西武池袋本店「臨時閉館」 百貨店としては61年ぶりのストライキ決行へ 「そごう・西武」売却問題【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

西武池袋本店「臨時閉館」 百貨店としては61年ぶりのストライキ決行へ 「そごう・西武」売却問題【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

西武池袋本店「臨時閉館」 百貨店としては61年ぶりのストライキ決行へ 「そごう・西武」売却問題【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

西武池袋本店で、大手百貨店としては61年ぶりにストライキが決行されることになりました。
ストライキを決めるまでの経緯、背景にある「そごう・西武」の売却問題について解説です。

■西武池袋本店 8月31日に臨時閉館 なぜ?ストライキ決行

南波雅俊キャスター:
都心の巨大ターミナルの1つでもある池袋で西武池袋本店がストライキを実施するというのは、大手百貨店では61年ぶりという異例の事態です。

西武池袋本店は西武池袋駅の東口に直結しています。この場所は駅直結というだけではなく、近くにサンシャイン60や大型の家電量販店もあります。

この西武池袋本店は売上が1540億円(2021年度)で「そごう・西武」全売り上げの約35%の旗艦店です。この売り上げは、様々な百貨店の中でもトップクラスの売り上げといっていい数字です。ですから、ルイ・ヴィトンやエルメスなど高級ブランドも多数出展されている場所です。

この西武池袋本店のレイアウトですが、ルイ・ヴィトンなどが入っている場所(本館・北1~2階)は地下鉄からも直結しているので非常に良い場所となります。

セブン&アイ・ホールディングスはそごう・西武を海外の投資ファンドへ売却する方針を打ち出している中で、海外の投資ファンドのパートナー、ヨドバシホールディングスが西武池袋本店などに出店計画をしています。

出店されるとどうなるかというと、一番いい場所に、しかも様々な階にわたって「ヨドバシカメラ」ができる可能性があるわけです。

そごう・西武労働組合の寺岡泰博委員長は「雇用の部分の不安が拭えない」ということで、ストを決行するというわけです。

■西武池袋本店にヨドバシカメラ? どうなる売却問題

セブン&アイ・ホールディングスの経緯を振り返っていきますが、2022年11月に「百貨店の事業環境は年々厳しさを増している」ということで、「そごう・西武」のアメリカ投資ファンドへの売却を発表しました。

これが1つ大きな理由になってくるわけですが、その後の経緯です。

【2023年1月】1回目
売却時期を当初予定の2月1日から3月中に延期

【2023年3月】2回目
売却時期を3月から無期限延期

【2023年8 月】
9月1日に売却完了の方針を打ち出す

豊島区の高野之夫区長(当時)も2022年2月、「家電量販店は低層部に入って欲しくない」と異例の表明をしました。

この後、高野区長が亡くなり、区長が代わりました。高際みゆき区長が初めてこの説明を受けた際には、「(町の人は)初めてご覧になって初めて説明を聞いているので、その場でいいですとか、悪いですねっていうことは言いづらい」(24日)と、ある意味中立というか立場をはっきりとは見せない形になりました。

井上貴博キャスター:
従業員側としては売却した後に雇用は守られるんですか?しかも今の流れでいうと、どうも百貨店事業は継続が難しそうですね。この部分に対して親会社のセブン&アイの経営が厳しいかというと別に今そうでもないので、そういったところに対しての十分な説明がなされていない。そこでストライキを行う。これはある種、ごく自然な流れなんじゃないかなと個人的には感じるんですが。

萩谷麻衣子弁護士:
きちんとスト権の確立投票もした上で手続きを正規に取って多数の賛成を得てストライキを行うんですから、それは権利としてやって当然だと思いますし、雇用の維持は非常に大事だと思いますので、セブン&アイはしっかり雇用の維持に努めないといけないと思います。ですから反対理由として理解できるんですけど、ただセブン&アイの経営判断としては、売却もありうるのかなと思います。

このまま売却を撤回したとしても、売却先への多額の違約金の支払いなどの可能性を置いておいたとしても、今の経営陣に西武・そごうの立て直しを効果的に行う具体策は持っていないと思うんですね。そうすると、いずれは行き詰まる。雇用も不安定になる。そういう意味では、売却もやむを得ない判断かなとは経営的には思います。

井上キャスター:
日本はどちらかというと従業員は会社から、何をされても文句を言わないというか、飲んできた。だからこそ労働組合も形骸化している側面があって、もしかするとそれが給料が上がらなかった一因ではないかという専門家もいらっしゃる。そう考えると、日本の全労働者にとってインパクトの大きいニュースではあるのかなとも感じるんです。

萩谷麻衣子弁護士:
株主の方を見すぎてるんじゃないかっていう批判も一理あると思うんですね。雇用はしっかり守っていただきたいですが、今まではデパートマンとして働いていたのが、違う業態で働くことになったら従業員の方々のモチベーションが維持できるか、ちょっと心配だなと思います。

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