ウクライナ侵攻から1週間 住宅街も標的に…ロシア軍が首都キエフ包囲(2022年3月4日)

ウクライナ侵攻から1週間 住宅街も標的に…ロシア軍が首都キエフ包囲(2022年3月4日)

ウクライナ侵攻から1週間 住宅街も標的に…ロシア軍が首都キエフ包囲(2022年3月4日)

停戦交渉が難航するなか、ロシア軍の攻撃が各地で激しさを増しています。ウクライナ北部の街・チェルニヒウでは集合住宅が空爆されました。少なくとも33人が死亡しています。

■市民のすぐそばに…ミサイル次々

 大通りを走る1台の車。交差点を曲がった、次の瞬間でした。

 運転手:「畜生!これで、彼ら(ロシア軍)は『住宅地にミサイルを撃たない』と言うのか!」

 集合住宅が立ち並ぶ街の一角に打ち込まれた、ロシア軍のミサイル。次々と着弾し、爆音と衝撃で車が揺れます。

 真っ黒な煙が吹き上がるなか、そのすぐ近くで、走って逃げる人たちの姿もありました。

■住宅街への攻撃…マンション炎上

 辺り一面が黒煙に包まれるなか、はしご車で救出される住民。周辺にはがれきが散乱し、空爆の激しさを物語っています。

 ウクライナ非常事態省によると、キエフ北部の街・チェルニヒウでは、3日の空爆で、少なくとも33人が死亡したといいます。

 地元メディアによれば、この辺りに軍事施設はなく、周囲には、小学校や病院が立ち並んでいたといいます。

 首都キエフでも、住宅地への攻撃が行われていました。

 3日、ロシア軍の砲撃を受けたマンション。黒煙とともに、窓から激しく火が噴き出しています。

 住民の被害は分かっていませんが、辺りに火の粉が降り注ぎ、消防隊員が見上げる様子が映されていました。

 キエフ近郊では、ロシア軍の攻撃で破壊され、廃墟のようになってしまった街もあります。

 住民が撮影した映像では、一面がれきに覆われ、ほとんどの建物が原形をとどめていません。

 ロシア軍は、「攻撃対象は軍事施設のみ」と強調していましたが、住宅地への攻撃が激化していて、ウクライナ全土に広がっています。

 第2の都市ハリコフでは、州知事が砲撃の様子を撮影し、住宅地での深刻な被害を訴えました。

 ハリコフ州知事:「大量のがれきが散らばり、一帯が破壊されている。レスキュー隊が、がれきの下で、負傷者や死者を捜索しています。さらに、敵の砲弾は、住宅街のマンションに命中しました。いくつかのアパートは、完全に破壊されています。現在、消防士やレスキュー隊が、現地で活動中です。がれきの下にいる人たちを、捜しています」

■キエフ北部 石油貯蔵施設も砲撃

 キエフ郊外の村を空爆する瞬間を捉えた映像です。

 2機のジェット機が通過し、映像を撮影した住民が地下に避難しようとした直後、再び表に出ると、辺り一面がれきの山と化していました。

 被害に遭った住民:「突然やってきて、私たちの家をすべて破壊していった。これがロシアの言う平和だ」

 市民生活に直結するインフラ設備も、ロシア軍の標的になっています。

 CNN記者:「我々は、ロシアが民間人を攻撃しないと何度も聞きましたが、彼らは明確に市民のインフラを攻撃していて、ウクライナ人を殺害しています」

 さらに3日には、キエフ北部にある石油貯蔵施設も砲撃。ウクライナ非常事態省によると、この攻撃で5000立方メートルのディーゼル燃料が炎上したといいます。

■深刻な食料不足…配給に長蛇の列

 ロシアによる侵攻から1週間。ウクライナ第2の都市・ハリコフでは、市民が長い行列を作っていました。

 行列の先にあったのは、食料を配給するトラック。ウクライナでは、食料不足が深刻になっています。

 ハリコフ市民:「ここにいる誰もが怒っています。私たちの家は、爆撃されました。私たちと子どもたちは、パンも買えません」「私の妻は怖がって、地下壕(ごう)に避難しています。家には、食べるものがありません。物資も尽きています」

 国内に残った市民たちが、地下での生活を強いられているウクライナ。薄暗い地下壕で、ひっそりと肩を寄せ合い、避難生活をする人もいます。

 避難する住民:「私たちが望むのは平和です。生きて、子育てをしたいだけです。何のために、私たちを殺すのですか?」

 ウクライナ国内では、軍人だけでなく、市民の犠牲も増えています。

 住民:「何で、こんなことになったの」

 ウクライナから脱出しようと、駅には多くの人が詰め掛け、到着した列車に我先にと乗り込んでいきます。

 列車を待つ女性:「列車は様々な所に行きます。でも、私たちはまだ、どこの駅に行けるのか分かりません。あまりにたくさんの人々がいて、かなり混雑しているので、赤ん坊を連れていけません」

■脱出の列車大混雑…100万人が国外へ

 国境を越えて避難する人も、相次いでいます。

 ロシアの軍事侵攻後、ウクライナから隣国に逃れた人は、3日時点で100万人以上。事態が収束しなければ、今後数週間で400万人に増える可能性も出ています。

 イギリスのジョンソン首相が、訪問先のポーランドで開いた会見。ウクライナからポーランドに逃げてきたNGO団体の女性が質問に立ちました。

 女性は、NATO(北大西洋条約機構)がウクライナ上空に「飛行禁止空域」を設けるよう、涙ながらに訴えました。

 NGO団体職員ダリア・カレニクさん:「ウクライナの子どもたちが、攻撃を受けているのです。私の家族も、私の同僚も、皆泣いています。どこに逃げたらいいか分からないんです。これが今、起きていることなんです」

 ジョンソン首相は、ウクライナへの武器支援とロシアへの厳しい経済制裁は効果があると話し、理解を求めています。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年3月4日放送分より)

[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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