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「空爆された病院にトンネルが」イスラエル軍が繰り返す“ハマスが悪い”(2023年11月6日)
イスラエル軍が「本格的侵攻を開始した」と表明してから数日が経過しました。連日、軍がアップしている映像にも変化が見られます。進軍する歩兵の数が増えたこと。そして、建物が密集する地域での戦闘、つまり“市街戦”の映像が目に見えて増えてきています。
同様のことが、ハマス側があげる動画にも現れています。遮蔽物の多い市街地でのゲリラ戦。軍事力で劣るハマスにとって最大の対抗手段です。逆にイスラエルは、数に物を言わせる“包囲戦”を展開しています。ガザ市の南側を横断することで、南北を分断。同時に、海岸線に沿って北側からも制圧範囲を広げ、ガザ市を取り囲もうとしているようです。
イスラエル軍は、すでに一部の部隊が、ガザ市の市街地に入ったとも伝えています。発見した地下トンネルを1つずつ潰しながら、ハマス最大拠点の殲滅(せんめつ)の準備を進めているものとみられます。イスラエルメディアは、当局者の話として、ガザ市内への侵攻が48時間以内に始まるとも報じています。
ネタニヤフ首相:「人質全員を解放しない限り、停戦交渉はない。ユダヤ人は他に行く場所がない。勝つまで戦うのみ」
空爆開始から7日で1カ月。ガザ地区だけでの累計死者数は、1万を超えました。民間人の犠牲者は膨らみ続け、世界中の非難の声は高まるばかりです。
イスラエル軍は“民間人が亡くなるのはハマスのせいだ”という論調をいっそう強めています。例えば、空爆された病院にはハマスのトンネルがあったという主張。
イスラエル軍ハガリ報道官:「ご覧のように、イスラエル兵がトンネルの入り口を発見しました。地上作戦の一環として、この病院を調査した結果、トンネルはテロ攻撃のインフラとして使われていました」
子どもたちの遊び場のすぐ近くから攻撃が行われている、という主張も。
イスラエル軍:「ここで見えるのは、イスラエルに向けて発射されるロケット用の4つの発射筒です。子ども用プールからはわずか5メートル。住宅からは20~30メートルほどの距離にあります」
こうした主張が増えてきた理由。先週、救急車が空爆の標的にされ、15人が亡くなったことが影響しているかもしれません。イスラエルは、自分たちの空爆だと認めつつも“ハマスが悪い”と繰り返しました。
イスラエル軍報道官:「テロリストが救急車を移動手段とする様子が確認されたため、その救急車を脅威として捉え、攻撃しました。ハマス戦闘員は何度も、戦場で違法に救急車を利用していて、特に幹部連中はタクシー代わりとしています。(Q.この攻撃の標的は?ハマス高官でしょうか?)標的を絞ったわけではなく、戦闘中に逃亡、もしくは攻撃に救急車が利用されたため攻撃しました。明確な人数は不明ですが、現場にはハマス戦闘員がいて、移動しやすくなるように救急車を利用したのは間違いありません」
◆ガザ地区“南北に分断”狙いは
イスラエル軍の報道官は5日、「ガザを南北に分断した。ガザ市は包囲された」と発表しました。この発表について、東京大学・中東地域研究センターの鈴木啓之特任准教授に聞きました。
鈴木特任准教授:「ガザ市は、ハマスの重要活動拠点の一つ。この市を制圧することが、ガザ地区全体の掌握のために重要。今回発表することで、作戦が順調に進展していることを、イスラエル国内へアピールする狙いがあるのだろう」
戦闘開始から7日で1カ月が経ちますが、人質解放のめども停戦の兆しも見えず、事態は混沌としている状態です。アメリカのブリンケン国務長官は、食料搬入など人道支援目的で、一時的な戦闘の中断を求めています。しかし、イスラエルのネタニヤフ首相は、一時的な戦闘の中断を拒否しています。5日には改めて「人質の帰還なくして、停戦はあり得ない」と強調しました。
鈴木特任准教授:「ハマスは、人質をカードにイスラエルから譲歩を得たい思惑がある。攻撃が継続されるなか、全員解放を行うことは考えにくい。一方、イスラエルは、あくまで人質の全員解放が停戦の前提という姿勢を崩さない。お互い相容れない状況になっている」
この状況での戦闘の一時中断は難しい状況です。
鈴木特任准教授:「『ガザ地区での軍事行動は自国の決定で続ける』というのが、今のイスラエルの考え。アメリカ政府でさえ抑制できていない状況。そこまで強硬姿勢を取る理由は、ネタニヤフ首相はハマスの急襲を防げなかった。その失敗を挽回(ばんかい)するために必死」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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