“子どもだけで留守番は虐待”条例案に苦情殺到で一転…埼玉・自民県議団が土壇場撤回(2023年10月11日)
子どもだけでの家の留守番は虐待にあたるなどとする、自民党埼玉県議団の条例改正案が撤回されました。県内の自治体を取材すると、困惑する声が聞こえました。
■和光市長も…「現実として難しいんじゃないか」
子育て世代:「ゴミ捨ての間も子どもを1人にしちゃいけないとか。それを虐待みたいに言われてしまうと、子育てしづらい」
子育て世代:「うちは共働きなので。学校の帰りすら、常に保護者がつかないといけないのは厳しいんじゃないか」
子育て世代は一様に、「現実的ではない」と口をそろえます。
反発の声が上がったのは、埼玉県の自民党県議団が提出した、虐待防止の条例案です。
小学1年生から3年生だけでの登下校を禁じているほか、子どもだけで公園で遊ばせるのも、子どもだけで留守番もおつかいもダメ。そして、これらを「虐待」と定義。
自民党県議団の田村琢実団長は連休前、こう明言していました。
田村団長:「(Q.留守番も虐待?)もちろんです」
埼玉県には、条例案への苦情が殺到し、反対意見は1005件、賛成はわずか2件。「埼玉県では子育てできない」という声も寄せられたといいます。
強気だった議員団も一転…。
田村団長:「反省、猛省をさせていただいている」
採決を13日に控えるなか、急転直下の撤回です。
和光市 柴崎光子市長(48):「私も子どもいますので、現実として難しいんじゃないかと」
現場を預かる市長が語った問題点とは?
■埼玉県下の自治体も困惑「守るのは難しい」
埼玉県の虐待防止条例改正案。自民党県議団が急きょ、改正案の撤回を明らかにしました。
田村団長:「議案の内容等については、私は瑕疵(かし)がなかったと感じているが、説明が不十分であり、その不十分さが広く伝わったことによって、国民や県民の皆さま方に、ご心配や不安が広がったというふうに反省、猛省をさせていただいている」
実際に県民と接し、条例の運用を求められる埼玉県下の自治体にも困惑が広がりました。
2人の子どもを育てている、和光市の紫崎市長です。
紫崎市長:「子ども1人でとか、2人で留守番させたことも実際にありましたので。これが法律に触れてしまうとなると、ちょっと大変かな」
子どもの虐待防止という条例の理念には賛成としたうえで、待機児童対策や子育ての環境整備など、財政面での裏付けが必要だと訴えました。
紫崎市長:「和光市でも学童の待機児童が発生している。これまでは何とか子どもたち同士で過ごしていたような時間すべてに、大人の見守りが必要となった場合に、どうサポートしていくかを一緒に示してもらわないと、条例を守るのは難しいのではないか」
自民党県議団は今後、条例案を再提出する予定はないとしています。
(「グッド!モーニング」2023年10月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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