「日本のバナナの価格はフェアじゃない」駐日フィリピン大使が“異例”の訴え｜TBS NEWS DIG
物価の優等生ともされる「バナナ」をめぐり、駐日フィリピン大使が「値上げしてほしいと」異例の訴えです。食品の値上げが相次ぐ中、「バナナ」を値上げできない事情とは…
記者
「フィリピン大使館がバナナについて異例の訴えを行うということで多くの報道陣が集まっています」
きょう、フィリピン大使館は全国のスーパーの業界団体にバナナの値上げ受け入れを申し入れました。
ラウレル駐日フィリピン大使
「現状のまま継続するのは、フィリピンのバナナ生産者にとって、現実的ではなくフェアでもない」
「日本のバナナの価格はフェアじゃない」。大使が訴えたのは、農家の窮状です。
肥料価格の上昇に加えて冷蔵保管の費用なども高騰。また、日本の市場は色や形など求める品質が高く、特にコストがかかるといいます。にも関わらず、日本での小売り価格は7年間ほぼ横ばい。生産者は利益が出なくなっていて、適正な価格で売ってほしいと訴えたのです。
フィリピン政府担当者
「このままでは、小さな生産者がいなくなってしまう」
安いのが当たり前というイメージのバナナ。消費者は、価格に厳しい目を向けます。
客
「値上げされたら本当に困る」
「値段によっては、（買う）頻度は減ると思う」
販売する店側も…
アキダイ 秋葉弘道社長
「バナナはお店側からするとサービス品。赤字だけれどもたくさんのお客様に来ていただけるように必要不可欠だなと思っている」
こちらの店では集客効果を狙い、採算は度外視。1店舗あたり年間300万円ほどの赤字を出しながらバナナを販売しています。
アキダイ 秋葉弘道社長
「（フィリピン政府に）言われたとおり素直にやっていたら、そのお店にはお客さんいなくなって、言うこと聞かないでバナナを安売りしているお店にお客さんが集中して、経営困難になるっていう状況になる」
難しい農産物の値上げ。専門家は…
農政ジャーナリスト 村田泰夫さん
「安ければ安い方がいいという単純なことではない。コスト割れの状態は持続可能ではなくなって、その点は消費者も理解して、農産物・食料品の価格と向き合う必要がある」
生産者を代表した異例の訴え。小売店や消費者にその声は届くでしょうか？
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