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【報ステ解説】「目的は“ミサイルの目”」追加発射も宣言…北朝鮮“偵察衛星”成否は(2023年11月22日)
北朝鮮は21日夜、3カ月ぶりに軍事偵察衛星を打ち上げました。一夜明け、北朝鮮メディアは成功を大々的にアピールしています。
朝鮮中央テレビ:「国家航空宇宙技術総局の報道。偵察衛星を成功裏に発射。新型衛星運搬ロケット『千里馬-1型』は、予定された飛行軌道に沿って正常飛行し、偵察衛星『万里鏡-1号』を軌道に正確に進入させました」
公開された写真は全部で16枚。ロケット本体を見ると、5月に失敗したロケットとの構造上の変化は見受けられません。『千里馬(チョンリマ)』の文字とともに描かれた馬のイラストも、過去に回収された残骸にあったものと一致します。2度打ち上げに失敗していますが、ロケットを大きく作り変えたりはしていないようです。
一方で変わったものもあります。各所にみられる『NATA』の文字。2カ月前に、かつての『NADA』から名称を変えた宇宙部門です。しかし、金総書記の周りで喜んでいる人たちの胸を見ると『NADA』の文字が。打ち上げを急いだために、ユニフォームが間に合わなかったのかもしれません。
北朝鮮は“軌道投入に成功した”と宣言していますが、各国はその判断に慎重です。
松野官房長官:「現時点で地球周回軌道への衛星の投入は確認されていない」
北朝鮮は夕方、まるで懐疑的な声に反論するかのように、こんな発表をしました。
朝鮮中央通信HP:「金正恩同志が航空宇宙技術総局の総合管制所を訪問した。午前9時21分に受信した、太平洋地域グアム上空で、アンダーセン空軍基地や港など、米軍の軍事基地区域を撮影した写真をご覧になった」
金総書記は衛星が捉えたグアムの米軍基地の写真を確認したうえで「今は万里を見下ろす『目』と、万里を殴る強力な『拳』を全て手中に入れた」と語ったといいます。衛星は来月1日から正式運用との方針も発表されました。ただ、公開された写真は2枚だけで、グアムの衛星写真はありません。
前回の打ち上げ失敗から1カ月も経たないタイミングで、ロシアを訪問した金総書記。この時、ロケット打ち上げなどの技術協力にこぎつけたと言われています。5月は2段目、8月は3段目のエンジンの異常による失敗でしたが、今回、レーダーが追跡したロケットの飛行情報に特段、異常は見られなかったといいます。
韓国国防省:「飛行航跡情報と様々な状況を総合分析した結果、軌道に投入したものと評価する」
つまり、打ち上げは成功と認めた形です。しかし、偵察衛星としての能力には疑問符が残ります。過去に韓国が回収した残骸から、搭載されたカメラの解像度が3メートルしかないと評価されました。“地上にある3メートルのものまで見える”という意味です。解像度2.5メートルの精度で撮られたものは、建物や車両の有無は分かりますが、その形状や種類までは判別できません。今のところは、さしたる驚異ではないのかもしれませんが、北朝鮮は今後、さらに多くの偵察衛星を打ち上げると宣言しています。
自ら設けた打ち上げ予定期間を無視した北朝鮮。韓国はかなり強い対応を打ち出しています。文在寅政権時に結ばれた南北合意の一部を、22日から破棄すると宣言しました。
韓国国防省:「合意以前に行っていた、北朝鮮への空中監視・偵察活動を復活します。このような事態を招いた責任は、全面的に北朝鮮政権にあり、北朝鮮が追加挑発を行えば、我が軍は固い米韓連合防衛体制に基づき、どんな挑発も直ちに強力に最後まで罰します」
◆『万里を見下ろす“目”』狙いは?
東アジアの安全保障問題に詳しい、東京大学先端科学技術研究センター・山口亮特任助教に聞きました。
(Q.今回の打ち上げで北朝鮮が得たものは何ですか?)
山口特任助教:「北朝鮮の目的は“ミサイルの目”を持つこと。ミサイル自体や撃つ能力はほぼ完成しているが、状況を正確に把握し、標的をピンポイントに攻撃するための衛星を用いたデータ・システムは未完成。今回は“ミサイルの目”を得るための発射」
韓国国防省も「衛星は軌道に投入。ただ、正常に作動するか判断するには時間がかかる」としています。
(Q.仮に成功だったとして、今回の発射に9月のロシア訪問は影響していますか?)
山口特任助教:「ロシアを訪問して、まだ短期間なので、ロケットや設備など物理的な関与・影響は現状ないのでは。打ち上げデータや衛星運用などのノウハウに影響している可能性がある。将来的にはレーダー・センサー・通信システムなど、軍事作戦能力が大幅に向上する技術をロシアが提供をする可能性もある」
北朝鮮の宇宙開発を担当する、国家航空宇宙技術総局は「今後、早い時期に数個の偵察衛星を追加で発射する」と、さらなる発射に言及しています。
(Q.今後、北朝鮮はどう動きますか?)
山口特任助教:「効果的な偵察衛星システムの運用には、衛星が5~10基ほど必要で、今回の発射は1基目。北朝鮮が進める国防5カ年計画の期限である2025年まで、今後も打ち上げ続ける可能性が高い。衛星の精度が上がれば、日米韓の動きを見極め、軍事行動を行えるように。よりピンポイントなミサイル発射が可能になり、さらに脅威になる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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