「SNSで遺族を侮辱」訴追された岡口判事の弾劾裁判始まる「表現は不適当だった」と謝罪も争う姿勢
裁判官をやめさせるかどうかを審理する国会の「裁判官弾劾裁判所」。きょう、この法廷にSNSで殺人事件の被害者遺族を侮辱したなどとして訴追された岡口判事が出廷し、「表現行為に不適当なものもあった」と謝罪しました。
9年ぶりに開かれた弾劾裁判の初公判に出廷したのは、仙台高裁の岡口基一判事(56)。
東京・江戸川区で起きた女子高校生殺害事件について、2017年、ツイッター上に「無惨にも殺されてしまった17歳の女性」と投稿するなど、遺族を侮辱したとされています。
岡口判事は、SNSでの投稿をめぐって最高裁から2度、戒告の処分をうけていますが、きょう、弾劾裁判所では、訴追された岡口判事の罷免=裁判官をやめさせることについての審理が始まりました。
岡口判事
「私がした表現行為には不適当なものもあり、深くお詫びしたい」
冒頭、自らの投稿について、こう謝罪した岡口判事。その上で弁護側は、岡口判事の表現は「侮辱に該当しない」として罷免には当たらないと主張しました。
国会議員14人が「裁判員」となり、審理を進める弾劾裁判では、これまで7人の裁判官が犯罪行為などを理由に罷免されましたが、SNSの投稿をめぐっての訴追は初めてです。個人で行った投稿が罷免の理由にあたるのかが焦点となります。
今回、訴追を求めたのは、殺害された岩瀬加奈さんの両親。岡口判事の投稿に抗議したところ、加奈さんの命日に「裁判所や新聞社に洗脳されている」とさらに書き込まれました。
岩瀬さんの遺族(初公判後 取材に対し)
「初公判で謝罪を述べたとありますが、私達への謝罪ではなく、弾劾裁判という世間を騒がしている事への謝罪でした」
一方、法曹界からは、罷免させるべきではないという意見もでています。
亀石倫子弁護士
「法曹資格を全て失うような重大な処分を、国会議員にされてしまうっていうことの前例ができてしまうと、非常に萎縮して正しい判断、公正な判断ができなくなってしまうことにつながるのでは」
亀石倫子弁護士は、投稿に「不適切な点がある」とした上で、裁判官の独立を保つためには「罷免の理由は重大な犯罪や職務での違反に限られるべきだ」と指摘します。
ネット上の誹謗中傷をめぐっては、ここ数年で厳罰化の動きが進むなど、社会の中で大きな変化が現れています。弾劾裁判所はどのような判断を示すのか。審理は続きます。
(02日18:09)
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