資料やファイルが散乱。掲示板は傾き、棚が倒れています。

 リハビリテーション病棟では水漏れが発生。床一面が水浸しとなり、スタッフがタオルやちりとりを使い水を取り除く作業に追われました。

 病院の中を案内してもらいました。

恵寿総合病院 神野正博理事長
「ここも(建物の)つなぎ目が、大きく壊れているんですよね。外のレンガも見えますよね」

 粘着テープで補強された天井や階段に入ったひび。地震による爪痕が残されていました。

 医療現場にも欠かせないのが“水”です。病院には井戸水をくみ、ろ過する装置があったため、医療機能を維持することができたと言います。

神野理事長
「ここ(臨床検査室)も大量の水を使います。血液検査した後に、前の方の血液を洗って、新しい次の方の血液を入れて検査するから。ここも水が命」

 とくに多くの水を必要とするのが透析治療。一日に70人の透析を行うこの病院では、毎日15トンもの水が必要です。

 断水の影響で、一時治療できない状態に追い込まれました。

 6日からは自衛隊による給水が始まり、透析治療を再開。現在は、この水を頼りに治療を進めています。

 慢性腎不全を患い、病院で透析を受けていた女性。一時、往復3時間かけ別の病院に通っていましたが…。

患者(50代)
「もう本当に、ほっとしています。ありがたいです」

 新しい命も次々に生まれています。

 地震発生から10時間後にも、元気な女の子が産声をあげました。母子ともに健康だということです。

神野理事長
「どうか能登を皆さん忘れないでください。まだみんな頑張っているしということかなと思います」

(「グッド!モーニング」2024年1月12日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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