「最大の岐路」パー券“新たな手口”…岸田総理“派閥離脱”表明(2023年12月7日)

「最大の岐路」パー券“新たな手口”…岸田総理“派閥離脱”表明(2023年12月7日)

「最大の岐路」パー券“新たな手口”…岸田総理“派閥離脱”表明(2023年12月7日)

6日は「パーティーを自粛する」とした岸田総理が、7日は「派閥を離脱する」と表明しました。

岸田総理:「この問題は、党にとって、大変、強い危機感をもって臨まなければならない課題。党内には無派閥の人間も大勢いるので、総理総裁の任にあるうちは、派閥を離れるのが適切な対応と考えた」

派閥には属さないことが慣例となってきた歴代の総理大臣。しかし、岸田総理は、この問題が浮上した後も、こう述べていました。

岸田総理(11月21日):「現職総理で派閥の会長を続けた例は、過去にもいくつもある。大切なことは、派閥会長であることが、内閣総理大臣としての立場に影響を与えることがあってはならない」

派閥内での求心力を維持するためなのか、“会長”の座にこだわってきた岸田総理でしたが、追い込まれる形で、派閥を離れることとなりました。

一方、事の発端となった安倍派も穏やかではありません。
関係者によりますと、パーティー券収入の議員側へのキックバックについて、特捜部の聴取に対し、会計の担当者らが「事務総長に報告した」と説明していることが明らかになりました。

塩谷立座長(安倍派):「(Q.会計責任者が事務総長に一部収入をキックバックしたと話しているようだが)わかりません」
高木毅事務総長(安倍派):「(Q.会計責任者が事務総長に説明していたという報道があるが)(塩谷)座長のぶら下がりの通りです」

かつて事務総長を務めた、この人も。

下村博文元文部科学大臣:「(Q.事務総長経験者にぶら下がりをお願いしたい)はい、ノーコメントです。今はコメントなし」

前任にあたる西村大臣も、回答を拒否しました。

西村康稔経済産業大臣:「個々の政治団体に関するお尋ねになるので、政府にある立場としてお答えすることは差し控えたい」

そもそも“事務総長”とは、派閥の実務を取り仕切る幹部のこと。ベテラン議員が務めることが多く、職員から報告を受ける機会も多いとみられます。直近5年で安倍派の事務総長を務めたのは4人。今は、そのうち2人が大臣を、1人が党の役職を務めています。

松野官房長官もその一人です。

松野博一官房長官:「この場は“政府の立場”としてお答えしていると認識している。政治団体において、事実確認のうえで、対応がなされるものと承知。その対応を注視してまいりたい」

「政府の立場」を強調し、説明を避け続けてきました。

報道各社は、「政府の立場」で答えるのが難しければ、議員個人として会見することを要請しました。その回答です。
松野官房長官の回答:「まずは、政治団体の責任において、必要な対応がなされるものと考えており、それを受けて、適切に対応していきたい」

現職議員(安倍派):「派閥内は、みんな疑心暗鬼ですよ。幹部は『派閥で精査する』と言うが、どうやって派閥と議員の収支のつじつまを合わせるのか、何の指示もない」

さらに、パーティー券収入を裏金化する新たな手口も浮かび上がってきました。

番組が入手した安倍派のパーティーの案内。会費は2万円。案内文には小さく『この催しは、政治資金パーティーです』と書かれています。同封されている振り込み用紙。『清和政策研究会との懇親の集い』とあり、パーティー専用の口座であることが読み取れます。

しかし、関係者によりますと、議員が、派閥を経由せずにパーティー券で直接収入を得ているケースもあるといいます。

深刻さを増す政治とカネの問題。野党からは、批判の声が上がっています。

立憲民主党・泉健太代表:「『政府の立場としては』とか言い逃ればかりして、おかしな話で。これだけ疑惑どころか、ほぼほぼ事実が明らかになってきていることであれば、しっかり自分で場をつくって会見をし、説明すべきじゃないか」

■政治部・官邸キャップの千々岩森生記者の解説です。

(Q.松野官房長官は、“政府の立場”として回答を控えていたが、“議員の立場”での会見も拒否しました。この対応について、どう思いますか)
“政府の立場”と“議員の立場”を切り分けて、議員としてメディア対応することは、なにも問題ないと思います。現に、7日夕方、岸田総理が“派閥離脱”を表明しました。まさに、現職の総理が“派閥の話”を自ら官邸でしているわけですから、できないということではないです。官房長官会見の場が本当に不適切だと言うなら、我々は、議員会館の事務所はいかがですかと提案もしています。

(Q.岸田総理は、派閥離脱を表明しました。さすがに、まずいと思ったのでしょうか)
岸田総理が本当に焦りを強めたのは、ここ1週間くらいだと思います。岸田総理は、普段、接していますと、あまり強いこだわりを感じるタイプの政治家ではないのですが、言葉の端々に『宏池会』というものについては強い思いがにじみます。もう一つ、地元の広島、この2つを語るとき、体温を感じるタイプです。ただ、このタイミングで離脱を表明したことで、自民党内からは、派閥を離脱すべきだと批判してきた菅前総理を引き合いに、「菅さんが、ほら見てみろと笑ってるんじゃないか」という皮肉交じりの声も上がっています。

(Q.岸田政権の命運にかかわる問題になってきていますか)
政権の命運に関わる可能性が出てきてしまっていると思います。安倍派の事務総長経験者2人が、岸田政権の官房長官と経産大臣という要職を占めています。党内では、「もし検察の聴取の対象になれば、辞めざるを得ない」という見方が強まっていて、そうなると内閣改造の可能性まで指摘されています。岸田総理は、来年9月の自民党総裁選に勝つことを、政局面で最大の目標に据えていましたが、そもそも総裁選までたどり着けるのかどうか。総理大臣として2年余りにわたってやってきましたが、最大の岐路に立たされているとみて間違いないと思います。

(Q.支持率低迷、低空飛行が続くとしていましたが、フェーズが変わってきたということですか)
仮に低空飛行だとしても、総裁選まではいくとみていましたが、ちょっと変わってきました。本当の本当の岐路に立たされてきたとみていいと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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