「富士山登山鉄道構想」オーバーツーリズム対策 “歓迎”と“強い不信感”地元で賛否(2023年9月19日)

「富士山登山鉄道構想」オーバーツーリズム対策 “歓迎”と“強い不信感”地元で賛否(2023年9月19日)

「富士山登山鉄道構想」オーバーツーリズム対策 “歓迎”と“強い不信感”地元で賛否(2023年9月19日)

 富士山のオーバーツーリズム対策として山梨県が進める「富士山登山鉄道構想」を巡って、地元の自治体で賛否が分かれています。

■路面電車LRTを導入 総事業費は1400億円

 今年の夏山シーズン、山梨県側の登山道から富士山に登った人の数はおよそ16万人にも上り、去年から4割ほど増えました。

 弾丸登山や軽装登山の問題に加え、車やバスの排気ガスやごみの放置など、オーバーツーリズムが深刻化しています。

 そこで、山梨県が検討してきたのが「富士山登山鉄道構想」です。

 山梨県 長崎幸太郎知事:「富士山を世界文化遺産として存続させ続けるためには、観光客を含めた来訪者コントロールが必須でありまして、5合目までのアクセスを抜本的に変革していく必要がある」

 登山鉄道は、富士山の麓から5合目までをつなぐ、およそ30キロの富士スバルラインの道路上に整備される計画です。

 車やバスの通行を規制し、環境にやさしい路面電車LRTを導入。総事業費1400億円で、往復運賃を1万円とした場合は、年間およそ300万人の利用者を見込んでいるということです。

■「強い不信感」「歓迎」地元で賛否

 しかし、地元の富士吉田市からは批判の声が上がっています。

 富士吉田市 堀内茂市長:「地元には全然話もせず、説明もせず外堀を固めて、富士山鉄道ありきという世論を醸成しようとしている。県の提案は、地元は素直に聞くべきだという県の傲慢な姿勢。県に対して強い不信感を覚えています」

 堀内市長は、多額の費用がかかることに加え、富士山の自然が破壊されてしまう恐れがあり、災害への対応も難しいとして、反対の立場を打ち出しました。

 一方、隣の富士河口湖町は、歓迎の立場を示しています。

 富士河口湖町政策企画課 清水勝也課長:「富士河口湖町は観光立町ということで。国内外から多くのお客様がみえていただけるなら歓迎します。富士山の価値を損ねないことが大事だと思います。住民に対する説明責任、地域の合意が必要になってくる」

 地元の人たちの登山鉄道に対する考えは様々です。

 富士山登山鉄道に反対:「使用する人が、県民市民よりも海外の人が多くなると思うので。山梨県や富士吉田市のお金を使ってやる意味が(ない)」

 富士山登山鉄道に賛成:「長い目で見たら富士山は、これからずっと残さなきゃいけない遺産だと思う。多少お金かかるかもしれないけど、環境保全のためにはいいんじゃないか」

(「グッド!モーニング」2023年9月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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