せき止め薬“空前の不足”で薬局悲鳴「1人分の在庫もない」…薬剤師会は異例の訴え【もっと知りたい!】(2023年10月25日)
季節外れのインフルエンザが流行するなど、のどに不調をきたす人が増えるなか、せき止めの薬が全く足りていない状況となっています。現場を取材しました。
■医師「空前のせき止め不足」
東京・北区のクリニックには、寒暖差が激しくなったことなどから、かぜの症状を訴える患者が急増。体調を崩し、せきに悩まされる患者が多くなっています。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:「それにしても今、多いですよね。10月に入ってからも、せきの患者さん。せき、せきという感じで」
しかし、医師も驚く異例の事態が起きています。
伊藤院長:「一応(処方箋を)出すんですけど、このせき止めがなかったりする。空前のせき止め不足で」
診察後に処方するせき止めの薬がないというのです。
伊藤院長:「きょうも何人か、せき止め代替品もないので、あきめていいですかと、問い合わせが薬局から来て。電話のやり取りですけど、断念する場面が複数回ありました」
■薬局悲鳴「1名分もまかなえない在庫量」
薬局に行ってみました。
薬剤師:「せき止めが、ホントに不足していて」
患者の家族:「そうですか。ニュースで見ました」
薬剤師:「ちょうど(これで)なくなってしまって。よかったです。ちょうど」
ポッポ堂薬局 荒井伸幸管理薬剤師:「3種類錠剤のタイプになりますが、どれも1名分もまかなえないほどの在庫量になっています」
東京・品川区の薬局では、子どもも飲める錠剤タイプのせき止めが底をつき、他のせき止めも十分に確保できていません。
荒井管理薬剤師:「だいたい月の初めにまとめて、せき止めは入ってくる状況なんですが。あと残り10日前後となりまけど、それを踏まえると、正直全く足りないですね」
業界では薬不足の長期化を懸念し、異例の呼び掛けを行う事態になっています。
大田区薬剤師会 田中敏郎会長:「(患者で)飲まない薬が残っていれば、ついでにもらっておこうということは避けていただきたい。医者もできるだけ短い期間で、5日分とかで処方していただけると助かります」
■“品質不正問題”に…“高需要”が追い打ち
せき止め不足の原因は、数年前から相次いでいるジェネリック医薬品の品質不正問題です。
業務停止命令などで、多くの医薬品の製造が停止したことで、供給不足に陥っています。
新型コロナやインフルエンザが流行したことで需要が高まったことも、追い打ちをかけました。
23日には、ジェネリック医薬品最大手の沢井製薬も不正を公表。実際に使うカプセルとは別のカプセルに粉末を移し替えて、品質試験を行っていたことを明らかにしました。
医薬品のさらなる不足が心配されます。
異例のせき止め不足。この状況、いつまで続くのでしょうか?
田中会長:「全然見通しが立っていない。すぐに解決する問題ではないんじゃないかと思います」
(「グッド!モーニング」2023年10月25日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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