被災地で深刻な水不足 関西でも大規模断水のリスク “未耐震”水道管の割合は2府4県で60~75%
能登半島地震から1週間が経過しました。被災地では大規模な断水が続いていますが、関西でも大きな地震により、同じように水が届かなくなるリスクが指摘されています。
厳しい冷え込みに襲われている被災地。2万8千人以上が避難所に逃げ、過酷な環境に置かれています。特に深刻なのが、“水”不足。飲む水もトイレなどに使う生活用水も足りていません。
水の重要性は誰もが認識するところ。ですが、今回の被災地でも、そして関西でも断水の対策は不十分なのです。
大阪市の住宅街で行われていたのは、水道管の入れ替え工事。地下2mから出てきたのは、なんと60年前の水道管です。
大阪市水道局 奥山 八起 担当係長「(水道管の入れ替えは)1日で10m~12mくらいしか進まない。同じ口径の管を新しく入れる工事です」
古い水道管は地震の揺れに非常に弱く、壊れて断水を招くリスクが大きい。こうした管が現在も多くの場所で使われ、耐震化できていない管の割合は、石川県では68.4%にものぼり、関西の自治体でも60~75%を占めています。
今後40年以内の発生が90%程度と想定される「南海トラフ巨大地震」。大阪では被災直後、全人口の90%以上の830万人が断水の被害にあい、被災1か月後でも100万人以上に水が届かないと想定されています。
新しい管に交換しようにも大阪府内の水道管は全体で約2800キロ。工事自体の難しさや、周辺への交通の影響もありますが、これほどの長さを入れ替えるには、人手や予算が足りておらず、耐震化は1年にわずか1%程度しか進んでいません。
耐震化の予算を捻出しようとある決断をした自治体があります。大阪府北部にある豊能町。高齢化などで人口が減少し、水の使用量が激減。水道料金による収入が落ち込み、 町の水道事業は赤字が続いています。
その反面、山あいにあることで、水を送るために多くの施設が必要となり、町の規模の割に耐震化の費用がかさんでいます。そこで豊能町では昨年、水道料金を15%程度値上げしました。住民の反発が大きい値上げですが、専門家は「避けて通れない」と指摘します。
神戸大学大学院 鍬田 泰子 准教授「水道の料金を全国的に上げてきていない。水道事業のそのものの経営努力をしてきたのが現状。だが、ある意味で限界にきている」
大阪市も年間200億円を水道管の耐震化に投じていますが、物価の上昇などもあり、現在の水道料金の水準では耐震化の費用を十分に捻出するのが難しくなるといいます。
命をつなぐのに欠かせない水をどう確保するのか。大きな課題が改めて突き付けられています。
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