【独自】ガザ“トンネル人質生活”の実態とは「殺すなら拉致現場で」ハマスと会話も(2023年11月27日)

【独自】ガザ“トンネル人質生活”の実態とは「殺すなら拉致現場で」ハマスと会話も(2023年11月27日)

【独自】ガザ“トンネル人質生活”の実態とは「殺すなら拉致現場で」ハマスと会話も(2023年11月27日)

番組の取材で今回、解放された人質たちが強いられていた生活の実態が見えてきました。

■パジャマ姿で拉致か…ハマスが9歳女児解放

戦闘開始以来およそ1カ月半ぶりの娘との再会です。日本時間の今朝イスラム組織・ハマスから解放されたエミリー・ハンドさん9歳。1人で育ててきた父トーマスさんは娘の解放を訴え続けてきました。
(エミリーさんの父トーマス・ハンドさん)「9歳の女の子にとって、こんな恐怖はない。真っ暗闇の地下トンネルの中で、日の光をまったく見られないかもしれない。彼女は毎日『パパはどこ?パパはどこなの?なぜ私を助けにきてくれないの?』と言うと思う。あなたの家族や子どもがある日、突然いなくなるのを想像してくれ。こつぜんと姿を消してしまうことを」
エミリーさんが連れ去られたのは先月7日。これまで100人以上の遺体が見つかったイスラエル南部に位置するベエリで、お泊り会の最中にパジャマ姿で連れ去られたとみられています。今月17日には、ハマスに拘束されている間に9歳の誕生日を迎えていました。そして…
「エミリーは今夜解放されるリストに入っているようです」
ようやく訪れた娘との再会…
(父トーマス・ハンドさんのコメント 英ミラー紙から)「私たちはこの瞬間を本当に長い間待っていました。毎日が長く苦しい悪夢でした。私のエミリーがついに帰ってきました。彼女を連れてイスラエルを出るかもしれません。平穏な国で、彼女が回復できるように」

休戦2日目、ハマスはイスラエル側の合意違反を理由に人質解放を遅らせていましたが、カタールなどの仲介によりこの問題が解消され、イスラエル人13人とタイ人4人、あわせて17人が解放されました。24日、母親と祖母とともにハマスから解放された9歳のオハド君。その様子を見つめるオハド君のいとこ。オハド君に“ある物”をプレゼントしたいのだといいます。
(オハド君のいとこ)「オハドに早く会いたいし、大好きなルービックキューブをプレゼントしたい。オハドはずっとやりたくて方なかっただろうから。どこに行くにも持ち歩いているの」
立体パズルが大好きだというオハド君。移送先の病院で家族と再会を果たしました。さらに…病院にかけつけた友達とハグ。その場で、立体パズルのプレゼントも…実は病院に到着するまでに、オハド君に立体パズルがプレゼントされていたようで、移送中も楽しんでいたようです。

■「毎日食べて寝るだけ」人質の“生活実態”

ハマスの管理下で人質となった人々はどのような境遇に置かれていたのでしょうか?24日に解放されたタイ人の人質、ウィトゥーン・プーミさん。解放後に、ウィトゥーンさんとビデオ通話できたという姉に話を聞くことができました。
(タイ人の人質 ウィトゥーンさんの姉)「とてもうれしくて涙が出ました。初めて会話できたとき」
33歳のウィトゥーンさんは、家族を支えるため、5年前から、イスラエルの農場で出稼ぎしていたといいます。
Q.拉致されたときは?
(タイ人の人質 ウィトゥーンさんの姉)「いきなり連れていかれて気がついたらハマスのトンネルの中にいたと」
Q.何も説明はなかった?
(タイ人の人質 ウィトゥーンさんの姉)「頭に布をかぶせられて『振り向いたら撃つ』と言われたそうです」
Q.拘束中なにか指示された?
(タイ人の人質 ウィトゥーンさんの姉)「何も指示はされず、毎日食べて寝るだけでした」
ウィトゥーンさんによれば手の平くらいの大きさのパンが1日2食、水は1日2本、シャワーは1週間に1回。寝る時には毛布を与えられたといいます。
Q.拉致された理由は?
(タイ人の人質 ウィトゥーンさんの姉)「まったくわかりません。弟が『俺を殺すのか?』と(ハマスに)聞いたら、『殺すつもりはない。殺すなら拉致の現場で殺していた』と言われたそうです。人質には何も危害を加えないと思う。交渉を待っているのでしょう」

■ガザ休戦“人質交換”進む…拘束の実態は

大勢の人が出迎えるなか、サイレンを鳴らし、ハマスやパレスチナの旗を掲げる人を屋根に乗せ、走る赤十字のバス。バスの中には釈放された人でしょうか、たくさんの男たちの姿が…イスラエル側も収監していたパレスチナ人の女性6人と10代の男性33人、合わせて39人を釈放しました。こちらのパレスチナ人の女性は、8年ぶりの帰宅です。
母親「来た!来た!来たよ」
「イスラ!イスラ!本物か」
釈放されたのは娘のイスラ・ジャビスさん。2015年、車に積んだガスボンベを爆発させ、警官を殺害しようとしたとして、懲役11年の判決を受けました。イスラさんは爆発によって、体の半分を火傷し、指を失いました。家族は今も、イスラエル軍が撃った弾がガスボンベにあたって爆発したと主張しています。再会を喜ぶ家の外には、たくさんのイスラエル軍の兵士の姿が。ジャビスさんの家に人が集まり、騒ぎが起こるのを警戒しているといいます。
同じく8年ぶりの帰宅となったのは―。
24日に釈放され、母親と抱き合うマラフ・バキルさん。現在24歳ですが、16歳の時から8年間収監されてきました。地元メディアによりますと、当時16歳だったマラフさんが学校から家に帰ろうとしたとき、イスラエルの警官から銃撃を受け負傷。マラフさんはナイフを所持し、刺殺するつもりだったとして起訴され、懲役8年半の実刑判決を受けたのです。
(釈放された娘のマラフ・バキルさん(24))「刑務所に入ったときはまだ小さくて、お母さんと一緒にいたかった。いつも夢に見ていました」
(西橋拓輝リポ)「各地から集まった人たちは、人質の写真や国旗を掲げるなどしながら、それぞれが連帯を示しています」
イスラエルでは25日、およそ10万人の市民らが、男性も含めた人質全員の即時解放を訴えました。イスラエルメディアによると、日本時間のきょうにも予定されている3回目の人質解放は13人になるということです。

11月26日『サンデーステーション』より (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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