元航空管制官「新たなリスクを生んだ」羽田事故受け緊急対策“ナンバー1”使わず【報道ステーション】(2024年1月9日)

元航空管制官「新たなリスクを生んだ」羽田事故受け緊急対策“ナンバー1”使わず【報道ステーション】(2024年1月9日)

元航空管制官「新たなリスクを生んだ」羽田事故受け緊急対策“ナンバー1”使わず【報道ステーション】(2024年1月9日)

羽田空港で航空機同士が衝突し、海保の隊員5人が亡くなった事故から1週間経った9日、国交省は緊急の安全対策を発表しました。

対策には、当面の間、管制で「ナンバー1」という言葉を使わないことなどが盛り込まれました。「ナンバー1」とは、何を指すのでしょうか。衝突2分前の海保の航空機とのやり取りを確認してみると…。

海保機(交信記録から(原文英語))
「JA722A。C誘導路上です」

管制(交信記録から(原文英語))
「“ナンバー1”C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」

海保機(交信記録から(原文英語))
「滑走路停止位置C5に向かいます。“ナンバー1”ありがとう」

管制が離陸の許可を出す際、出発する順番を示す「ナンバー1」。今回、誘導路での待機を指示する際、その言葉が使われていました。しかし、海上保安庁の関係者によると、管制の指示とは異なり、機体は滑走路に進入。国交省は、この交信を進入許可だと誤認した可能性があるとしています。

管制官を17年間務めた経験を持つ、田中秀和さんは「ナンバー1」自体は日常的によく使われる用語であると話します。

元航空管制官 田中秀和氏
「順番を繰り上げて出発させることを認知させ、また順番を繰り上げていることを他の航空機にも知らせるため。同じ周波数を聞いているパイロットたちは、別の飛行機が一番目で指定されたというのが認知できます」

一方で、当面使わないことにより、逆に混乱を招く可能性もあるのではと指摘します。

元航空管制官 田中秀和氏
「本来、滑走路の離陸地点に最も近くて、自分が一番に違いないと思っていたパイロットに対しても『あなたじゃないんだよ。こちらだよ』と情報共有していたことをしなくなるので、滑走路内待機や離陸許可を、自分のものだと聞き間違えて、滑走路に入ってしまう新たなリスクを生んだとも感じています。今回、航空業界の誰しもが『なぜ起きてしまったのか分からない』と。なぜ起きたのかが徹底的に調査されて、業界全体で真摯に受け止めて、再発防止に臨むのが必要」

国交省は今後、有識者会議を立ち上げ、交信の見直しなどについて検討する考えです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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