松本人志さん文春に法的措置へ 「記事の真実性」裁判の争点に? 弁護士に聞く【スーパーJチャンネル】(2024年1月10日)
週刊文春に対して法的措置を言及している松本人志さんですが、今後どうなっていくのでしょうか。週刊誌を相手取った民事裁判を担当したこともある「加藤・浅川法律事務所」代表の加藤博太郎弁護士に、裁判の行方について詳しく聞いていきます。
■裁判のポイント「記事が事実かどうか?」
まず、現状を整理します。週刊文春は「2015年に飲み会の席で松本さんとの性的な行為に誘導された」とする女性の証言を掲載しました(2023年12月27日発売)。
それに対して、吉本興業は「当該事実は一切ない」「名誉を毀損するもの」とコメントしました。8日、松本人志さんも「事実無根なので闘いまーす。」とX(旧ツイッター)に投稿し、裁判に注力するために芸能活動を休止すると発表しました。
Q.これから法廷で争うことになる見込みですが、裁判ではどういったことがポイントになるのでしょうか。
加藤弁護士:まず、松本さんが名誉を毀損されたとして、文春側に対して損害賠償請求やあるいは訂正広告を求める裁判を起こすのではないかと思います。そして、裁判の争点はまさに記事の内容が事実(真実)かどうかが、ポイントになると思います。
Q.松本さん側としては「記事が事実かどうか(=事実でない)」を争うということですが、具体的に法廷でどのような主張を繰り広げることになるのでしょうか?
加藤弁護士:まず、記事内容のどこが違うのかということを具体的に主張していくと思います。例えば、「女性と会ったこともないのか」「ホテルには行ったけれども、そういった関係を持っていないのか」など、どこが違うのかというところをしっかり争っていくんじゃないかと思います。
■証言とLINEのやり取り…状況証拠となる?
Q. 続いて、週刊文春側です。これまでの記事のなかでは、複数の女性の証言と一部のLINEのやりとりが出てきています。これらは、記事が事実だという証拠になり得るのでしょうか?
加藤弁護士:証言だけというのはやはり弱いと思います。その女性の証言の裏付けとなるような客観的証拠あるいは状況証拠を出せるのか、というところがポイントになると思います。
Q.LINEのやり取りの一部は、いかがでしょう?
加藤弁護士:例えば、LINEのやり取りも、ホテルに行った直後のLINEのやり取りだとすると、まさに嫌がっていたことなどが分かるかと思います。LINEのやりとりというのは、状況証拠としては時期にもよりますけれども、強いんじゃないかと思います。
Q.他に、どういったものが状況証拠になり得るのでしょうか?
加藤弁護士:例えば、直後にLINEのやり取りだけではなくて、被害を申告したか、今回の記事によれば「ボタンが破けた」ということですがそういった服があるか、また、無理やり行為が行われたことを示すような証拠があるか、というのがポイントだと思います。
■裁判「一年以上の長期化は免れない」弁護士が指摘
Q.もし、証拠が出てこなくて両者の主張が食い違ったとしたら、裁判官はどう事実を判断していくのでしょうか?
加藤弁護士:例えば、記事の内容の真実性が証明できないとなれば、十分な取材をしたかどうかというところもポイントだと思います。ただ、それが示せないということになると、松本さん側に有利に働くんじゃないかなと思います。あくまで記事内容の真実性の担保というものは、文春側に立証責任があるということになります。
Q.裁判の決着は、いつごろになるのでしょうか。
加藤弁護士:今回、様々な証言、記事化にあたっての取材というものをしっかり吟味していくと、やはり1年以上の長期化は免れないと思います。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年1月10日放送)
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