処理水放出で…豊洲市場の高級魚に影響「我慢の時期」 香港とマカオから“注文ゼロ”【もっと知りたい!】(2023年8月30日)

処理水放出で…豊洲市場の高級魚に影響「我慢の時期」 香港とマカオから“注文ゼロ”【もっと知りたい!】(2023年8月30日)

処理水放出で…豊洲市場の高級魚に影響「我慢の時期」 香港とマカオから“注文ゼロ”【もっと知りたい!】(2023年8月30日)

 福島第一原発の処理水の放出を巡り中国が反発を強めるなか、日本の台所・豊洲市場では“高級魚”に影響が出始めています。

■「もう日本食は作らない」男性が店を破壊

 日本風に装飾された自分の店を破壊する男性。

 中国のSNSから:「日本に関係があるものをすべてぶっ壊した。もう店をやらない」

 中国のSNSに投稿された映像です。

 中国のSNSから:「もう中国料理の店にする」

 中国メディアによると、この店は今年5月にオープンしたばかりの日本食レストラン。男性は「もう日本食は作らないという覚悟を伝えることが目的だ」と話しているということです。

■“放出”開始…香港とマカオから「注文ゼロ」

 福島第一原発の処理水放出から、31日で1週間。日本では、市場関係者が影響の広がりを懸念しています。

 仲卸業者「山治」 山崎康弘社長:「(処理水を)放水した日を境にバコーンと変わった。香港、マカオ経由で(中国本土に)送っていた部分が、明らかに減っている。または止まっていると、すごく感じる」

 東京・豊洲市場にある仲卸業者は、1匹あたり6000円から7000円ほどで取り引きされるキンキやキンメダイ、ノドグロといった高級魚を海外に輸出していました。

 山崎社長:「(Q.なぜ、そういった魚が人気?)煮ても焼いても、刺し身にしてもおいしい。赤い魚は、めでたいから」

 しかし処理水の放出が始まると、香港やマカオからの注文はゼロに…。一日の出荷量は2割から3割ほど減少したということです。

 山崎社長:「(従業員に)出荷がなくなったから辞めていいとは到底言えない。今は、我慢の時期」

 29日、豊洲市場には、上海ですし店を営む中国人男性も訪れていました。

 上海ですし店を営む中国人男性:「マグロなど、人気の魚を見に来た。日本にはいい食材があるのに、中国に入ってこないのは少し残念」

■築地の鮮魚店でも影響が…「ちょっと心配」

 一方、築地の鮮魚店でも、影響が出始めていました。

 斉藤水産 統括責任者 斎藤又雄さん:「こういった生のホタテとかは、若干数が多くて。多少の値下がりはしている」「(Q.仕入れ値は、どれくらい変わる?)このパックに関しては200円くらい、若干安いかなと」

 中国などへの輸出が多かったホタテやウニが行き場を失ったことで、国内での価格が下がったといいます。

 斎藤さん:「これから9月に入って、(東北産の)量が増えてくるので。国内消費だけで、どれだけ販売できるか。それはちょっと心配」

 今後について、専門家は次のように話します。

 水産貿易会社「タンゴネロ」社長 水産アナリスト 小平桃郎さん:「(Q.まずは国内で消費するというところが)それが一番ですよね。『(海外に対し)国内で消費するより、高く買うなら輸出する』くらいに。国内の消費がもう少し強くなれば、海外への交渉力も出てくる」

(「グッド!モーニング」2023年8月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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