秋の味覚に異変 北海道“秋サケ”激減 ブリ急増も…道民「好みではない」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月27日)

秋の味覚に異変 北海道“秋サケ”激減 ブリ急増も…道民「好みではない」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月27日)

秋の味覚に異変 北海道“秋サケ”激減 ブリ急増も…道民「好みではない」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月27日)

 今年はサンマの水揚げが好調なのに対し、北海道ではこの時期ピークの秋サケが記録的な不漁となっている。原因は“海洋熱波”という現象にあるそうだ。

■サンマ初水揚げ…4年ぶり好調

 秋になると恋しくなる脂がたっぷりと乗ったサンマの味。

 近年は歴史的な不漁続きで、すっかり高級魚と化した感もあったが、今月21日、福島県いわき市の小名浜漁港で、今シーズン初めてサンマが水揚げ。水揚げ量はおよそ13トン。4年ぶりに福島県に近い三陸沖にサンマが多く集まる漁場が形成され、水揚げ量は順調に増え始めている。

 第11権栄丸 森田毅さん:「例年より、ちょっと多くなったのかなって感じかな。(サンマの群れは)それなりに見えてきたのかな」

 埼玉県のスーパーでは…。

 スーパーマルサン 齋藤元宏常務取締役:「瞬間的なことは別として、8月、9月の中旬ぐらいまでは1尾300円、400円ぐらいだった。今は150円から200円の間ぐらい」

 客:「これぐらいだったら買えるかな」

 さらに、今後は…。

 齋藤常務取締役:「今は、まだ千葉(のサンマ)が入ってきていない。千葉あたりが入ってくると輸送の距離が短いから、まだコストが落ちると思う。そうなると(1匹)100円まではいかなくても、130円とか150円ぐらいになる可能性がある」

■去年の2倍…気仙沼“戻りガツオ”豊漁

 宮城県でも、秋の味覚の水揚げは好調。

 26年連続「カツオ」の水揚げ量日本一を誇る気仙沼港では“戻りガツオ”の豊漁で、港は活気づいている。

 第27源吉丸 山本隆源船頭:「とれ高も出てきたし、肉質もいいし。脂ものっておいしいし。(この時期の)戻りガツオだなって」「(Q.去年と比較してどう?)正直いいですね。ちょっとニコニコするくらいいいけど」

 この時期“戻りガツオ”は脂の乗りも良く、刺し身にしてもたたきにしても風味豊かな味わいが楽しめる。

 気仙沼漁協によると、生鮮カツオの水揚げ量は20日時点で、およそ2万1910トンで、不漁だった去年の2.6倍と好調をキープ。

 第88佐賀明神丸 森下靖船頭:「今までにないような、20℃の黒潮の本潮が東北まで来たので。5月の時点で。(カツオは)めちゃくちゃ多いわけではないが、安定して目の前でとれて効率が良かった」

 気仙沼漁業協同組合 臼井靖参事:「今年はおかげさまで、日本一が確実視されています。11月まで、少しでも長く漁を続けてもらえばと思っています」

■“秋サケ”とれず…「フグ」大量

 各地で秋の味覚が好調な一方、異変が起きているのが、この時期、北海道を代表する秋の味覚「秋サケ」だ。

 しかし、函館市の尾札部漁港で水揚げされていたのは南の海に生息するシイラ。さらに、しま模様が特徴的なフグも大漁。肝心の秋サケは、見当たらない。

 漁師:「サケは全くダメです」「(Q.きょうもあんまり入ってなかった?)10本くらいじゃないですか」

 秋サケの漁獲数は、去年の同じ時期に比べ34.2%減少しているという。秋サケが不漁ななか今、豊漁となっている魚もある。

■旬の味に異変…「ブリ」急増で困惑

 26日、尾札部漁港で水揚げされたのは、大量のブリとスルメイカ。

 漁師:「(Q.きょうのとれ高は?)大漁だね。素晴らしい」

 しかし、この時期お目当ての秋サケは入っておらず、漁師たちからは不安の声も上がっている。

 第25宝清丸 佐藤伴篤さん:「サケは全くダメです。昔だったらサケ、何千本とか入っていたけれど。ここ3年くらいは全くダメですね。良い年はサケで1億円稼いだ。それからみたら、水揚げはかなり落ちている」

 26日、水揚げしたのはイカおよそ40トン、ブリおよそ50トンだという。この時期、スルメイカがとれるのは昔からなのだが実は、北海道のブリの漁獲量は、1990年代に比べ、およそ20倍に急増。

 しかし、北海道民のブリ消費量は全国平均の半分ほどで、1キロあたりの値段はサケの半値以下になってしまうこともある。

 さらに北海道には、イクラや塩ザケなどの加工業者が多く、秋サケがとれないマイナス分をブリでカバーできるわけではないという。

 ブリを購入したという仲買人は、次のように話す。

 地元の仲買人:「ブリの使い道は輸出。タイとベトナムのほうへ。(現地では)家庭で食べているみたいですよ。苦しいです。今までブリがとれなかったから(函館では)あまりなじみがない」

■“秋サケ”激減…原因は“海洋熱波”

 函館市民の台所「はこだて自由市場」で話を聞いてみた。

 函館市民(60代):「ブリは好みではない。身は固め、味も特に…。おいしい魚って、あまり思わない」

 函館市民(70代):「(手が)伸びないね。やっぱりサケだね」「(ブリが)なくとも生きていける。サケは困るけどね」「(ブリとサケが)2つ並んでいたら、サケを買うよね」

 サケを扱う専門店、自家製のいくらや筋子などが店頭に並んでいるが…。

 函館自由市場協同組合 前直幸理事長:「今(秋サケの)シーズンだから、1年分のイクラのしょうゆ漬けを作っている。親サケの値段が影響するから、とれないと(価格が)高くなっていく…。2~3割上がっちゃったかな」

 イクラが人気メニューというすし店では…。

 函館すし雅 坂東雅直店主:「すぐ(値上げ)はできないですね。売値は変えずに我慢します。お客さんに対して『何これ?』って思われるよりは、多少無理してでも良いものを出したほうが、また来てくれるじゃないですか」

 北海道で起きている“秋の味覚の異変”。その原因を専門家に聞いてみた。

 海洋研究開発機構 美山透主任研究員:「今年は非常に海水温が高くて、記録的な海洋熱波によって生態系がおかしくなった」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年10月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事