現職の大臣には進退を問う声も…派閥強制捜査で二階派にも衝撃 “志帥会”とは【報道ステーション】(2023年12月19日)
自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、二階派の事務所にも東京地検特捜部が家宅捜索に入りました。
二階派の現職大臣には、進退を問う声も上がっています。
二階派に所属する自見万博担当大臣。19日の会見で、こう述べました。
自見はなこ万博担当大臣:「(Q.キックバックを受けているか)受けていない。私の所属する志帥会ではあるが、他の政治団体という別の人格を持っているので、現在、私からお答えする立場にはない。(Q.派閥を抜ける考えは)お答えすることはない」
同じく二階派の小泉法務大臣。
小泉龍司法務大臣:「志帥会のいま、状況を、私自身も見極めたいと。私自身と政策集団とのかかわりは、適時適切に判断していきたいと」
自民党の派閥『志帥会』、通称・二階派。結成は1999年、中曽根康弘氏や亀井静香氏のグループが合流し、大派閥となりました。2001年の小泉政権誕生以降は、“抵抗勢力”の代表格として、政権を批判したこともありました。その後、2009年に二階俊博氏が志帥会に合流。2012年に会長に就任しました。
志帥会・二階俊博会長(2012年):「派閥がどうだこうだと言う人もいますが、(自民党は)派閥のおかげで成り立っているわけですから、我々はそんなことにいちいち反論する必要もないが、『さすが政策集団だ』と言われる対応を内外に示していかなきゃいけない」
「来るもの拒まず」の姿勢で議員を受け入れてきた二階派。他党の議員でも、まず派閥に受け入れてから、のちに自民党へという道筋を作りました。その剛腕ぶりから、自民党に入るには、1階ではなく、“まず二階から”とも言われました。
安倍政権、そして、菅政権でも幹事長を務めた二階氏。歴代最長の任期を務め、政界のキングメーカーとして君臨しました。二階派は、現在、所属議員40人で、第5派閥。今回の強制捜査について、コメントを出しました。
志帥会・二階俊博会長:「当局からの要請には、事務局、会員ともに真摯に協力し、事案の解決に向けて努力して参ります」
安倍派の閣僚は、事実上の更迭とした岸田総理。二階派の自見、小泉両大臣の処遇については、続投させる意向を示しました。
岸田総理:「14日の人事については、どこの政策集団がどうかではなく、一人ひとりの事情や意向を勘案し、国民の疑念を受けないという点も踏まえながら、人事を行った。(二階派の)閣僚等については、引き続き、職責を果たしてもらいたい」
また、政治資金規正法については、改正を否定するものではないとの考えを示していますが、時期についてなど、具体的なものは何も見えてきていません。
■政治部・官邸キャップの千々岩森生記者の解説です。
Q.岸田総理は、二階派所属の閣僚2人を続投させる意向とみていいですか。
岸田総理は続投させる考えを示していますので、そういうことだと思います。理由として、二階派は、安倍派と違って、派閥と各議員のお金のやりとりは記載しているので、それをもって、問題なしと判断したようです。ただ、焦点は、検察を所管する法務大臣が、捜査される側の二階派に所属したままでいいのか、持つのかという問題で、辞任の声が高まる可能性は十分あります。そういう意味では、今後、総理大臣は当然ですが、閣僚も全員、就任する際には、派閥を離脱するという方向に行くのではないかとみています。
Q.政治資金規正法の改正ですが、本気度はどうでしょうか。
もはや、やらざるを得ない状況だと思います。政府・与党内からは2つほど案が聞こえてきます。1つは、政治資金の出し入れを、すべて見えるようにする。銀行口座でやりとりするとか、河野大臣は「デジタル化する」と言っていますが、つまり、“足跡”が残るようにするということです。もう1つは、政治資金パーティーの記載義務の金額を下げる。今は「20万円超」ですが、寄付と同じ「5万円に引き下げる」の案などが出ています。ただ、政治資金規正法の改正で済むのかという感もあります。
Q.自民党内では、成り行きをじっと見守っている空気感が見受けられますね。
振り返ると、自民党の危機のとき、直近だと、政権を失った麻生政権のころ、若手が血気盛んに執行部を突き上げるというシーンが見られました。対して、今の自民党は、どちらかというと「みんなで、一緒によくしていこう」という雰囲気が漂っています。昔に比べると、党の空気が変質していると見ています。言ってみれば、“昭和”と“令和”の違いにも通じるところがあると思います。ただ、今は“非常事態”ですので、「全然エネルギーがない」「活気がない」と見る向きも当然あると思います。
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