河川敷に“勝手畑” 小屋に耕作機、4m超の木も…ゴミ散乱 増水リスクに住民不安の声【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月19日)

河川敷に“勝手畑” 小屋に耕作機、4m超の木も…ゴミ散乱 増水リスクに住民不安の声【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月19日)

河川敷に“勝手畑” 小屋に耕作機、4m超の木も…ゴミ散乱 増水リスクに住民不安の声【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月19日)

 河川敷など国有地に無許可で作られた畑が問題になっている。

■国有地に無断で“小屋”も…

 長野県長野市、千曲川沿の河川敷に作られた畑。ネギやトウガラシ、ナスなど見事に育った野菜。

 こちらは国有地だが、許可も得ず野菜などを栽培している、いわゆる“勝手畑”が広がっている。

 ネギ、カリフラワー、奥はサヤエンドウなど、いろんな種類の野菜が植えられていて、家庭菜園レベルではない、普通の畑のようだ。さらに木になっていたのは、ナツメと思われる実。

 畑の脇には立派な小屋も。その中には耕作機や作業場、くつろげるようなスペースも設置されている。

 勝手畑がある河川敷は、国土交通省が管理する国有地。許可なく畑を作ったり、建物を建てたりできない場所だ。

 勝手畑で作業していた男性を発見した。

 “勝手畑”で作業する男性:「(Q.こちらの畑の持ち主でいらっしゃいますか?)…」「(Q.この野菜はなんのためのものでしょうか、お聞かせいただけますか?)…」

 こちらの問い掛けに一切答えることなく、作業を続ける男性。一輪車に、収穫した巨大なズッキーニを積んでいる。

 男性:「(Q.こちらの畑、違法だというのはご存じですよね?)…」

 無視を続ける男性。ときたまクワを持ったままこちらをにらみ付ける様子もあった。

■2010年ごろから…増水に住民不安の声

 勝手畑で作業している、別の女性はこのように言った。

 “勝手畑”で作業する女性:「(Q.すみません、ちょっとお話いいですか?)中国語で言って、日本語分からない。私は中国人で、日本に来てまだそんなに時間が経っていません。ここは夫の畑で、私も夫も、もう仕事をしていません。野菜を作ったら買わなくてもいいでしょ。来年になったらもう作らないわよ」

 近所の人によると、勝手畑をやっているのは中国語を話す10人ほどの人たちで、それぞれ自分のテリトリーがあるという。

 個人で食べるには多すぎる量の栽培。収穫された野菜は一体どうしているのか?

 地元の住民:「(Q.作った野菜は売っている?)そういう話は聞きますね。例えば生産者直売コーナーとか、そういう所にナントカという名前で出ているとか、そういう噂を聞きますけど」

 河川敷を管理する千曲川河川事務所によると、この地区で勝手畑が確認されたのが2010年で、その広さは現在1ヘクタールにも及ぶという。

 そんな勝手畑に対し、地元の住民は心配の声を上げている。

 地元の住民:「(Q.小屋とかも増水したら危ない)(小屋などで)水の流れが悪くなっていくから、どうしても(堤防を)越水したり心配はしているけど、我々ではいかんともしようがない」

■過去に台風被害も…10年以上注意喚起も無視

 千曲川が氾濫し、北陸新幹線の車両が水没するなどの被害があった2019年の台風19号。この台風で、勝手畑にあったすべての小屋が流されたという。

 地元の住民:「(勝手畑に)ビニールで作った小屋があったんだけど、その人のビニールシートが土の中に埋まって(撤去するのに)けっこう大変でした」

 千曲川河川事務所では、10年以上にわたり、「すぐに農業をやめてください」と、日本語と中国語の看板で注意を促している。

 しかし当の本人たちは、農作業を続けている。

■住民“洪水来れば一気に流れる” ゴミも散乱

 この勝手畑の問題は、岡山県でもみられた。

 岡山市内を流れる笹ケ瀬川の河川敷。国有地のこの場所にも勝手畑がある。畑の近くまで行ってみると、ナスやゴーヤが育っている。さらに、ジャガイモも100個以上あった。

 畑の脇にはトタンで作られた簡素な小屋があった。中をのぞいてみると、いくつもの農具やバケツなどが置いてある。そしてその横には、大量の空き缶などのゴミも散乱。

 近隣住民は不安を抱えている。

 近隣住民:「毎年のように、大雨降って洪水が起きているので。ビニールとかあると思うので、それも当然洪水が来れば一気に流れていくでしょうから。やっぱり、もっと強くダメですよと言うべきだろうと思います」

 住民が恐怖を感じたのは5年前の西日本豪雨だ。

 その時の笹ケ瀬川は増水し、堤防のギリギリまで水が来たという。河川敷もほとんどが水につかっていた。

 畑のすぐ近くには、行政の「至急撤去してください」という立て看板も。行政も去年から複数回にわたって指導しているが、撤去には至っていないという。

■柿の木は4m超え…20年前から“勝手畑”

 取材を進めていると、手に荷物を持ち、畑に入ってくる男性の姿があった。

 “勝手畑”にいた男性:「(Q.ジャガイモとか、カボチャとか、お父さんの畑?)そう」「(Q.自分と奥さんで野菜を食べていた?)そうそう」「(Q.2人で?)うん」

 日本語と中国語を織り交ぜて話す男性は、20年ほど前からこの場所で畑をやっているという。

 男性:「この木が(今は)こんなに太い。20年くらいあったんじゃ」「(Q.最初は小さかった?)最初はこれくらい(指の太さくらい)ホームセンターで買ったときはこのくらい。どんどん大きくなった」

 最初は10センチにも満たない大きさだった柿の苗木も、20年経った今では、4メートルをゆうに超える大きさに…。

 男性:「(ジャガイモ)小さいよ~」「(Q.友達にあげた?)いる?あそこのカゴのあげるよ」

■指導受けるも畑の手入れ? 県は根気強く対応

 悪びれる様子もなく番組スタッフに「農作物をあげる」と言う男性。しかし、畑があるのは国有地。その事実を指摘すると、このように反論した。

 男性:「畑しない。今はな、県民局の看板があったんじゃ。その前は畑する。今、今年はダメだ」

 今年5月に岡山県の指導を受け、現在は畑をやっていないと話すが、畑を見るときちんと手入れがされている印象を受ける。

 近隣住民が水害への影響を気にしている点については、このように話す。

 男性:「(Q.雨が降ったら水が増えて危ない)しょうがないわ。何年前かな、水ここまでじゃ(防波堤ギリギリを指し)全部水。雨が連続降るから、それで(水位)上がってる」

 5年前の西日本豪雨の際には川が増水し、畑もつかったといい、男性もゴミが流れる危険性を認識しているという。

 男性:「(Q.(捨てられた空き缶)これ全部お父さんが飲んだ?)これあとで持って帰る」「(Q.ゴミ置いてっちゃダメじゃないですか)私いまは、掃除の時間できないけど、日にち決まってない」「(Q.一日でも早く片さないといけない)おお、早く。できるだけ」

 ゴミをなるべく早く片付けると答えた男性。

 県の担当者はこのように話す。

 岡山県 備前県民局 渡辺晃良副部長:「河川占用許可等を受けていない畑ですので、基本的には違法な占用物件というふうに認識してます。小屋とかについては放置してたら下流に流れていくということもありますので、根気強く指導していくという方針です」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年10月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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