農家悲鳴…2等米だらけ「700万円損害」 精米店に聞く…おいしく食べる“炊き方”【もっと知りたい!】(2023年11月3日)
猛暑の影響で、今年の新米は最上級の1等米が不作です。ほとんどが2等米、3等米ですが、ひと工夫するだけで、おいしく食べられることが分かりました。
■農家悲鳴…2等米だらけ「700万円損害」
花水農産 宮内賢一さん:「今年はどうにもならない。これだけ努力して2等米なんだから」
コメどころ、新潟県十日町市で50年近くコシヒカリを生産してきた宮内さん。
コメの品質を評価する“等級”は形や色など見た目が検査され、最も高い評価を受ければ「1等米」となります。
白く濁り、粒が小さいものは「2等米」や「3等米」。味の評価ではありませんが、価格が下がります。
宮内さんのコメは、今年はほとんどが「2等米」になっています。原因は、記録的な暑さです。
宮内さん:「特にコシヒカリは暑さに弱いんですよ。コメの中に養分をため込むときに、暑すぎてイネの体そのものが弱ってしまった」
新潟県全体で見ても、今年の1等米は13.5%。70%以上だった去年を大きく下回っています。今年は2等米、さらにその下の3等米がほとんどを占めています。生産者にとっては死活問題です。
宮内さん:「今年は700万円ぐらいの損害ですよね。挽回(ばんかい)できるような金額じゃないですよ」
■都内の精米店…1等米は「出ません」
一方で、消費者にコメの等級について聞いてみると…。
買い物客:「(Q.1等米、2等米…等級があるのはご存じですか?)いや全く知らないです。安さで選んじゃってるので」「この表示のどこの何を見ればいいのかも、ちょっと分からない」
通常、米は等級を混ぜて販売するため、パッケージのどこを見ても1等米か2等米か、表記がありません。
都内の精米店を取材すると、今年、コシヒカリの1等米は、全く入荷されていないといいます。
吉野商店 吉野佑冶代表:「新潟・佐渡のコシヒカリ。今、3等米しかないので。一番奥が(新潟)魚沼のコシヒカリ。これも2等米です」「(Q.1等米は出ないんですか、今年は)出ません」
明治36年(1903年)創業の吉野商店。家業を継いで55年目の4代目・佑冶さんも、初めての事態だと顔を曇らせます。
吉野代表:「2等米、3等米は、おコメの横っ腹に白いのが出ちゃってる。で、やっぱりやせてるじゃない?」
■“炊き方”工夫…今年は「若干お水を少なめに」
店では、精米したてのコメをつかった自家製のおにぎりも販売しています。2等米が多い今年は、炊き方も工夫しています。
吉野代表:「今年は粒が小さいので、若干お水を少なめに炊いてます」
2等米は粒が小さく、水を通常通り入れると軟らかくなってしまうため、少なめにするのがおいしく炊けるポイントだといいます。16合分のコメに対し、通常より90cc水を減らしました。
吉野代表:「まず、正確におコメを量ること。水の量も、正確にきちっと量ること」
ふっくらと炊きあがったコメを、妻のゆき子さんが握ります。そのお味は絶品です。2等米と聞くと、少しグレードダウンしてるのかなと思われるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
シャケやタラコなど6種類のおにぎり。おかずとみそ汁がついたセットは650円です。
■お寿司屋さんは…「古米」が好き
今年のコメの異変、コメにこだわる飲食店の仕入れにも変化があったようです。
吉野代表:「去年と今年では、粒が古米(去年のコメ)のほうがしっかりしてる。業種によっては、古米置いてあるのは、すし店が好きなんですよ」
(「グッド!モーニング」2023年11月3日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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