背景に“年収の低さ”も…運転手不足で全国でバス減便『2024年問題』を前に深刻化(2023年9月28日)

背景に“年収の低さ”も…運転手不足で全国でバス減便『2024年問題』を前に深刻化(2023年9月28日)

背景に“年収の低さ”も…運転手不足で全国でバス減便『2024年問題』を前に深刻化(2023年9月28日)

秋の行楽シーズンが近付き、旅行先などでも利用する機会が増える『路線バス』。ところが、そのバス業界では今、運転手不足が深刻化していて、全国各地の路線バスで大幅な減便が決まっています。今後、地域経済への影響が広がりそうです。

晴海エリアから銀座、東京駅を通り、日本橋まで走るバスも、2週間ほど前に減便になりました。

利用客:「ショックでした。気付いた時には減便されていたが、結構不便に思ってしまった」

千葉市内を走るバスも減便です。朝から夕方まで断続的に走っていたバスが、午前6時台の1本のみに。来月から、2つの路線で大幅に便を減らすことになりました。

減便される時間帯のバスの利用者:「(運賃を)倍額にしてもいいから、このままの状態を保ってほしい。非常に困ってます。実家があり、病院の付き添いで一緒に行ってあげないと。(Q.大事なバスだった)すごい大事」

こちらの会社では、運転手の採用を強化。免許を取得する費用の立て替えなども行っていますが、業界としては、なかなか人が集まらないのが実情です。2030年には、3万6000人もの運転手が足りなくなるという試算もあります。

「減便」の波は、松江市の周遊バスにも押し寄せています。これまで30分に1本だったバスが、来月から、平日は1時間に1本に減ります。

合宿免許で滋賀県から:「(Q.周遊バスはありがたい)そうですね。外から来た人間からしたら、観光客用のバスですもんね」

できるだけ利用者の生活に支障が出ないように。松江市では、病院などを通る生活に密着したルートよりも、観光地をめぐる周遊バスの減便を選びました。ただ、受け入れる側の観光地は複雑です。

『塩見茶屋』板橋うしお店長:「どんどんバスがなくなってきて、タクシーも少ない。お客さんの足をとるわけだから良くない」

松江市交通局 佐藤広樹課長:「いろんな工夫をしているが、残念ながら人材が集まってこない。車があっても人がいなければ、バスは走らせられない。引き続き、乗務員確保に努めていくが、大変申し訳ございませんが、そういったことをご理解いただければと思う」

◆背景にバス運転手の“低賃金”

茨城や沖縄の路線バスがすでに減便。また、これから秋の行楽シーズンを迎えるなか、北日本観光バスは、石川と大阪・京都を結ぶ高速バスを今月から減便しています。

さらに来月以降は、全国各地のバス会社が減便を予定しています(番組知らべ)。例えば、北海道の『くしろバス』は43便の減便。福岡県の西鉄バスは、500便以上も減便すると発表しています。

(Q.いずれの原因も“バスの運転手不足”ですか)

全ての減便の背景に“運転手不足”があります。日本バス協会によりますと、2023年は全国で約12万人の運転手が必要なのに対し、現状は約11万人と、すでに1万人不足しています。

2024年からは労働時間が制限され、路線維持に必要な人員がさらに増えます。そのため、運転手不足はさらに深刻化。2030年には3万6000人が不足する見通しだといいます。

今月28日、関東の大手バス会社が、バス運転手を目指す人向けの説明会を開く予定でしたが、応募者が“ゼロ”だったため、取りやめとなりました。

(Q.“2024年問題”を前に深刻化したのはなぜですか)

理由の一つとして、バス運転手の平均年収が低いことが指摘されています。国交省の推計によりますと、バス運転手の平均年収は約399万円。全産業の平均と比べると、100万円ほど低くなっています。

国は、人材確保のための支援を行っています。国交省によりますと、バス会社などに対し、業務に必要な『第二種運転免許』取得のための補助金や、人材確保セミナーを開催や、実技講習に参加するための補助金といった支援を行っているということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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