「避難所は狭い」ビニールハウス…約10人が身寄せ合う 96歳「この年でこんなこと」【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月9日)
今も救出活動が続く、能登半島地震の被災地を大雪が襲いました。家族と親族10人が土砂崩れで生き埋めになった穴水町の現場からは、残る2人も見つかりました。
■被災者「雪で家がつぶれる」
被災地で、7日から断続的に降り続く雪。
雪の重みによる、さらなる家屋の倒壊に住人は不安を募らせていました。
住人
「家はかろうじてあるが、(雪が)重くて潰れるかもしれない」
木造のガレージは車を押し潰すように倒壊。家自体も少し傾いてしまっているといいます。
住人
「隙間がいっぱいあいているから、中が寒い。電気はきてエアコンをつけているが、寒いから困っている」
多くの家が倒れ、静まりかえった商店街では、雪かきの音だけが響いていました。
雪かきをしていた女性
「ここの下に湧き水が出て凍らないようになっているが、断水していて出てこないので、ここが溶けない」
倒壊をまぬがれた家も、屋根瓦が崩れ室内に影響が出ていました。
住人
「天井から、あっちもこっちも」
「(Q.このシミも雨漏りで?)そうです」
「(Q.上の電気は使える?)電気は使えるが、蛍光灯がつかない」
避難所には行かず、しばらく様子を見るという男性。
住人
「(Q.ますます雪が激しくなったら大変ですね)これはもうしょうがない。どうしようもない」
雪で、道路状況も悪化していました。
雪が降り、亀裂や陥没が確認しづらくなった道路は、徐行でやっと走れるほどの危険な状態に…。
石川県内のおよそ6万軒で断水が続いています。
水をくみに来た人
「生活用です。雑用は確保できるんだけど、生活のほうが」
雪が降る前までは車で給水に来ていましたが、この日は一輪車で自宅まで運ぶといいます。
水をくみに来た人
「大変です。それでも、どうにかこうにか生活しています。お年寄りは困りますよね」
最大震度7を観測した「能登半島地震」の発生から1週間たった8日。
8日午後2時時点で、石川県内の死者は168人。連絡がとれていない安否不明者は323人となっています。
■土砂崩れ…10名見つかり捜索終了
雪が降り続く中、穴水町で起きた土砂崩れの現場では、懸命な捜索活動が行われました。
寺本直之さん(52)
「あと、うちの妻と長男だけが出てきていないので捜索をしてもらっています」
寺本さんの妻と子ども4人、親戚ら合わせて10人が過ごしていた住宅を襲った土砂崩れ。次男、三男、長女は7日までに発見され、死亡が確認されていました。
お正月に親族で集まっていたという住宅では、8日までに土砂の中から10名が見つかり、捜索を終えたということです。
■輪島市のビジネスホテル「やるせない」
火災で、ほぼ全域が焼失した「輪島朝市」でも、安否不明者の捜索が続けられました。
ホテルメルカート輪島 谷口浩之常務
「ここも正面玄関なんですけど、こんな斜めのつくりではなくて…」
地震で大きな被害を受けた輪島市のビジネスホテル。入り口を入ると…。
谷口常務
「ここがこんなつくりではなく、フラットな床だった。1メートルぐらい隆起して。全体的にロビーはうねりになっている」
ロビーの床は波打ち、窓ガラスは割れ、壁にも無数の亀裂が走っていました。
コロナ禍で減った客足がようやく回復してきた矢先に、休業を余儀なくされたホテル。
谷口常務
「朝市も大火事になって、全く…お店も…ない街並みになって。小さいころから遊んでいたところが、なくなっちゃったので、本当に悲しいなというのと、やるせないなというのが、誰のせいでもないし、しょうがないよって思う」
今は、以前宿泊した客などから寄せられる激励の言葉だけが力になっているといいます。
谷口常務
「こんな状況なので、どこまで頑張れるかが、長い闘いになるなと思うけど、僕だけじゃないので。輪島の地元の人たちが明るく笑顔で生活できるまで頑張らないと。皆さんに笑顔で『来てください』と言えないので。それまで長い支援お願いします」
■衛生環境悪化による…感染症拡大も懸念
より厳しい状況に追い込まれているのが、避難所生活を送る人たちです。
雪の積もった車で、避難所へ物資を届ける七尾市の職員。
物資を運ぶ人
「(Q.雪の影響は?)今のところは、そんなに大きくないが、これ以上降ると心配ですね」
物資の中には、少しでも寒さをしのぐため、使い捨てカイロがありました。
避難した人
「寒いね。やっぱり雪降ったら違うね。カイロ貼って寝てるんですけど。きょうは、すごく寒く感じます」
避難生活が長期化することで懸念されているのが、衛生環境の悪化による感染症の拡大です。
志賀町にある避難所では、ボランティアの看護師が感染症対策や健康管理を行っていますが、それでも大きな課題があるといいます。
看護師 川村悠子さん
「なにぶん高齢者が多いこの地域、自分の普通の生活もままならない人が多い。加えて認知症を抱えている人がとても多いので、言っても理解はできても覚えていられない、理解そのものが難しいというところで、(感染症対策の)徹底というところが行き届かない状況で悩んでいる」
志賀町にある別の避難所では…。
コップや食器類が割れてしまっています。体育館では天井が落ち、大きな板がいくつも床に散らばっています。
避難所(熊野交流センター) 山古正美さん
「(Q.今どれぐらいの人が避難している?)10人~15人ですね」
「(Q.それぐらいの人数を想定して開設?)(本来は)30~40人程度だと思うが、体育館は、もう避難所として使えない」
避難所の体育館は崩落する危険性があるため、スペースが十分に使えない状況に…。住民は正面玄関フロアに避難しています。
避難した人
「(Q.お体はきつくないですか?)薬は飲んでいる。お薬も3日ほどしかないし、困ったなと思っている」
■ビニールハウス…約10人が身寄せ合う
雪が舞う中、家を出て自主的に避難生活を送る人たちもいました。
ビニールハウスの中では、10人ほどが身を寄せ合って生活していました。
ビニールハウスに避難する人
「(Q.土の上に布団を敷いている?)シートを敷いて、ござ敷いて、何枚も敷いて、これ敷いて」
「(Q.体が痛いとか?)そんなこと言ってられません」
「寝られるだけでもう…」
ビニールハウスに避難する人
「(Q.なぜ、ビニールハウスで生活している?)危ないから。もしも、二次災害が起きれば。ここなら、落ちても大したけがをしない」
今も続く余震。住宅は倒壊の危険があるため、ビニールハウスで生活しているのです。
ビニールハウスに避難する人
「(Q.避難所に行かない理由は?)ここが良いからです」
「避難所は狭いし、年取った人もいる」
住民同士が支えあうビニールハウスでの避難生活。先行きが見通せない状況に、疲労の色も浮かび始めています。
女性(96)
「まだ、何が起きるか分からんし、この年になって、こんなことを味わって。何が起こるか分からんのが不安」
(「グッド!モーニング」2024年1月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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