今また増え続ける壁と国連の意義とは?【サンデーモーニング新春スペシャル】|TBS NEWS DIG

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今また増え続ける壁と国連の意義とは?【サンデーモーニング新春スペシャル】|TBS NEWS DIG

世界を東西に大きく分断する象徴だったベルリンの壁崩壊から35年。世界には民主主義が広まり平和と安定が訪れるかに思われましたが、新たな壁がよみがえっています。

■ベルリンの壁崩壊から35年

1989年、東西ベルリンを分断する壁が壊されます。

自由の喜びを知った東側の人々の間に民主化への機運が高まり、翌年、東西ドイツが統一。東欧諸国でも、次々と社会主義政権が倒れ、自由と民主主義に向かう動きは加速します。

そして1991年、その波は大国・ソビエト連邦をも崩壊させたのです。

東西冷戦時代、「鉄のカーテン」を挟んで、にらみ合いが続いた、西側のNATOと、ソ連を筆頭とする「ワルシャワ条約機構」。この軍事同盟もソ連崩壊によって消滅します。

■冷戦崩壊を嘆いた人物は今

こうした光景を驚きを持って受け止めた、一人のソ連工作員がいました。当時30代のプーチン氏。彼はソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的悲劇」と嘆いたのです。それから30年余り…

ロシアの大統領となったプーチン氏はウクライナに侵攻。

プーチン大統領
「紛争が激化し、犠牲者が増えているのはすべては西側の責任だ」

プーチン大統領が侵攻の大義の一つに掲げたのが、西側の軍事同盟であるNATOの拡大阻止。現在その加盟国は31カ国に達しています。

プーチン大統領
「(NATOの)軍事インフラにはその脅威に応じた対抗措置をとる」

まるで冷戦時代に逆戻りしたかのように、新たな「東西対立」の壁が築かれようとしているのです。

■「歴史の終わり」著者は今

冷戦終結当時、世界中でベストセラーとなった本があります。フランシス・フクヤマ著「歴史の終わり」。

この本の中で、冷戦終結で、民主主義だけが唯一のイデオロギーとなり、世界に平和と安定がもたらされるとしていたフクヤマ氏は、今…

フランシス・フクヤマ氏(米スタンフォード大学教授・国際政治学)
「(冷戦終結は)非常にうれしかった。共産主義国が、民主主義国に置き換わり、広がることは、世界の人々にとって非常にいい結果だと思いました。しかし、多くのことが起きて、民主主義の後退を招いたのです」

■冷戦後の歪みと矛盾とは?

冷戦後の世界は、平和が訪れるどころか、東西二つの大国によって保たれていたバランスが崩れ、その歪みや矛盾が各地で噴出します。

ブッシュ大統領(当時)
「世界が民主主義を求めている」

そしてアメリカによる民主主義を根付かせようという試みはうまくいきませんでした。また、中東諸国で広がった民主化運動「アラブの春」が波及したリビアやシリアなどでは、内戦によって多くの難民が生み出されています。

ヨーロッパでは流入する難民を阻止するためのフェンスが築かれ、人々の心に不寛容、排他主義という、新たな「壁」が生みだされます。

またアメリカでも…

トランプ大統領(当時)
「壁なしには国境の安全は得られない!」

当時のトランプ大統領が、メキシコとの国境に巨大な壁の建設を掲げます。

そしてウクライナ侵攻後には、ロシアと接するポーランドやフィンランドで国境沿いに長大なフェンスが築かれたのです。

分断の象徴だった「ベルリンの壁」崩壊から35年。世界には、新たな壁が次々と築かれています。

さらに今、「見えざる壁」が立ちはだかろうとしているのです。

F・フクヤマ氏(米スタンフォード大学教授・国際政治学)
「民主主義が人々を失望させて他のシステムがよく見え、期待するようになりました。特にアメリカの民主主義が機能していません。大衆に迎合した政治家の台頭が民主主義の基盤を脅かす一方で、ロシアや中国のような権威主義国家が強化されています」

■「見えざる壁」とは?

「民主主義」と「権威主義」の対立です。ウクライナに攻め込んだロシア。習近平主席による強力な独裁体制のもと覇権を強める中国。核・ミサイル開発を進める北朝鮮もロシアに接近する中、こうした国々と、西側諸国の対立は先鋭化しています。

その対立によって…

中満泉氏(国連事務次長・軍縮担当上級代表)
「冷戦末期以来、核兵器が使用されるリスクがこれほど高まった時期はありません」

国連安保理でこう訴えたのは、国連軍縮部門トップの中満泉さん。今回、番組の取材に応じました。

■国連軍縮部門トップ・中満泉さん

中満泉氏(国連事務次長・軍縮担当上級代表)
「(核兵器が)あたかも実際に戦場で使用可能な兵器であるという、非常に誤った言説が広まりつつあると。核戦争に繋がっていくようなそういったリスクが色々なところにある」

実際、ロシアはウクライナに対し「核の威嚇」を続け、また去年、イスラエルの閣僚はパレスチナに対して核兵器の使用に言及しています。

忍び寄る、核戦争の危機。それを防ぐべく、今回のウクライナやガザでの停戦を導く役割を期待されたのが、国連安保理でした。ところが…

ウクライナからロシアの即時撤退を求める決議案はロシアの拒否権行使で否決。

ガザでの戦闘停止を求める決議案も…

安保理議長
「決議案は否決されました」

アメリカの拒否権によって否決…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20240107-6131368)

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