沼津市が市議会議員“異例”の提訴へ「市有地で不当利益」 渦中市議「証拠書類ある」【もっと知りたい！】(2023年9月22日)
静岡県沼津市で、市の土地を勝手に駐車場として貸し出していたとして、市は現職の市議会議員を提訴しようとしています。渦中の市議は番組の取材に対し猛反論しました。
■私有地にポツン…登記簿には「市所有」
静岡県沼津市にある、アスファルト舗装されたこの場所。目の前に橋が架かり、周囲には10台近くの車が止まっています。ここは、その駐車場の一部でした。
沼津市 山下富美子市議（70）：「こちらです。ちょうどトラロープが張られているんですが、黒く塗られたラインもあるんですが、そこが問題になっている土地です」「（Q.この土地は誰が所有している？）私の土地です」
番組の取材に対し、土地の所有権を主張する女性。沼津市の市議会議員を5期16年務める山下市議です。
この土地を巡って、沼津市が山下市議を提訴しようとする異例の事態となっているのです。
沼津市 頼重秀一市長：「市が市議会議員を対象として提訴することを今回の議会に上程した。私も政治家の一人ですから、極めて重たい内容であるという認識」
問題の土地は46平米あまり。土地の登記簿を確認すると、所有者は沼津市となっています。
「市が所有している」という土地は、道路と接しておらず山下市議の土地の中にポツンとあります。山下市議は、この土地を月ぎめ駐車場として月7000円で複数の人に貸し出していました。
沼津市は、その利益が不当に得たものだとして、去年9月までの10年間分およそ200万円を市に返還するよう求めているのです。
山下市議がこの要求に応じなかったとして、市は議会に議案を提出。可決すれば、裁判所に提訴する方針です。
山下市議は、怒りをあらわにしています。
山下市議：「今や私は駐車場料金をとった非常に悪徳な議員だということで、これから糾弾される」
市と市議の前代未聞の争いに市民はこう話します。
沼津市民（60代）：「民間企業とか民間人だったら、ありえないんじゃないかなと。明確に契約をかわすはずだと思う」
沼津市民（70代）：「このまま終わってしまわないで、出るところに出て話をしてもらいたい」
沼津市が所有していると主張する根拠は登記簿です。
沼津市 建設部 杉山泰彦部長：「（Q.登記が市のものという以上に根拠はない？）それが一番の根拠だと考えています」
■タンスから買い取り証拠書類…手続きミス？
山下市議は、市の主張を真っ向から否定します。
山下市議：「突然、沼津市が『ここが山下さんの土地ではない』『そんなはずはありません。これは私のものです』と（市との）全体会議でも答えたと思っています」
山下市議によると、30年前、沼津市は橋を拡張するため市議の父親が所有していた土地を買い上げたといいます。
橋を拡張した部分以外の残りは、すべて市議の父親が再び買い取りました。
しかし“問題の土地”は、第三者を間に挟んでいたこともあり、売買した記録がないというのです。
山下市議は父親が再び買い取った証拠の書類が、自宅のタンスから見つかったといいます。
山下市議：「沼津市の方が私の父の土地を買うときに、（橋の拡張後）『“問題の土地”を買ってほしい』と約束をした証拠の紙です」
市から出された「計算書」には、問題の土地を買い取る際の具体的な金額が示されている、というのです。
山下市議は「今も登記上、沼津市のものとなっているのは、市の手続きミスではないか」と主張しています。
これに対し、沼津市は「登記しないということは考えられない」としています。
市はなぜ問題の土地を30年もの間、放置していたのでしょうか。番組の取材に対し、市の担当者はこう話します。
沼津市の担当者：「管理が行き届いていなかった。その点は申し訳ないと思っています」
さらに、市がこの土地を“個人のもの”だと認識していることがうかがえる資料が見つかりました。
市の道路管理課が、おととし12月に橋の点検をするため山下市議の自宅に配布したという資料です。
山下市議：「ここを見て頂くと問題の土地もわたくしの土地に、山下の土地に入るよということで、立ち入りのお願いの文書」
沼津市が提出した議案は来月16日に開かれる市議会で採決が行われます。
可決されれば市は提訴に踏み切る方針です。
（「グッド！モーニング」2023年9月22日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
