モロッコ滞在中に地震「路上や公園で夜を」邦人語る実情“鉄筋造り”でも被害拡大なぜ(2023年9月11日)

モロッコ滞在中に地震「路上や公園で夜を」邦人語る実情“鉄筋造り”でも被害拡大なぜ(2023年9月11日)

モロッコ滞在中に地震「路上や公園で夜を」邦人語る実情“鉄筋造り”でも被害拡大なぜ(2023年9月11日)

北アフリカ・モロッコで発生した地震。
世界遺産に登録された街も被災するなど死者数は2000人を超えました。
なぜここまで被害が大きくなったのでしょうか。

■モロッコ地震“伝統的な街”も壊滅状態

「抱えて。抱えて!向き気を付けて!ゆっくり!ちょっと待って!」
「これで大丈夫。ゆっくりだ!」
「引っ張って、引っ張って!!」
地震発生から1日、倒壊した建物から無事救助された男性…
「ああ、神よ…」
日本時間9日に発生したモロッコ中部を震源とするマグニチュード6.8の地震は、発生から1日経ち、被害の大きさが明らかになってきました。
「何が起こったか見てください。神様におすがりするしかありません。気の毒な若者ががれきの下で亡くなりました。家族は彼をしのぶしかありません」
モロッコの内務省によると、これまでに2012人が死亡、2059人が負傷したと発表しています。首都ラバトから南におよそ450kmの都市・イネガーヌに設置された監視カメラには、地震発生の瞬間が捉えられていました。
断続的に小刻みに揺れる音が10秒ほど続き、次の瞬間…
泣き叫ぶ住民の声…記録された映像では、激しい揺れはおよそ20秒間続きました。旧市街が世界遺産にもなっているマラケシュでは…突然人々が走り出し、逃げ惑う様子が伺えます。そして…激しい揺れと共に頭上からがれきが崩れ落ちてきました。

1000人以上の犠牲者が出たといわれるアスニ地区の村では、レンガや石造りの伝統的な建物ほぼ全てが地震による被害を受けたといいます。多くの住民が外での生活を余儀なくされています。
(被災した女性)「家が危険で料理も出来ません。帰ることも出来ません。全てが壊れてしまいました」
ユネスコの世界ジオパーク国際会議で認定証を受け取るため、モロッコ・マラケシュに滞在していた石川県白山市の田村敏和市長が先ほど現地から番組の取材に応じました。
(モロッコに滞在していた 石川・白山市 田村敏和市長)「ホテルにいまして就寝中でした。突然の揺れでびっくりして目が覚めて、他のメンバーの安否確認してすぐにホテルから外に出た」
市長を含め、同行していた市の職員や学術関係者など7人は全員無事だったといいます。
(田村敏和市長)「日本にいると地震は良く経験するのですが、かなり強い揺れだなという感じ。日本でしたら避難所が開設されるが(モロッコの)皆さんは外にいるので本当に路上とか公園で夜を過ごしている方が多かった」

被害が拡大している原因はどこにあるのか?
(神奈川大学 荏本孝久名誉教授)「やはり建物の耐震性だと思います」
2004年、モロッコで起きたマグニチュード6.5の地震の調査を行った神奈川大学の荏本名誉教授。荏本氏が着目したのは、一般的に耐震性があると思われる鉄筋コンクリート造の建物です。
(神奈川大学 荏本孝久名誉教授)「向こう(モロッコ)は鉄筋コンクリートを使うようになってきているが、鉄筋が十分じゃない。柱や梁には鉄筋コンクリートが使われているがその構造も十分ではないし、その間を埋める壁がレンガだとかブロックだとか石で造られていて一体化されていない。ほとんど古い石積みの建物と同じように壊れる。それも被害を助長した原因ではないか。」

9月10日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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