「プーチン氏の発言は感情的」ロシア軍停滞は“時間稼ぎ”?専門家解説(2022年3月2日)

「プーチン氏の発言は感情的」ロシア軍停滞は“時間稼ぎ”?専門家解説(2022年3月2日)

「プーチン氏の発言は感情的」ロシア軍停滞は“時間稼ぎ”?専門家解説(2022年3月2日)

ウクライナの苦しい状況は続いています。事態は収束するのか、さらに悪化してしまうのでしょうか。ロシア外交、安全保障に詳しい畔蒜泰助さんに聞きます。

(Q.攻撃を止めないロシア軍をどうみますか)
ロシアは、キエフを陥落させるということが最終目標でしょうし、それをやりきる覚悟だと思います。

アメリカ国防総省は、ロシア軍の進軍について「燃料、食糧不足で進軍が停滞」「戦闘経験がないばかりか、戦闘に加わると知らされていない兵士もいて、士気が低下している」「作戦見直しのために、一時的に進軍を止めている可能性もある」などとしています。

(Q.進軍が滞らざる得なくなっているのか、あえて準備のために停滞しているのか、どうでしょうか)
仮に前者だとしても、最終的に時間が解決する問題だと思います。つまりテコ入れをして、燃料も含めて補給する。最終的には、軍事攻撃を始めるための一時的な期間だと思います。

ロシア側の軍事侵攻の計画が、全面的な攻撃をするための準備を十分にしていなかったのではという疑問があります。恐らく、当初のプーチン大統領の発言を聞いていると、ミサイルを撃ち込んで、ある程度、威嚇をすれば、ゼレンスキー大統領は亡命し、ウクライナ軍も降伏するという期待があったのではないでしょうか。ただ、実際は、ウクライナ軍が抵抗して、ロシア軍の攻撃を食い止めている。ロシア側は、ここから立て直してくると思います。

2回目の停戦協議をめぐって、ウクライナのゼレンスキー大統領は、CNNのインタビューで「ロシアが攻撃を止めない限り協議に応じない」としていましたが、ロシアの国内メディアは「協議が2日遅くに行われる予定」と伝えています。

(Q.停戦協議が行われたとして、交渉はまとまると思いますか)
前回、お互いの立場を表明しました。それをお互いの大統領に持ち帰って、今回、また会合に臨みますので、非常に重要な局面です。非常に確率は低いですが、何らかの前進があれば、次の会合につながっていく。もし、それがなければ戦闘再開という形になると思います。

旧ソビエト諸国の首脳たちは、ロシアとウクライナの戦いに関しては、全面的には賛成しているわけではなく、むしろ本音では「やめてくれ」と思っていると思います。だから仲介をということですが、プーチン大統領の決意からすると難しいのかなと思います。

(Q.なぜ、今回、プーチン大統領は、暴力的なスイッチが入ってしまったのでしょうか)
プーチン大統領は、軍事力を行使するときには、常に冷静に計算し、ある種、何かを獲得して終わってきました。例えば、クリミア、シリア。これまでロシアは軍事力を行使することで、着実に国際的なプレステージを回復してきた。今回、それにつながるのかどうか疑問を持ちます。

仮に今後、当初の目的を達して、政権交代をして、傀儡政権を作ったとしても戦闘は終わらないと思います。他の地域、特にウクライナの西部、ポーランドに接しているような地域からゲリラ的な戦いが続く可能性がある。そうすると軍事的に全面的に抑えないといけなく、それは相当、大変なことです。ロシアにとって、この戦いがプラスなのかどうなのか、疑問に思います。一連のプーチン大統領の演説を聞いていると、私が知っているプーチン大統領以上に感情的な演説、発言になっていると思います。何か変化を感じざるを得ないというのがあります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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