各地で深刻なタクシー不足 ライドシェアが救世主に?一方で課題も(2023年11月4日)

各地で深刻なタクシー不足 ライドシェアが救世主に?一方で課題も(2023年11月4日)

各地で深刻なタクシー不足 ライドシェアが救世主に?一方で課題も(2023年11月4日)

最近、タクシーがつかまりづらいなと感じたことはないでしょうか?ドライバーの減少により、各地でタクシー不足が深刻になる中、いま、あるサービスの解禁が急浮上しています。問題解消の切り札になるのでしょうか。(11月4日OA「サタデーステーション」)

■三連休の各地でタクシー待ちの行列

三連休中日の4日、京都駅を訪ねると…。

(報告鈴木闘匠ディレクター)
「京都駅のタクシー乗り場には列ができています」

連休初日は、およそ80人が並ぶ時間帯もありました。

静岡からの観光客
「タクシーの方が便利かなと思って。そしたらこれくらい並んでいたのでちょっとびっくりしています」

清水寺では、本格的な紅葉シーズンを前ににぎわう一方で、観光客を悩ませていたのは…、やはりタクシー不足です。タクシー乗り場では人の列ができていますが、タクシーは1台もありません。

タクシー不足は、首都圏でも。

(報告畑中彩里ディレクター)
「東京駅のタクシー乗り場です。長蛇の列ができています」

長い列ができていたのは、東京駅の八重洲口。並んでいた男性に話を聞くと…

大阪から来た男性
「30分ぐらい待ったんじゃないですかね」

夜になっても、行列が途絶えることはありませんでした。

■タクシー不足受け…”ライドシェア解禁”急浮上

こうした各地のタクシー不足の背景にあるのは、ドライバー不足です。全国のタクシー運転手の数は、コロナ禍を経て20%減少。(全国ハイヤー・タクシー連合会より)

こうした状況を打開すべく、ライドシェアの導入に向けた議論がいま、大きく動き出しています。

現在、有料で客を運べるのは、二種免許を持ったドライバーに限られています。一方、ライドシェアは一般のドライバーが、自家用車を使うサービスです。一部地域では、先行的に行われていますが、これが全面的に解禁される可能性があるのです。

4日、先行して導入している兵庫県養父市での取り組みを視察した河野規制改革担当大臣は…

河野規制改革担当大臣
「非常に快適でした」

■先行導入の地域で見えた課題とは

しかし、全面解禁には課題もあります。

その実態を探るためサタデーステーションが訪ねたのが、富山県高岡市の中田地区。この地域では、去年11月からライドシェアの実証実験を始め、今月1日から本格運用が始まりました。

利用していたのは、一人暮らしの坂口幸子さん85歳。利用料金は、乗車時に回数券で支払います。1回500円です。

坂口さん「11月とは思えんねー」
運転手「あっついもんね。んで、朝晩は寒い」

坂口さんは、通院や買い物の度にライドシェアを利用しています。

坂口幸子さん
「(主人は)いまは亡くなって2年たつからね」

高齢化が進み、生活の足が不足する中、交通空白地での特例制度(自家用有償旅客運送制度)を利用してライドシェアを実現。安全運行の管理は、地元タクシー会社が行います。この日、運転を担当した浅野さん。本来の仕事は、農業です。

運営側は、都市部での導入について、懸念を示しています。

中田地区コミュニティ協議会道谷悦一会長
「見知らぬ人の車に乗るということだけでも(不安もある)。それと技術と安全性。その辺りのカバーできるような体制ができていて、初めてできる制度ではないかと」

■タクシー業界ではパートタイム採用進める動きも

タクシー業界から反対の声が多いのも、安全面です。そこでいま、運転手確保に向けた新たな取り組みも始まっています。

取材した「日本交通グループハロートーキョー」では車両の点検作業が行われていました。

運転手「本日の点検以上になります」
社員「預かります。異常なしでしょうか?」
運転手「異常ありません」

乗務員歴半年の松田さん。実は時給で働くパートタイムの運転手なんです。2児の母親として子育てをする傍ら、週3日、1日5時間ほど勤務しています。

パートタイム運転手の松田さん
「朝は子供たちを保育園などに送ってから出勤させていただいて、帰りはまた子どもたちを迎え行く形で。子どものスケジュールに合わせられるのでとてもありがたいです」

この会社では、3月に「パートタイム制度」(週に3日以上・1日5時間から勤務可能)を導入。およそ50人が勤務しています。

パートタイム運転手のために導入されたのが…

「配車依頼です!」(自動音声)

アプリ配車専用の車両です。乗客が目的地を登録すれば、ルートがカーナビに即座に表示。また、アプリで事前決済出来るなど乗務員への負担が少ないといいます。

日本交通グループハロートーキョー野底篤統括部長
「ハードルを下げることによって今までタクシー乗務員になり得なかった方達をこの業界に取り込むということが目的です。まだまだ移動のニーズが増えてくると思いますので、車両も乗務員も増やしていきたいというふうに考えています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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