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「いまは生き残れる自信ない」マリウポリ脱出遂げた女性の記録“避難までの2週間”(2022年4月4日)
建物の9割以上が被害を受け、陥落の恐れが高まっているマリウポリ。番組が取材した命懸けでマリウポリから脱出した女性は「避難するまでの2週間」を手帳に刻んでいました。
マリウポリから避難・カテリーナさん(29):「今は生き残れる自信がない」
マリウポリから避難したカテリーナさんが読み上げたのは、彼女の手帳。そこには生々しい記録が・・・。
3月8日の記録:「ロシア側の軍隊がいる。抵抗しないで下さいと言われた」
街はすっかり、色を失っています。厳しい戦況が伝えられている南東部のマリウポリ。
フランス軍統合参謀本部は1日、ロシア軍がマリウポリ制圧に向けて前進していて、数日から数週間での陥落は避けられない見通しだとしています。
残された10万人をどう避難させるのか?
マリウポリから避難・カテリーナさん:「結局、チェコまで9日間かかりました」
2週間ほど前の先月20日、マリウポリから避難したカテリーナさん。
彼女が避難ルートに選んだのは、「ロシア側が設定した人道回廊」でした。
「強制移住させられる」など様々な懸念があるロシア側の人道回廊ですが・・・。
行先不明のバスに乗ったカテリーナさんは、国境にたどり着いた時“思わぬ行動”に出ました。
マリウポリから避難・カテリーナさん:「(国境にいた管理人に)バスを降りて、自分たちで移動していいか聞いてみました。そしたらその人が許してくれたので、タクシーでロストフ・ナ・ドヌーまで行くことができたのです」
その後は、ベラルーシにいる親戚の助けも借りて、バス・車・電車などを乗り継ぎ、陸路で両親の住むチェコに避難。実に9日間を要する長い道のりでした。
避難前の生活は、さらに過酷なものでした。
死をも覚悟した彼女は、避難までの2週間を手帳に刻んでいました。
3月7日の記録:「避難所で寝る場所についてけんかが始まった。マンションに戻ることにした」
環境が悪化する避難所を離れ、マンションの廊下で寝泊まりをするなか、不安を押し込むように現場の状況を詳細に記録するようになりました。
3月7日の記録:「一日中攻撃が続いているけど、割と安全。もう街はロシア人に奪われたかな」
そんな記録とともにつづられる彼女の心境に変化が生じたのは、避難6日前のこと。
マリウポリから避難・カテリーナさん:「そこで遺体を見つけたんです」
「戦火の記録」に刻まれる、彼女を襲った悲劇とは・・・。
ロシア軍によってマリウポリが包囲されるなか、避難までの2週間を手帳に記録していたカテリーナさん。
彼女の心境に変化が生じたのは、3月14日。脱出6日前のことです。
マリウポリから避難・カテリーナさん:「きょうまでは外に出なければ無事に終わるかなと思ったけど、今は生き残れる自信がない」
実はこの日、彼女の元に訃報が届きました。
マリウポリから避難・カテリーナさん:「祖母となかなか連絡が取れなかったから、3月14日に夫が会いに行きました。そこで遺体を見つけたんです」
80歳の祖母が住むマンションにロシア軍のミサイルが直撃。
マリウポリから避難・カテリーナさん:「がれきの中から祖母を助けられなくて、葬ることもできなかった」
彼女は、マリウポリから離れる覚悟を固めました。
マリウポリから避難・カテリーナさん:「どうすれば赤ちゃんと安全に避難できるのか、それだけを考えていました」
しかし、「ウクライナ側の人道回廊」を使うには“ある問題”が・・・。
マリウポリから避難・カテリーナさん:「一番近いウクライナ側の人道回廊に行くには、100キロ以上歩かないといけませんでした」
苦渋の決断でロシア側の人道回廊を選んだ彼女を待っていたのは、こんな心無い言葉でした。
マリウポリから避難・カテリーナさん:「『敵地から避難するくらいなら死ぬべきだった』そう知人に言われました」
ただ、祖母を失ったカテリーナさんはこう話します。
マリウポリから避難・カテリーナさん:「どこに行くべきかは重要ではありません。死んだ人にとっては関係ない。命を救うチャンスがあれば、それを使うべきです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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