史実に基づく“究極インバウンド”鉄砲隊がお出迎え 1泊100万円超「城泊」舞台裏(2023年12月3日)

史実に基づく“究極インバウンド”鉄砲隊がお出迎え 1泊100万円超「城泊」舞台裏(2023年12月3日)

史実に基づく“究極インバウンド”鉄砲隊がお出迎え 1泊100万円超「城泊」舞台裏(2023年12月3日)

歴史的な円安を背景にインバウンドの旅行消費額がコロナ前の水準を上回りましたが、こちら1泊100万円以上もする「城泊」にも富裕層からの問い合わせが殺到しています。
人気の秘訣を探るとある“こだわり”が見えてきました。

■本物の城に泊まる!外国人客が注目

史実に基づく歴史に触れ…300年以上続く伝統芸能を体験できるのが…愛媛県大洲市で本物のお城に宿泊することができる「城泊」です。1泊の料金は「100万円」以上、海外の富裕層から大注目。その人気のワケとは?江戸時代に城下町として栄えた愛媛県大洲市。市と民間会社が連携し、「歴史的資源」を活用した観光まちづくりを進めています。
「ようこそ大津へ。」
今回、大洲城に泊まるためインドネシアから来たトヒールさん親子。10泊の日本旅行のうち大洲市で2泊過ごします。閉館後、トヒールさんを歓迎するイベントが…。
「奥方さま、お待ち申し上げておりました。ご無事のご到着、何よりにございます。」
このイベントは1617年、大洲藩初代藩主、加藤貞泰公の入城シーンを、文献を基に再現したもの。トヒールさんには、つきっきりで通訳が解説をしてくれます。
「大洲城一日城主の儀、御願い奉り候。リンダ・トヒール殿」。
「奥方さまのご入場じゃ!祝砲を放つぞ!」
この時トラブルが…鉄砲隊の一人が火薬を仕込む準備に手間取ります。
「火蓋切れ!」
「放て!」
少しズレてしまいました。
実はこの方、普段は、大洲市市役所の観光まちづくり課に勤務している松井和矢さん。
(大洲市 観光まちづくり課 松井和矢さん)「火縄が落ちなくて…やっちゃった カッコつかなかったですね」
それでもトヒールさん親子は…。
「いかがでしたでしょうか?」
「びっくりしました!」
このあとトヒールさん親子は、大洲城内を見学。
「1階から2階まで1本の柱になっています」
そして最上階の天守閣では…。
「こちらは江戸時代に描かれた大洲城、大洲の町の地図でございます。この川が敵の侵入を防ぐ役割になっています」
このあと1階に降り、300年以上前から続く伝統芸能、「藤縄神楽」を鑑賞。トヒールさんにも参加型の神楽で「おもてなし」。
そのころ城の外では灯りをつけて作業している人が…
「(夕食のスタート時間は)45分ですか?」
「たぶん45は無理なので50分。15分から神楽始まって45分~50分ぐらいだと思います。」
大洲城の中では火が使えません。お城の横にキッチンカーを付けて夕食の準備に取り掛かっていました。夕食会場は、重要文化財の高欄櫓。愛媛県産の食材を使った「お殿様御膳」です。
(通訳)「あかね和牛を楽しめるのは愛媛県だけです。」
お肉は江戸時代にも親しまれていた調味料「わさび」と「塩」でいただきます。
(インドネシアから来日 トヒールさん親子)「わさびで試してみて、本当に美味しい」
その他食材には、大洲市におよそ280年前から伝わる文献を基に「大根」、「ゴボウ」、「みかん」、「鮎」などが選ばれました。
そのころ、お城からおよそ200m離れた河川敷では…
「もう来る?」
「今から50分丁度にお客様が外にでてくる感じになるので、今から繋いだ状態で」
食後の一大イベントの準備へ。
「今、えっと、歩いてきているので、あと1、2分の話かなと思います。」
そして、トヒールさんが城下を見渡せるポイントに着いたその時。
「お願いします。」
(トヒールさん親子)「最高でした!とても良かったです!」
「バッチリです。ありがとうございます」
この花火はオプションで追加料金はおよそ40万円。
お風呂は、ライトアップされたお城を眺めながら入浴を楽しめ、樹齢300年のヒノキを使ったお城の1階が寝室です。今回の費用は3名でおよそ160万円以上です。1泊2日の夢の体験についてトヒールさんは…。
(トヒールさん)「一番好きなパートは神楽、見たことがありませんですからとても楽しかった」
「家来(役)の人たちも良かったし、文化を受け継ぐ情熱を感じました。地域の人たちや、スタッフの方々とのお話を通じて学べたのは、素晴らしい経験になりました。100点、100点以上。5000点。パーフェクトスコア。」
今年、お城に泊まったゲストは21組。その収益のおよそ20%は、文化財の保全などに充てられます。
さらに、神楽を披露したあの人にも…
「すみませんこんにちは、こんにちは、上浅さんですか?はいそうです」
大洲市の山間部でしいたけ栽培を営む上浅照司さん。古くからこの地域に伝わる、神楽を受け継ぎました。
(藤縄神楽 上浅照司さん)「後継者不足っていうのがやっぱりあって難しい所もあると思います。」
しかし、城泊などで神楽を披露し、収入を得ることは後継者不足を解消していくことに繋がるといいます。大洲市では、城泊に加え、古民家を改装したホテルもオープン。話題を呼び、外国人も含めた観光客が増加傾向になりました。
(バリューマネジメント 吉田覚マネージャー)「失われゆく歴史的資源や 歴史的建造物というものをうまく活用して地域活性化につなげていくという取り組みを一生懸命作り上げているというところですね」

12月3日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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