「本当に困った」年12億円規模 ニシキゴイ、中国への輸出“停止”(2023年11月10日)
「泳ぐ宝石」とも呼ばれ海外人気も高いニシキゴイ。ところが、今月から中国への輸出が事実上の停止に。困惑が広がっています。
■年12億円規模「本当に困った」
池の中から現れた巨体、両腕で抱えるほどのニシキゴイです。紅白、三色、黄金などなど泳ぐ宝石とも称されるニシキゴイ。
イギリスから来た人:「とてもきれいで素晴らしいです」
日本文化の象徴として国内外に愛好家がいることで知られ、1匹2億円で取引されたこともあります。
ニシキゴイを含む観賞用の魚の輸出額は去年、過去最高の63億6000万円に到達。そのなかで最も大きなシェアを誇るのが中国です。しかし、その中国に向けたニシキゴイの輸出が今月から事実上、止まっていることが9日に明らかとなりました。
松野博一官房長官:「ニシキゴイの中国への輸出にあたっては、中国当局に認定された輸出前検疫施設で検疫を受ける必要がある」
新潟県にある、その検疫施設では中国からの認定が先月末で期限を迎えましたが中国側からの更新はなく、その理由も明らかとなっていません。
ニシキゴイの養殖業者は頭を抱えます。
伊佐養鯉場 伊佐光徳代表:「今、繁忙期、ニシキゴイの買い付け時期なので。出荷はここから先11月、12月がメイン。本当に困っている」
新潟県小千谷市にある伊佐養鯉場では年間6万匹以上のニシキゴイを養殖。そのうち15%ほどを中国に輸出しています。
伊佐養鯉場 伊佐光徳代表:「日本でやっている中国ディーラーもいる。中国で日本産をさばいてくれる業者もすごく困っている」
■「禁輸してない」中国内で混乱?
北京市内にあるニシキゴイ販売店。
女性店員:「ニシキゴイは結構、売れますよ」
しかし、店で泳いでいたのは中国で養殖したニシキゴイ。日本産のものはとても高価で、富裕層くらいしか買うことはできないといいます。
男性店員:「皆、国産品だよ。日本産は手が出ないよ。(日本産が)1匹でも死んだら、もうけが全部、飛んじゃうよ」
一方、中国外務省は…。
中国外務省 汪文斌副報道局長:「私が把握したところ、中国は日本のニシキゴイ輸入禁止に関する告知を発表していない」
「禁輸はしていない」と話しますが、「事実上の禁輸」となっているニシキゴイ。その背景には処理水の海洋放出に対する外交カードという意味合いもあるのでしょうか…。
テレビ朝日 中国総局 冨坂範明総局長:「外交カードとして使おうという明確な目的があるというよりは、現場サイドが日中関係などを忖度(そんたく)し、(認定期日の)更新をためらっている可能性がある。関係者も合理的な説明がないと言って困っていた。逆に、日中首脳会談が実現するなどして『日中関係を進めて良い』というシグナルが出れば、再び輸出できるようになる可能性もある」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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