【独自】 規制の欠陥を認めていた経産省「立件後に条文が曖昧だと批判されたら“勝てない”」 警視庁との会議内容入手 大川原化工機“冤罪”事件|TBS NEWS DIG
横浜市の機械メーカーの社長らが逮捕されたえん罪事件で、逮捕前の警視庁との会議で経産省側が「立件後に規制の条文が曖昧と批判されたら勝てない」と、規制の欠点を事実上、認めていたことがわかりました。
大川原化工機 大川原正明 社長
「逮捕されたときには、はっきり言ってびっくりしました」
横浜市にある「大川原化工機」の大川原正明社長(74)。生物化学兵器に転用可能な噴霧乾燥機を不正輸出したとして、当時の部下2人と2020年3月、警視庁公安部に逮捕されました。
ところが、裁判が目前に迫った2021年7月、東京地検が「軍事転用が可能だという点について疑義が生じた」として起訴を取り消したのです。
しかし、一緒に逮捕された部下の相嶋静夫さんは勾留中に見つかった胃がんが原因で既に亡くなっていました。
相嶋静夫さん
「早く元気になってみんなに会いたい…もういい」
相嶋さんの長男は…
相嶋静夫さんの長男
「逮捕されるべきでない人が逮捕されちゃったわけなんで、憤り以外のなにものでもない」
大川原社長らは国と都を相手取り、およそ5億7000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。すると、今年6月、事件を担当していた男性警部補が裁判で衝撃的な証言をしたのです。
男性警部補
「(事件は)まあ、捏造ですね」
経産省は噴霧乾燥機の規制要件について条文で「殺菌をすることができるもの」と定めていますが、原告側はその殺菌の方法が明記されていないためにえん罪に繋がったと批判。一方で、経産省の担当者は裁判で「経産省内でも確認したら、問題ないということだった」と証言しています。
しかし、別の捜査関係者への取材で、逮捕から2年前の2018年2月に行われた公安部と経済産業省の会議のやりとりが判明。経産省が条文の解釈をめぐり、会議で規制についての条文の欠点を事実上、認める発言をしていたことがわかりました。
経産省担当者
「立件後に大川原から『規制の条文が曖昧だ』と批判されたら勝てない」
しかし、最終的に経産省は家宅捜索にゴーサインを出します。理由について会議に参加していた警察官は法廷で、こう証言しました。
男性警部補
「公安部長が経産省に働きかけ、経産省の解釈が変わった」
一方、経産省は取材に対し、「見解が変化した事実はない」としています。
来週の判決を前に遺族は“真実”を求めています。
相嶋静夫さんの長男
「(裁判所が)事実に基づいて正しく判断してもらう。もうそれしか望むことはない」
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