サンゴ移植に課題も…辺野古埋め立てめぐり沖縄知事「承認困難」政府は“代執行”検討(2023年9月27日)

サンゴ移植に課題も…辺野古埋め立てめぐり沖縄知事「承認困難」政府は“代執行”検討(2023年9月27日)

サンゴ移植に課題も…辺野古埋め立てめぐり沖縄知事「承認困難」政府は“代執行”検討(2023年9月27日)

沖縄県辺野古の新基地建設の地盤工事をめぐり、最高裁判決で県が敗訴したことを受け、国は県に対し、今月27日までに工事を承認するよう勧告を出していました。しかし、玉城知事は「期限までの承認は困難」と発表しました。

玉城知事:「県民や行政法学者等から様々な意見が寄せられており、県政の安定的な運営を図るうえで、意見の分析を行う必要がある」

判断を先送りした形ですが、政府は…。

国土交通省:「知事が勧告の期限までに承認が困難としたことは大変遺憾だ。法律に基づいた対応をすべきことは明らかで、速やかに承認するべき」

そこで今回、政府が進めようとしているのが“代執行”の手続きです。代執行とは、国が地方公共団体の業務を代理して強制的に行う制度のこと。これにより、沖縄県が承認しなくても、埋め立て工事を開始できるようになります。

辺野古の埋め立て工事着手に向けた準備として、政府は、予定海域に生息するサンゴの移植も進めようとしています。しかし、これまでの移植の成果をみてみると、2018年、絶滅の恐れがあるオキナワハマサンゴ9群体が別の海域に移されましたが、うち7群体が死滅または消失しています。

防衛省は、元々生息していたサンゴも同様に死滅しているとして「移植による影響ではない」としています。また、サンゴが寿命を迎える段階であり、県の同意も得たとして、7月でモニタリング調査を終了しました。この対応に、20年以上、サンゴを研究している専門家は、こう指摘します。

東京経済大学 大久保奈弥教授:「『これはサンゴの寿命です』と言うのは非科学的。工事をして、どういうことが起きるかは、長期のモニタリングをしないと分からない。(モニタリングを)打ち切るのは、おかしな話」

課題が指摘されるなか、進んでいく埋め立て工事。政府は、早ければ来月上旬にも、代執行に向け提訴する可能性があります。

◆政府の今後の対応は

近く、国交大臣が知事に対し、新たに期限を設け、勧告よりも一段強い『指示』をするとみられます。知事が指示に従わない場合、早ければ来月上旬にも、国交大臣が高等裁判所に対し、承認の『命令』を出すよう提訴する可能性があります。知事が命令に従わない場合、国交大臣が知事に代わって承認する『代執行』を行い、地盤改良工事に着手するのではないかとみられます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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