ヘリで急襲…操舵室を一気に占拠『フーシ派』貨物船“制圧の瞬間”映像を公開(2023年11月21日)

ヘリで急襲…操舵室を一気に占拠『フーシ派』貨物船“制圧の瞬間”映像を公開(2023年11月21日)

ヘリで急襲…操舵室を一気に占拠『フーシ派』貨物船“制圧の瞬間”映像を公開(2023年11月21日)

「貨物船を拿捕した」と声明を出した、イエメンの反政府武装組織『フーシ派』が日本時間21日未明、SNSで船を制圧する映像を公開しました。

船の後方から近付いていくヘリコプター。機体には、イエメンとパレスチナの旗がつけられています。船は日本郵船が運航する自動車運搬船『ギャラクシー・リーダー』。映像を見る限り、甲板上に乗組員の姿は確認できません。難易度が高い、海上での着艦ですが、動きは安定しているようです。

ヘリから降りた武装集団はいずれもライフルを抱えています。ヘリはすぐさま飛び立ち、戦闘員たちは前へ。戦闘員の人数を数えてみると、少なくとも10人はいる模様です。かげに隠れながら船首の方へ向かっていきます。操舵室に突入。反対側からも戦闘員が銃を構えて脅します。乗組員は両手を上げるしかありません。操舵室の時計を見ると、時刻は午後1時過ぎ。コンピューターの画面には、現在位置を示す地図が確認できます。

トルコからインドに向かっていた貨物船。現地時間の18日午後2時半ごろ、紅海の真ん中あたりを最後に、船舶情報の信号が途切れていました。そして、船が武装集団に襲撃されたのは、まる一日近く経った、19日午後1時過ぎ。最後に信号が確認された所から、800キロほど南へ進んだイエメン沖とみられます。ギャラクシー・リーダーはこの時、車は積んでおらず、中は空でした。フーシ派はイエメンまで連行したとしています。

映像はボートから撮影したもの、さらには、ドローンから撮ったものも。ヘリで接近し着艦するところから、船を乗っ取るところまで、いくつものカメラで撮影し、すぐさまネットで公開する。用意周到に練られた計画です。

反政府武装組織とはいえ、首都を含むイエメンの広い範囲を実効支配する、フーシ派。各種ミサイルを保有するなど、国家レベルに近い軍事力を備えています。襲撃映像の冒頭でも「イエメン軍」を自称しますが、その戦力を陰で支える存在があります。貨物船乗っ取りを手引きしたとイスラエルから非難されたイラン。関与は否定しているものの、これまでフーシ派を支援してきたことはよく知られています。武器の供与から訓練に至るまで、重要な役割を果たしているとされ、イエメンに向かう船からカラシニコフ銃が押収されたこともあります。

世界の海上輸送量の1割以上が経由すると言われる紅海で起きた、貨物船襲撃。これをイスラエルのガザ侵攻を止めるための行動とするフーシ派は、船にイエメンとパレスチナの旗を掲げました。とはいえ、今ここで被害に遭っているのは、イスラエル軍とは無関係の乗組員たちです。25人の安否は分かっていません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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