林外相とウクライナ大使 面会まで“空白の1か月”

林外相とウクライナ大使 面会まで“空白の1か月”

林外相とウクライナ大使 面会まで“空白の1か月”

ロシアによる侵攻が激しさを増す中、ウクライナの駐日大使がおととい、林外務大臣と面会しました。この面会に至るまでの“空白の1か月”をめぐり、騒動が起きています。

林外務大臣と笑顔で挨拶を交わしたのはウクライナのコルスンスキー駐日大使。

ウクライナ コルスンスキー駐日大使
「ウクライナが大きな災難にある中、日本の人道支援など様々な支援に感謝しています」

しかし、この直前、国会では・・・

国民民主党 川合孝典参院議員
「コルスンスキー大使は、林外務大臣に対して、ロシアからウクライナ侵攻の予兆ともいうべき状況がかなり早い時期から見られていたということで説明を希望して、既に1か月も前に面会を外務省に求めたが、いまだ林外務大臣と面会ができていない」

林芳正外相
「これは双方の都合のよい日時を調整して、本日の夕刻にお会いする運びとなったところでございます」

国民民主党 川合孝典参院議員
「1か月も放置してきたということ自体が、危機管理対応として極めて緩慢な動きなのではないのかと」

ウクライナ大使からの、1か月前からの面会希望を知らなかったという林大臣。

外務省の危機管理能力もやり玉にあがりましたが、きのう、その大使自身がツイッターで林大臣を擁護。

これが更に火を大きくしました。

コルスンスキー駐日大使(Twitterにて)
「いや、林大臣はすぐに対応してくれた。会おうとしなかったのは鈴木副大臣だ」

1か月もの間、面会に応じなかったのは、林大臣ではなく、鈴木貴子外務副大臣だったというのです。

鈴木副大臣の父は“親ロシア派”として名を馳せた鈴木宗男氏。何かの思惑があったのかとの憶測も流れましたが、鈴木副大臣は今日・・・

鈴木貴子外務副大臣
「判明していることは、少なくとも口頭での要請はあったものの、通常発出されている書面での要請が届いていなかった」

鈴木副大臣はウクライナ大使館から表敬の依頼があったのは林外務大臣で、初めて書面が届いたのは先月24日だったと明らかにしました。ただ、外務省は事務レベルでは事前に口頭での要請があったと認めました。

一方、大使は自らのツイートを削除し、昨夜、あらたなメッセージを発信しています。

コルスンスキー駐日大使(Twitterにて)
「結局のところ、私たちの大使館と外務省の間には技術レベルでの誤解がありました」

連絡上の誤解が原因だったと説明するこのツイート、日本との関係を考え「火消し」を図ったものと見られますが、「空白の1か月」の間にロシアによる侵攻は現実に。

新型コロナをめぐり、在日米軍との間でも出国前の検査の免除について通知の有無に食い違いを見せた外務省には、“有事”へのより確実な対応が求められます。
(04日17:07)

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