“絶景流しそうめん”93人食中毒 湧き水で?…大雨被害で「検査せず」(2023年9月1日)

“絶景流しそうめん”93人食中毒 湧き水で?…大雨被害で「検査せず」(2023年9月1日)

“絶景流しそうめん”93人食中毒 湧き水で?…大雨被害で「検査せず」(2023年9月1日)

 絶景を眺めながら楽しめる「大滝流しそうめん」で8月中旬に食中毒が発生しました。患者の数が少なくとも93人に上っていることが分かっています。石川県には他にもおよそ500人から相談があり、調査が進められています。

■“絶景流しそうめん” 93人食中毒

 高さ15メートルから落ちる迫力の滝。石川県津幡町の観光名所の一つ、木窪大滝。その滝を眺めながら楽しめるのが湧き水を利用した「流しそうめん」。これを目当てに年間1万人の観光客が訪れるほど人気だったといいます。しかし、1日は川底に落ち葉が散乱し、辺りは閑散としています。

 先月、この施設で食事を取った24人が腹痛や下痢などの食中毒症状を訴えた問題。食中毒の原因について、保健所はそうめんやイワナの塩焼き、かき氷、ウィンナーなどの食事と判断しています。

 その後も相談が次々と寄せられ、患者は93人まで増加。さらに県は相談があったおよそ500人についても調査しています。

■湧き水原水から「カンピロバクター」

 食品問題評論家 垣田達哉さん:「100人、何百人規模の食中毒はあまり例がない」

 そう話すのは、食品問題に詳しい垣田さんです。今回、施設が使用していた湧き水の原水から検出されたのは細菌・カンピロバクター。

 食品問題評論家 垣田達哉さん:「どこにでもいる。海とか川でも。食中毒菌はいると思っていただければいい」

 調理に使用していたのは山からの湧き水。津幡町によると、この施設では普段は塩素で殺菌処理をしていて、これまでにカンピロバクターが検出されたことはなかったといいます。なぜ今年に限って食中毒が起きたのでしょうか。

 これは食中毒が発生する2週間前にそうめんを食べた男性が撮影したものです。そこには「滝の水に負けじとそうめんが流れてくる」というテロップと、勢いよく流れるそうめんの映像が。

 流しそうめんを撮影した男性:「滝のあった津幡町が豪雨で滝の水も多く…」

■湧き水で? 大雨被害で「検査せず」

 異例の集団食中毒。石川県を襲った大雨の影響で、水質検査をしていなかったことが分かりました。

 食中毒が起こる2週間前に家族とそうめんを食べたという男性は…。

 流しそうめんを撮影した男性:「(Q.体に変化は?)大丈夫でした。何回か食べたことがあり、大丈夫だと…」

 また、コロナ禍を経て4年ぶりの再開だったこともあり、食べる箸とそうめんをすくう箸が違うなど、感染対策もされていたといいます。そして男性は、こんな異変に気が付きました。

 流しそうめんを撮影した男性:「滝のあった津幡町が豪雨で滝の水量も多く…7月の豪雨で大変だったと思うと複雑な気持ち」

 道中の道路も崩落していました。施設側は食中毒の原因について、「年に1度以上、実施すべきである水質検査を7月中旬に発生した線状降水帯による被害の影響から、営業開始前に行わなかったことが今回の事態を招いてしまった」と話しています。

 7月12日、石川県内で発生した線状降水帯。流しそうめんの施設がある津幡町でも甚大な被害が発生しました。このため、水質検査をせず、例年より数日遅らせて7月23日から営業を開始したといいます。

 施設がある木窪地区 加藤篤区長:「本当に大雨の被害は相当ひどかったみたいなので。ぱたぱたと急だったせいもあるんですかね」

 水質と線状降水帯の関係について、専門家は。

 食品問題評論家 垣田達哉さん:「従来と水の流れ・水質が変わっている可能性が高い。大雨があった時ほど水質検査しなければいけないのに今回それをしていなかったのは非常に大きなミス」

 施設は現在、夏の営業を終了しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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